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僕は海の底のダンジョンで眠り続ける  作者: 囮のイがラム
13/19

ダンジョン編集は海の底

第1章13ページ

久しぶりに僕は夢を見た。



それは映画館に居る夢。

僕は椅子に座っていて

隣の椅子には愛猫が目を閉じて丸まっていた

気持ち良さそうに寝ている、、のかな?

僕は癒されながら

映りだすスクリーンを眺めていた。



僕の過去を振り返る内容だった

小学校、中学校、高校

どれも悲しく辛くキツイ思い出ばかり。

思い出したくないのに

何故、夢に出てくるのだろう

忘れたはずの事も走馬灯の様に現れる


何もかも忘れたい。

全てを思考の底に埋めたい。

そう思えば思うほど

意識は深く深く沈んでいく、、、。

このまま、嫌な事から目を反らして

眠り続けたら

どんなに楽だろうか

頑張るのは明日からでも大丈夫だろう

今、現実逃避をしても誰も、、、


視界が揺れる

ん?

誰だ、僕を揺さぶるのは。

自分の過去がスクリーンに映る映画を

微睡みの中で見ているのに邪魔するなんて!


身体が揺さぶられ

意識が浮上するにしたがって


カラカラと音がする

うっすらと光が見える

目を覚まさなければいけない気がする

この感覚に身に覚えが、、、

何故、僕を起こそうとするんだ?

まだ眠っていたいのに


起こさないといけない用事があるの?

何かあったっけ?

うぅ、今何時だ?

時間、、、?


突如、冷水をぶっかけられた感覚に陥る

時間、、、遅刻、、、仕事!!


「へぇぁ!?何分だ!?遅刻!??」


無理矢理に脳を起動させ

乾いているが目を開く


見えたのは


僕の大きな声で

驚いているカララ


フヨフヨ浮かんでいる

ダンジョンリモコン


殺風景で何もない部屋だった。


あぁ、そっか。

仕事に行かなくてもいいのか、、、。

安堵の気持ちと

そういえば

カララが僕を起こすのは

初めてだ。と思考が浮かんでくる


「驚かせたね、ごめんごめんカララ。僕を起こすなんて初めてだね、何かあったのかい?」


カララは気を取り直したのか

ガクガクと何度も頷きながら

出口の方に指を指した。


まさか、冒険者が現れたのかな?

いやそれは無いだろう。

海の底まで潜れる人間が襲ってきたなら

僕を揺さぶるのは

カララの手じゃなくて

冒険者の持つ剣か斧だろうだしな。


ダンジョンマスターとして

異変があったのならば

この場所を管理をするのが僕の仕事!

結局は仕事に起こされる。

前の世界も今の世界も

大差は無いな、、、。


世界が変わっても逃れられない

仕事の強制力に追われ

ベッドから降りて

フラフラと部屋を出る

カララは僕を先導する形で

前を歩いているが

肝心の僕が壁を伝って

老人の如きスピードで歩いているので

結構シュールな光景だろう。


協会を出るまでは良かったが

壁が無くなって

まともに歩けないので

カララに手を引っ張ってもらい

老人の行進を再開する


情けないが

めちゃくちゃ眠い。

少しでも気を抜くと

意識を持っていかれそうだ、、、。



長きに渡り続いた睡魔との戦いは

魚を取っていた水溜まりまで続いた。

いや、厳密には水溜まりに着いて

その光景を見て睡魔がぶっ飛んだ。


何故なら

可愛いマスコットのスラコが萎れていて


我がダンジョン屈指の観光スポットである

ファンタジーな滝が消えたからである。




「え、何!?何で滝が無いの!?って言うか大丈夫か!スラコ!」


人を飲み込めるほど大きかったスラコは

召喚時の大きさの洗面器ほどまで

縮んでいた。

ツヤツヤプルプルだった表面は

まるで干し柿の様にカサカサで

僕を見つけても

ナメクジ並のスピードしか出ていない


とりあえず、スラコを抱き抱えて

安否確認をしたが

命に別状な無さそうだ

まぁ、スライムの安否確認は

学校で習って居ないが

僕の胸にスリスリしているので

大丈夫だと判断した。


次はダンジョンの出入口。

とりあえず

ファンタジーな滝の出入口まで

様子を見に行こう。

水溜まりに入ると

ほとんど水分が無いのか

沼の様に足にまとわりついて

歩きづらいな。


やっとの事で

ダンジョンの出入口にたどり着いた。

普段は水が出ていて

わからなかったが

水が出ていなければ

ダンジョンの入り口なんだなと実感できる

しかし、肝心のダンジョンの入り口は

ボロボロの木の板で塞がれていた


木の板はカララと2人がかりで押しても

ビクともせず

カララの正拳突きでも効果が無かった。

弱ってるスラコのために

水溜まり。改めて

沼の中で魚を探しても

既にスラコが取り尽くしたのか

1匹も姿は見えなかった、、、。


ヤバい、、、。

まさか、入り口が塞がれるとは

思わなかった。

何で塞がったんだ?

人間が塞いだ?

いや、それは無いだろう

思い付くのは

沈没した船の残骸とかが

偶然、塞いだとかだろうな、、、。

どうしよう、どうしよう、どうしよう!

考えてるだけじゃ何も始まらないし

どんどんスラコが弱っていく


とりあえず、唯一の鍵である

ダンジョンリモコンでなんとかなるかも!

スラコを抱き抱えたままで

忙いで教会に戻る。

道中、弱っていても

僕の胸の中でスラコは嬉しい照れていたが

気にしないでおこう、、、。


いくら睡魔がぶっ飛んでも

寝起きの身体に急な運動は辛く

休み休み走って

なんとか到着した。


玉座を通りすぎ

自室に入り

僕のベッドにスラコを置いて

相変わらずフヨフヨ浮かんでいる

ダンジョンリモコンを両手で掴む。

着いてきたカララは

ドアをしっかり閉めて

ドアの傍で姿勢を正して待機を指示した


何か、、何かないのか!

強いモンスターを出して

木の板を叩き割ろうと考えたが

スケルトンとスライムしか項目が無く

新しいモンスターは増えていなかった。


ならば、ダンジョン作成の文字を

触って操作する

ダンジョン作成の項目を触ると

次に『新しくダンジョンを作る』と

『ダンジョンを編集する』の項目が書いてあり

希望の光が見えた気がして

少し安堵のしたが

まだ、解決したわけではない!

気を取り直して

リモコンを操作を続けた。


ダンジョンの編集を押して

細かい項目がズラリと並んでいた。

その中に書いてあった

『ダンジョンの出入口』の項目を押す

すると

『出入口を大きくする』

『出入口を小さくする』の文字が出てきた。

どうやらDPダンジョンポイント

大きさを変えれるらし

これ以上小さく出来ないようだ。


うーん。

残りDPは300を越えていて

縦横1メートル大きくするのに多少のDP必要みたいで

ちょこちょこ大きくすると

手数料がかかっているのか

わからないが無駄にポイントがかかるようだ。

ここは、一気に大きくした方が

良いだろう、、、。


が!

何が起こるか

わからないので

とりあえず、縦横5メートル大きくしてみよう!


リモコンを操作して

本当に大きくしますか?

と確認してきた。

おぉ、優しい気遣いだ、、、。

と感動しながら決定を押す。

少しの間、地響きが鳴り

そして静寂に包まれる。


「これで、出入口が大きくなったはずだ、、、。カララ!すぐに確認しに行くよ!」


カララは頷きドアを開けて

僕を先に行かせてくれるようだ。

まるで執事みたいだなと

思いながら

ベッドの上で萎んでるスラコを

抱き上げて走り出す。




休み休み走って

ようやく水溜まりに到着する。

が、そこにあったのは

小隊がならんで通れるほど広がった出入口と

その1面に数十年たったであろう

所々にフジツボや海藻が付着している

木の板が広がっていた。


「まだ、足りないのか、、、」


沈没した船の残骸が引っ掛かっているのかと

思ったが

沈没した船が引っ掛かっているのか?

だとしたら

残りのDPで足りるだろうか、、、。

ちょこちょこと出入口を大きくして

無駄に手数料をとられるより

一気に大きくした方が良いか、、、。


だが、それでも足りなかったら

スラコは餓死してしまう。

これで大丈夫だ!と安堵してからの

少し顔を出した絶望。

走って教会と水溜まりを

往復した疲労感が寝不足の身体にのしかかる。


胸の中で僕の体温を楽しんでいる

弱ったスラコを見る。

駄目じゃない!

絶対に大丈夫だ!

もぅ、前の世界と同じ悲しみは

味わいたくない

不幸な気分になりたくない!


「カララ、まだ足りないみたいだ。もう一度教会に戻ろう!」


汗が流れるが

気にする事もなく

来た道を戻る。

脇腹が痛くなる

足が上がらない

今まで甘えてきたツケが

容赦なく僕を責める

だが、今は1分1秒が惜しい

スラコは弱ってるんだから!


来た時は休み休み走っていたが

1度も休まずに走って教会に到着。

苦悶の表情の僕とは対照的に

カララは平然と涼しい雰囲気だ。

、、、。

カララに様子を見て来てもらった方が

早かったかな。

と気づいてしまったが

これで良いんだ、、、、。

うん、これで良いんだよ。僕、、、。




2度目の玉座を通りすぎ自室に入る。

スラコをベッドの上に置いて

カララはドアの傍で待機

そして

僕はリモコンを手に取り

また、『ダンジョンの出入口』の項目を押した。


今度は全ポイントを振って

出入口を大きくする。

消費ポイントは出入口が

大きくなっていく毎に

手数料とか減っていくみたいだ。

だが!

計算もせずに最大限に大きくして

決定の文字を押す。





途端に

地震か!?と思うほどの地響きと揺れが

ダンジョン内に響き渡る。

僕はよろけて倒れそうになるが

颯爽と現れたカララに支えられ

ベッドの傍に行き

スラコとカララを抱き寄せて

揺れが治まるのを待つ。


正直いって

めちゃくちゃ怖い!

後悔しかしていない!

あの、小さな出入口で

水溜まりだったのに

アホみたいに大きくなったら

このダンジョンは水没するんじゃないかと

嫌な想像が頭を満たす。


数分して

やっと、揺れが治まった。

教会が水没した気配は、、、ないと思う。

恐る恐る3人で

自室を出て教会の扉を開ける。



そこには、思いもしなかった景色が

広がっていた。

海だ!

教会の傍まで水が

押し寄せて来たらしく

例えるなら

『浜辺にポツリとある教会』って感じだ。

自分のセンスの無さに絶望


海の奥を見ると

詰まっていただろう沈没船が

横向きで海で浮かんでおり

遠くには

轟音を響かせて水が流れ落ちる

ナイアガラの様な滝が水蒸気のせいで

うっすらと見えた。

(ナイアガラの滝は見たこと無いが)


「やった、成功だ!これでスラコが助かるよ!カララ、急いで魚を取ってきて!あ、もしかしたら肉食の大型の魚が居るかもしれないから気を付けてね」


カララは嬉しそうに頷いて

海の中へと沈んでいく

待っている時間は

もどかしかったが

待っていたかいがあった。


10分くらいして

カララが50センチ位の魚を持ってきたからだ。

久しぶりのご飯を目にしたスラコは

急いで魚を飲み込み食べ始める


僕はカララを褒めて

大きな魚に四苦八苦しながら

消化をしているスラコを眺め


やっと、安堵のため息を漏らす

良かった、、、。

前とちょっと、、、いや、だいぶ変わったが

スラコが助かったから

良しとするか!


おかわりを要求を受けたカララが

再び海の中に魚を取りに行き

スラコは戻りつつある身体を使って

僕にまとわりつく。

安心感と疲労感が

僕を満たして睡魔を呼び起こしてしまった。


まとわりつかれた状態で

横になって寝る体勢に移る

カララが一回り小さい魚を

両手に持って走って来る

スラコとはそれを見て

飛び出して行ってしまった。


魚の取り合いをしている2人を眺めながら

意識は微睡みの底に落ちていく

明日から

この海について考えよう、、、。


いつもの1日の終わり。

何でもない平穏な毎日。

しかし、

いつもと違う所が1つあった

それは、、、


お盆で忙しい中

コツコツ書いていた小説が

チビッ子の魔の手にかかりロスト。

奴等に文章を書く大変さを

小一時間みっちり教えてやろう、、、。


眠たいので

途中で止めます。

すみません

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