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偽埜①
「じゃあ偽埜で」
「彼を裁くには過去を知る必要があります」
簡単に仕訳られると思いきや、ちゃんと確認はするんだ。
私はまず偽埜を付きっきりで、監視することにした。
「おまえたち、今日もかわいいな」
「キャー!」「私に言ったのよ!!」「わたしよ!」
ド定番の争いがおきている。明らかに息をするように女鬼たちを騙してる。
あれが世にきく結婚詐欺師……たとえシャクが許しても、閻魔の私が折檻よ!
「ちょっと偽埜!」
「なんだ」
「硬派っぽいナリしてチャラ男とか、犯則じゃない!?」
あれ、私なにいってんの?
「……硬派だったらこんな所にいないと思うんだが」
たしかにそうだった。