アムライガの日記
最近変なニンゲンが城の中をうろちょろするようになった。
そのニンゲンはこの城にこれるような有能な騎士とはまるっきり違う、どこかへな、へなちょこ? な感じのするものだ。
最初は骨ばっかりなボンや趣味の園芸ちっくなモルもニンゲン相手にどう接していいのかわからなかったようだけれど、おいらはわりとすぐになじんでしまった。
人間は嫌いだ。
でも、おいしいお茶がのめるならば、それはそれでいいのかな、と思ってしまう。
そしてなによりあのニンゲンさんは、さほど脅威には思えない。
物騒な剣や鉄砲の代わりに、包丁でざくざくとおいしいものを作ってくれるのだ。
この前振る舞ってくれた米とキノコとその他もろもろが入ったご飯もモチモチとおいしかった。
さすがは手先が器用なニンゲンさんだと思う。それがいったん狂気に向けば物騒だけれど、破壊も創造も両方ともできるというわけだ。
魔王さまからは、おまえはちょっとニンゲンに寄りすぎだと言われてしまったが別に怒られている風でもなかったのでかまわないだろう。
そう。おいらこと、アムライガは人間の生活習慣を大変気にいってしまっているのだから。