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夏生詩集3

梅熟す

作者: 夏生

梅雨

なぜ、梅と雨なのか

梅熟す季節だからという説がある


梅といえば梅干し

梅干しは暑さや日頃の疲れをのりきるために

必要な成分で出来ている

ありがたい食物である

思っただけでつばがじわっと沸いて出る

ただ酸っぱいからではない

レモンでつばは沸き出ない

梅干しの途方もない旨味の記憶が

例え食したことがなくとも

遠い祖先の記憶が瞬時に立ち上がって

つばが沸き出る


かたくあおい身から

天日にさらされ

手塩にかけて時間をかけて

じっくりじっくり育てられて

やっと

酸いも甘いも身についたものに

なれる


やわらかな身の中に

固く守られた実がある

実まで味わいたいと思われる

身にならなければ吐き出されてしまう


早く熟すように

無理やりを押し込められたら

内側まで酸い甘い到達せぬまま

未熟のまま終わってしまう

数の割には値段が安い

ハリボテの酸っぱさはすぐに

忘れられる


旨味のあるものはたった一度でも

おぼえられる、追いたくなる



そんな梅干しに私はなりたい


あれ?





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