花粉症の苦労
一人の青年が、ティッシュで鼻をかみ続けている。青年の近くにあるゴミ箱を見ると、そこには、あふれる寸前の鼻紙で詰まっている。鼻をかみ終わった青年は、白い紙玉を四角いゴミ箱の中に押し込み、そのまま机の上にある烏龍茶を飲むために、ペットボトルからコップに注ぐ。
「そういえば、もうすぐ扇風機も必要かな」
青年は、独り言のように呟き、大きなくしゃみをした。その時、誰かが部屋のドアをノックする。
「兄貴また鼻かんでるのかよ。入るぞ」
すると、青年の弟が部屋に入ってくる。青年は、鼻をかむのをやめ、弟に何か用事があるのか訊ねる。
「いや……高校の宿題で分からない所があるから、兄貴に教えてもらおうと思ってさ。後、そんなに鼻かんでると、また鼻血が出るぞ」
弟の言葉を受けた青年は、苦笑いをしながら「気をつけるよ」と答え、今度は弟に訊ねる。
「それで、どこが分からないんだ? 理数科目と、地理、現代社会以外なら教えられると思うけど」
青年に訪ねられた弟は、英語の問題集を取り出す。
「ここの問題が分からないんだけど、兄貴分かる?」
弟は問題集を広げ、分からない問題に指を指して青年に訊ねる。
「そうか、その問題は……」
それから青年は、30分ほど弟に問題の解説を続けた。弟も満足気な様子で、自分の部屋に戻っていった。青年は、弟が自分の部屋に戻っていったことを確認した後、喉の渇きを覚え、ペットボトルに手を伸ばした。しかし、青年はその時、自分が烏龍茶を既に飲み干していたことを思い出した。一瞬悩んだ後、青年は「リビングまで烏龍茶を取りに行くのは面倒だな」と考え、そのまま布団に入り眠りについた。次の日、青年が目覚めた時には、いつものように、喉の奥がガラガラになっていたということは、また別の話である。
終わり
どうも、ドルジです。
今回は、ティッシュ、扇風機、烏龍茶をテーマに書きました。粗末なものですが、ぜひ読んでください。