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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
ゴッドブレス
88/89

始まりの日

今日は7日、学生なら春休み最後の日。

俺は4日の敗戦から立ち直り、なんとか知里ちゃんにメールを送った。

別に決勝戦の話をしたわけではない。

ああ、まあ、言ってしまえばデートしませんか?みたいなぁ。

メールでって言うのがポイントだ。

電話でなんて、恥ずかしくて言えるわけないのだ。

で、返事がきたんだけど、あっさりとオッケーだった。

返事は、「いいよぉ~♪」と書いてあった。

たったこれだけの返事ってのも寂しかったが、それ以上に嬉しくて、俺は部屋で一人、はしゃぎまくった。

当日、俺は新宿アルタ前で知里ちゃんを待つ。

時間は午前10時。

俺は14時くらいに待ち合わせしようとしたんだけど、どうやら森学の女子寮からココまで、3時間以上かかるらしく、それだとあまり遊べないらしい。

だからって10時に待ち合わせじゃ、ほとんど始発じゃね?

俺としては嬉しすぎる事なんだけど、知里ちゃんは大丈夫なんだろうか?

そんな事を前日から考えていたわけだけど、やはりと言うか、30分ほど前にメールが届いた。

内容は、「遅れちゃうよぉ~ごめんなさいだよぉ~」

・・・

いや、遅れるのは、俺は一向にかまわない。

だけどこれだと、どれだけ遅れるねんって話。

俺はメールを返信する。

「どれくらいおくれそう?」

送信っと。

しばらくすると、メールが返ってきた。

「320bitまでならタダだよぉ~」

・・・

意味がわかりません。

なんですか?

どこかの国の通貨ですか?

俺は再び返信する。

「意味がわかりません。」っと。

しばらく待つと、再び返事が返ってくる。

「えっとぉ~全角で20文字かな?」

どう理解すれば良いのだ?

全角で20文字ほど遅れるって。

ん?

遅れる?

おくれる。

送れる。

ああ、なるほど。

直通メールで送れる容量か。

って、わかるかぁー!!

俺は再び返信メールを打ち込む。

「そうだね。20文字だね。で、知里ちゃんは」

これで20文字か。

少なくね?

って、俺の機種は200文字だったぞ。

文字数も天然に間違っていたのか。

俺は再びメールを打ち直す。

「違うよ。200文字までオッケーだよ。で、知里ちゃんは、今日の待ち合わせ、どれくらい遅れるのかな?」

今度は漢字で書いたし大丈夫だろう。

しばらくすると、またメールが返ってきた。

内容を確認。

「さっき、メール書くのに夢中で、駅降りるの忘れてたよぉ~」

・・・

知里ちゃんて、こんなに天然だったんだ。

あんなにゲームでは強いのに。

ガッカリ・・・

なんてするわけない。

むしろ大歓迎、ますます好きになった。

まあそんなわけで、結局何時間遅れるかわからないけれど、俺は今、ただただ待っているってわけだ。

今が10時だから、最悪14時くらい、早くても後1時間はこないだろう。

そう思っていたけど、知里ちゃんは10分後、俺の前にあらわれた。

 知里「ごめんだよぉ~」

走ってきた知里ちゃんは、俺にすがりつくように俺の肩に手を置いた。

な、なんて幸せなんだろう。

たった10分の遅れで、俺はこれだけの感動を得る事ができた。

だったら1時間でも2時間でも待つっちゅーねん。

 大輔「いやいや、たった10分だし。それに電車ちゃんと降りてれば、間に合ったんじゃない?」

そうだ。

メールして乗り過ごさなければ、きっと間に合っていたはず。

 知里「違うよぉ~。駅に到着が9時59分予定だったから、30秒は遅れてたよぉ~」

なんと!

たった30秒遅れるからって、メールで謝ってきたのか。

 大輔「知里ちゃん、君はなんてステキで良い子なんだーー!!」

あれ?

俺の心の声が、マイイヤーから聞こえてきたのだけど、気のせいかな?

 知里「え、えっと・・・そ、そんな事ないよぉ~」

やばい。

可愛い。

てか、アルタ前で向かい合って、俺達は何をしているのだろう。

通り過ぎる人々の視線が痛い。

 大輔「えっと、じゃあ、とりあえず、ちょっとお茶でもするか。」

 知里「うん。」

なんだなんだ、この中学生の恋愛のような空気は。

純粋にもほどがあるだろう?

俺、高校生の頃彼女いたし、一通り経験していたはずだ。

おかしい。

俺はいつからこんなピュアボーイになってしまったんだ?

もしかして、付き合っていたのは全て夢だったとか?

 知里「あ、アイスクリームがおいしそうだよぉ~」

ちょっとお茶が、アイスクリームですか?

望むところです。

俺は飯の代わりに、チョコパフェを食う男なのさ。

 大輔「じゃああそこでアイスを食べよう。」

俺は知里ちゃんをつれて、アイス店に入った。

おっと、ココは、女性同伴でしか入れない店らしい。

て、アイス屋ってよりは、フルーツ関係の店なのかな?

フルーツパフェにフルーツポンチ、杏仁豆腐。

ああ、なんて甘い。

 知里「じゃあ私は、トリプルアイスパフェを~」

 大輔「じゃあ俺も。」

選ぶのも面倒だし、アイスだったらなんでもいいや。

俺はただただ、知里ちゃんの顔を眺める。

いやぁ~、目の前に、あの知里ちゃんがいるのですよ。

俺は今人生最良の日を過ごしているのではないだろうか?

 知里「大輔ちゃん、決勝は負けたと思ったよぉ~」

なんの話だ?

俺は頭にクエスチョンマークを出してみる。

 知里「バトルグリードのチーム決勝だよぉ~」

ああ、あれか。

すっかり忘却していた。

 大輔「いやぁ、俺も勝ったかと思ったんだけどね、神が俺に試練を与えやがってね。」

もう負けた事なんてどうでも良い。

目の前に知里ちゃんがいるだけで良いのだ。

 知里「そうなんだぁ~。最後どうして攻撃しなかったのぉ~?」

 大輔「ん?あれか。あれは、俺がコントローラーを引っこ抜いてしまって、一瞬フリーズしちゃったんだ。」

いやぁ、ホント頭真っ白になっちゃったよ。

 知里「ええ!そんなトラップがあのゲームにあったんだぁ!普通コントローラーが抜けても、フリーズしないよねぇ。」

 大輔「そ、そう?まあ俺が焦ってたからフリーズしたんだろうね。」

 知里「ええ!人が焦ってる事を、ゲーム機が察知しちゃうのぉ~!ビックリだよぉ~!」

なんだか話がかみ合ってるようでかみあってないけど、まあ知里ちゃんが目の前にいるから良いのだ。

 店員「おまたせしました。トリプルアイスパフェです。」

「ドンっ!ドンっ!」と、二つおかれたトリプルアイスパフェ・・・

ドンって、ドンだけぇ~って感じ。

うまい!

 大輔「そんな事いってられるかぁー!!」

 知里「だ、大輔ちゃん、急にどうしたのぉ~?」

おっとやばい、少し我を忘れそうだった。

風邪の谷のナオシカ、私を沈めておくれ。

 大輔「ああ大丈夫。チョッピリパフェが大きかったから、嬉しくなっちゃって。」

 知里「そうなんだぁ~。私も、ほんのチョッピリ大きいから、嬉しくなっちゃったよぉ~」

いやいや、これをほんのチョッピリっていうのはどうかと。

トリプルだから、3倍なのはわかるけど、縦横両方3倍だから、実質9倍なんじゃね?

まあ、値段は・・・5倍くらいだから、良心的っちゃ良心的だ。

お得だね。

 大輔「じゃあ、食べようか!」

 知里「食べちゃうよぉ~」

・・・

ああ、パフェを一生懸命ほおばる知里ちゃん、ステキだ。

 大輔「いや、ステキってか、もう抱きしめたくなるね。」

 知里「何がぁ~?」

うわぁ~口の周りにアイスつけちゃって可愛い。

 大輔「いやね。知里ちゃんがあまりに可愛いから、ついうっかり抱きしめたくなるんだよ。」

って、やべ、本音だ。

 知里「え、えっと・・・大輔ちゃんも、かわいいよぉ~・・・」

あれ?知里ちゃんが真っ赤だ。

俺も真っ赤だ。

ツタ~の葉っぱも真っ赤だなぁ~♪

いやそれはどうでも良い。

喋れない・・・

何を喋れば良いのだ?

こんな時、世の男と女は何を語るのか?

 知里「大輔ちゃんと、こうやって会うようになるなんて、不思議だねぇ~。」

ん?それは、俺の第一印象は、なによこのカス男は!みたいな感じだったのだろうか?

 大輔「最初、俺っておかしかった?」

 知里「ん~・・・おかしかったよぉ~」

ええ!!ショックー!!

 大輔「ど、どのへんがおかしかったかな?顔?それとも神経?」

 知里「顔なんて見えないよぉ~!」

ガーン!

顔すら見てくれてなかったのか・・・

 大輔「そ、そう。じゃあどのへんが?」

 知里「ん~。面白いギャグばっかり言ってたよね。だからとってもおかしくて笑っちゃったよぉ~。」

何それ?

おかしいは、面白いの意味か。

でも俺、知里ちゃんにそんな恥ずかしい姿を見せた事ないけど。

俺が駄洒落が好きだとか、面白おかしい事言うのは、一部の親しい友人しか知らないはずだ。

 大輔「俺、そんな事言った記憶、ないけど・・・」

 知里「え~。毎日言ってるよぉ~!」

なんと!

俺は知らず知らずに、そんな事を言っているのか。

 大輔「って、毎日?」

 知里「うん。毎日だよぉ~」

なんだ?

夢の中で俺が出てきて、そんな事を言ってるとでも?

もしかして知里ちゃんは、天然なだけでなく、世界一のイタイ子なんでは・・・

ガクガクブルブル・・・

 大輔「毎日、会ってないよね?」

 知里「ん~。偶に休むよね?」

 大輔「休む?」

 知里「うん。だからその時は、一人で狩り行ってるよぉ~」

 大輔「狩り?」

 知里「うん。あの街、なんだっけ?首都の港から行ける・・・」

ああ、リノ2の話してたのか。

って、いつも一緒に狩り行ってるって・・・

 大輔「チサト?」

 知里「あれ?言って無かったっけ?」

 大輔「聞いてないし言ってない。」

 知里「あれ~そうだったんだぁ~。」

・・・

 大輔「なんで俺だってわかったの?」

 知里「なんでだろぉ~?」

おいおい、勘なのか?

普段の俺と、リノ2で使ってるキャラ、雅之は、全く印象違うと思うけど。

愛の力か?

 知里「ああ、これかも~。」

そういって知里ちゃんが、携帯を差し出した。

そこには、俺が知里ちゃんに送ったメールがあった。

 知里「ほら、今時、半角記号だけの顔文字使う人、いないよねぇ~」

俺は面倒だから、顔文字登録はしてないからな。

 大輔「って、ええーーー!!!知里ちゃんとチサトが同一人物!!」

 知里「読み方変えてるだけだから、わかると思ってたぁ~」

じゃあなにかい?

俺と知里ちゃんは、知らず知らずのうちに、5年も前から知り合っていたと。

それも、ゲーム内とは言え、とても仲良しだったと。

なんせゲーム内で俺が連んでるのは、チサトと、ゴッドブレスの仲間だけだ。

 知里「雅之には、私かなり助けられたよねぇ~」

 大輔「ああ。」

あれは俺もチサトも、まだゲームを始めたばっかりの頃、チサトは一人でゲームをしていたんだ。

俺ももちろん一人。

で、狩り場で狩りをしてたら、チサトの狩りがあまりに見事で、つい話しかけてしまったんだ。

その頃、友達がいないって言ってたチサト。

だから俺は放っておけなくて、なんとなく連むようになった。

それからすぐに、チサトには友達が沢山できたらしい。

悩みを聞く事は無くなったけど、俺達は一緒していた。

2年くらい一緒してて、かなり仲良くなって、気が向いたら会おうかとも話してたっけ。

でも、突然チサトがリノ2にこなくなった。

何かあったんだろうけど、俺は何も出来なかった。

なんせつながりは、リノ2だけだったから。

で、再び会ったのが、俺が高校1年の2月。

チサトが中学3年の2月。

受験勉強をしていたって言ってたけど、チサトはなんとなく出会った頃のチサトに戻っていた。

友達のいなかった頃に。

聞いても友達はいると言っていた。

俺は傷つけるのが怖いから、どうして良いかわからなかった。

当時付き合っていた彼女にも相談してみた。

あまりいい顔はしてくれなくて、何も言ってくれなかったな。

今思えば当たり前か。

で、なんとか聞き出せたのが、春休み。

好きだった先生が亡くなったとか。

その先生に助けられて、友達も沢山できたとか。

俺はどうしたらいいかわからなくて、寒いギャグとか言いまくって、なんとか笑ってもらいたくて。

それから半月くらいして、チサトはまた元気になったんだ。

新しい友達が出来たから、楽しく頑張れそうだって。

そういや、ゲーム部で頑張ってるって言ってたな。

バトルグリードの話しも少しはしたかもしれないけれど、記憶にないから大した話はしていなかったんだろう。

リノ2をやってるわけだから、基本はリノ2の話。

それ以外は、俺が寒いギャグを言ってるくらいか。

それでも、今思えば、知里ちゃんとチサトが重なる事が多い。

友達にゲームの天才がいるとか言ってたし。

俺は、知里ちゃんを好きになって当然だったんだ。

何故なら俺は、チサトが放っておけなくて、会いたくて、とても好きだったから。

 大輔「そう言えば俺、チサトの事守ってあげるって、言ってたよな。」

 知里「うん。チサトはちゃんと守られていたよぉ~。寂しくても、頑張ろうって思ったもん。」

 大輔「そう言えば俺、ゲームの世界が実現したらとか、言ってたよね。」

 知里「うん。言ってた。実現しちゃう?」

 大輔「ああ、知里ちゃんが良ければ、俺は絶対そうしたいね。」

 知里「うん。じゃあ、とりあえずは、私の・・・」

 大輔「うん。俺の彼女になって・・・YO!」

 知里「ははは。うん。」

俺達がゲーム内で行った事。

このゲームには、結婚システムってのがあって、キャラ同士結婚させる事ができる。

だから俺は、守ってあげる約束を果たす為、ゲーム内で結婚したんだ。

いつのまにか、目の前のトリプルアイスパフェは、溶けてシェイクみたいになっていた。

でも、今の俺達には、これを楽しめるだけの相手がいたから。

二人で一気に飲み干して、店を出た。

中学生のようなピュアな恋愛をしているみたいだけれど、それで間違いないのだ。

俺達は、ゲーム内では、中学生から恋愛をしていて、今チサトと初めて会って、リアルの恋愛を始めたばかりなのだから。

 大輔「わかってしまうと、チサトの方がしっくりくるな。」

 知里「じゃあ、私は雅之だぁ~」

 大輔「・・・いや、大輔って呼んでくれ!」

 知里「じゃあ、私も知里だよぉ~」

 大輔「だな。」

 知里「うん。」

俺達はこの後も、新宿で遊べるだけ遊び倒した。

今日だけは、お金なんて考えずに遊んだ。

なんせ今日は、俺の超幸せ人生スタートの日なのだから。

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