表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
ゴッドブレス
81/89

幸せの再会

3月20日の夜、俺達は部屋に集まっていた。

予選通過に微妙な順位ではなかったが、森学の連中とは、なるべく決勝まで当たりたくない。

何故なら、準優勝でも賞金が貰えるから。

俺個人の意見としては、テレビ局でもドリームダストの二人と会いたいから、是非決勝までいきたいってのが本音だけど。

 大輔「チームの順位はどうなってる?」

 吐息「1位はドリームダスト、2位は私達、ブライトスターが6位に落ちたのさ。」

 大輔「ブロックを外してきたのか?」

1位と5位だと同じブロックになるから、ブライトスターが一度わざと負けて、6位に下げて違うブロックに移動する。

戦略としてはあり得る方法。

 吐息「違うね。4位に入ってきたのがいるのさ。」

まあ、森学がいちいちブロックを外すなんて事をしないのは、前回大会でわかっている。

もっとも前回は、運営側が配慮して、トーナメントを組み替えていたけど、ブライトスターの優勝は少しそのへんで反感をかったからね。

今回は順位によるブロックが、最初から決められているのだ。

他にもあれから色々修正が加わっている。

裏技の方の追尾ミサイルは使用不可能になったし、電磁波をとばせる距離も大幅に短くなった。

大会運用面で最近問題になっているのが、うまい人が上位を独占して、大会に別人を出場させる事。

参加料目的と、上位まで簡単にいかせる事ができるメリットがある。

ぶっちゃけドリームダストの二人が、16機使えば、トーナメント全てを独占する事ができるからね。

登録用パスワードを、他人が使った時の罰則などでは押さえられないので、大会前日に予選通過最終テストバトルがもうけられた。

ココで、順位相当でないふがいないバトルを披露してしまった場合、参加料は貰えない。

判断としては、最低勝利。

相手は、順位で20位以下の人から選ぶらしいから、大敗するような事は普通に考えてありえない。

大敗したら、出場権も剥奪される事があるらしいが、このシステムは今回が初めての変更点なので、どうなる事やら。

とにかく不正する人がいない事を祈るだけだ。

 大輔「で、シングルはどうだ?」

 沙羅「ドリームが1位、ダストが3位、私が5位で、マイヒメが8位ね。」

 乙女「締め切りギリギリに、沙羅が一度負ければ、別ブロックになるねぇ~」

 大輔「だな。沙羅は様子を見て、バトルな。」

 沙羅「了解。」

でもどっちにしても、2戦目で森学のどちらかと当たってしまうから、シングルは厳しい。

賞金獲得には勝つしかない。

 大輔「ダブルは?」

 竜郎「森学のドリームのペアが1位だな。後はダストのペアが10位。大輔のペアが3位で、俺のペアが11位だ。」

 大輔「ココも両ブロックにいるのか。でも、パートナーが新人みたいだから、勝てるチャンスはあるだろう。」

 竜郎「まーな。」

 大輔「一応ブロック分けたいから、竜郎達は最後そのままなら、負けて一順位下げてくれ。」

 竜郎「了解。」

ココは、昨年森学が唯一落とした種目だ。

しかし、今年は1位通過を見ればわかるが、取る気できていると思われる。

ドリームとダストの組み合わせでないのが不思議だけれど、それでも1位とは流石だ。

 大輔「後は、チームダブルか・・・」

森学のチームは2位、俺達のチームが11位。

ココも一度負ける必要がありそうだけど、放っておいてもそのうち下がるだろう。

時間が迫ってきた。

予定どおり、チームダブルの順位は12位に下がった。

これでココは、決勝まで当たらない。

他も順位が少し下がって、調整の必要無く、全てが理想どおりに確定した。

確定した順位は次のとおり。

チームは、1位はドリームダスト、2位は俺達のゴッドブレス、ブライトスターが6位だから、準決勝で激突する。

シングルは、ドリームが1位、ダストが3位、レッドストーンが6位に下げて、マイヒメも9位に下げていた。

ダブルは、ドリームとカズミンのペアが1位、ダストとトゥデイのペアが10位。

ビッグゴッドとレッドストーンのペアが3位で、サウスドラゴンとマイヒメのペアが13位だ。

そしてチームダブルは、ドリームカズミンとトゥデイダストのチームが2位、ビーナスとドラゴンブレスのチームが12位で別ブロック。

概ね合格点。

しかし、ドリームは流石だ。

チームダブル以外は全て1位に入っているし、チームダブルでも2位。

確か後藤夢ちゃんだっけか。

俺達より年下なんだよな。

俺達はなんとなく、去年のテレビ中継の録画DVDを見てから、みんなで雑魚寝した。


今年のゲームイベントは、27日にテストバトル、28日からイベントにあわせて大会が始まり31日に終わる。

そして4日の木曜日に、ゲーム情報番組内で、全ての決勝が行われる。

会場までは1時間半くらいでつくから、俺達は自宅から通う事になる。

27日、俺達全員、テストバトル会場となる、バトルグリード株式会社の本社に来ていた。

対戦が多かったり、複数の種目に出ていたりするから、調整が難しくて待ち時間が長い。

で、俺は待合室で待っているのだけれど・・・

ダストの知里ちゃんだ。

どうやら、相方のドリーム夢ちゃんは、対戦中らしくいない。

 知里「待ってるの面倒だよぉ~」

 今日子「はっはっは、知里はまだいいじゃないか!私なんか2つしかでないんだから、より多い待ち時間があるのだよ!」

知里ちゃんと一緒にいる子の声が大きくて、待合室が少し五月蠅く感じる。

 竜郎「テンション高い子だな。知里ちゃんと一緒にいる子。」

 大輔「そんな子は、どうでもいい。」

 吐息「でも、知里ちゃんとはお友達になりたいんでしょ。」

まあ、ぶっちゃけ、今すぐ知里ちゃんに話しかけて、お友達になりたいと思っているんだけどね。

恥ずかしくてそんな事はできない。

 大輔「はぁ~・・・」

俺は大きくため息をついた。

すると知里ちゃんが、こちらに笑顔を向けてくれた。

 知里「待ってると疲れちゃうよねぇ~」

・・・

え?俺に話しかけてくれてる?

ドキドキ・・・

 大輔「ああ、うん。もう退屈すぎて、欠伸がでちゃうね。」

あれ?俺ちゃんと喋れてるかな?

竜郎が俺を肘でつつきながら、何か言っているみたいだけど、何を言ってるかなんて聞こえない。

 知里「去年、チームダブルで対戦した事、あったよねぇ~」

おお!覚えてくれていた?

 大輔「うん。はっきり言って完敗だったけどね。」

 知里「そんな事ないよぉ~。あの裏技をまだ公開してなかったからだよぉ~。裏技が無かったら、きっと良い勝負だったよぉ~」

・・・

う~ん、いいなぁ知里ちゃん。

 吐息「大輔?生きてる?」

おっとやべ、つい見とれちゃった。

 大輔「そんな事はないよ。でも、今回は、去年より良い勝負できると思うから。」

俺達は1年練習し、研究したんだ。

勝てないまでも、良い勝負できる自信はあった。

 今日子「知里?知り合いなのか?私はあの人知らないよ。えー!私去年寝てたっけ?会場には来てたよね?来てたよね?」

俺の記憶には、この五月蠅い人の記憶は無い。

 知里「いたけど寝てたぁ~のかも。」

 竜郎「へぇ~、去年もいたんだ?あ、俺もいたんだけど、今年も良い勝負しようぜ。」

なんだ竜郎、その五月蠅い女が良いのか?

 今日子「なんだチミは?ん?そっ!その目は!私をナンパしてる?ええ!そうなの?そうなのね?!やっぱり美しさって罪なのね!」

 竜郎「そう、罪なんだよ。だからまずはお友達から、お願いします。」

竜郎よ。

なんだそのベタなお願いは。

もう好きにしてくれ。

 吐息「あ、でも、私も森学の人とは友達になりたいかも。」

ま、まあ俺も、森学って言うか、知里ちゃんと夢ちゃんとは友達になりたいけどね。

 今日子「よーっし!よく言った。友達だろうとマブダチだろうともってけ泥棒コン畜生だ!さあ、呼ぶのじゃ。私の名前は今日子だ!」

・・・偉そうにふんぞりかえってるし。

 竜郎「おお今日子よ。俺の事も竜郎とののしってくれ!」

いいのか?

ほんとうにそれでいいのか竜郎よ。

 今日子「うらぁ!竜郎!なんだ?殴ってほしいのか?それとも蹴ってほしいのか?ぐはははは!!愉快愉快!!」

 知里「今日子、そろそろ私達の出番みたいだよぉ~。えっと・・・」

 大輔「川神大輔18歳です。ヨロシク!」

俺は右手を出した。

 知里「ヨロシクだよぉ~」

握手してくれた。

うう、もう負けても良いかも。

ってか死んでも?

 吐息「はぁ~大輔がこんな奴だったとは。知ってたけどさ。」

少しだけ吐息がすねていた。

 知里「じゃあまたぁ~」

 大輔「うん。またね。」

 今日子「竜郎、ゲーム内でもいじめてあげるからね。期待しててね。ばははーい!」

 竜郎「期待してるよー!」

って、ゲームで負けるじゃんか。

 吐息「じゃあねー!」

こうして俺達は友達になった。

って、本当に友達と言えるかは、これからのがんばりしだいかね。

この後、結局みんな、問題なくテストバトルをクリアした。

全体では、3組ほど負けたようだけど、審査に引っかかって出場を取り消される組はなかった。

こうして俺の幸せな、テストバトルの日は終わった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ