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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
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サバゲー対決

我がゲーム部は、ゲームと名の付くものならなんでもする。

つもりではあったけど、今回のはなかなか厳しいかもしれない。

我がゲーム部は、あるゲーム同好会から、対戦相手になってくれと頼まれた。

俺はそれをしたことがあるから、まあオッケーしてしまったわけだけど、よく考えたら、他にしたことがある部員なんていないんじゃね?

ゴールデンウィーク。

この連休中は、帰省する人も多く、学校はほとんどフリーダムだ。

その学校の本校舎エリア、噴水中庭エリア、体育館エリアを借り切って、俺達は相対する。

同好会は今年新設の、1年生5人の同好会。

だから対戦は、5対5だ。

対戦を午後に控えたこの日、俺達は朝から練習する為に集まっていた。

 達也「・・・」

対戦ゲームは、サバイバルゲーム。

なのに、なのに何故。

 達也「サバイバルナイフはダメだよ?」

 知里「そうなんだぁ~」

殺すつもりですか?

 達也「なんでそこ、飯ごう炊さんセット?」

 夢「えっ?違うの?」

まあ気持ちはわかるけど。

 達也「なんだ?その山登りみたいな格好は?」

 まこと「サバイバルでしょ?ちゃんと食べられる草、調べてきたよ」

ある意味正解だけどね。

 達也「で、PC本体3つも持ってきている君の頭はどうなっているんだ?」

 今日子「ははは!どうだ!!サーバーマシンが3つもあるよ。これがホントのサーバー威張る!サバイバルゲーム!!ドンドンパフパフ!」

 達也「はぁ~」

俺はため息が出た。

まあ、知らない人は知らないもんなんだね。

これからは何事も、知らないと思って話をしよう。

 達也「とりあえず、道具は俺が持ってたやつと、サバゲー同好会から借りたやつがあるから」

午前中はとにかく、道具の使い方、武器の使い方、そしてルールの説明をした。

そして午後はいきなり本番だ。

一応初心者相手だから、ルールは簡単にしてもらっている。

武器は規定の武器だけだけど、その他の道具の使用は、常識の範囲内なら基本なんでもあり。

参加者は、背中と胸と頭に、金魚すくいのポイをつける。

これに穴を空けられた者は、死亡として速やかにゲームから離脱する。

全滅したらもちろん負け。

後勝敗を決めるのは、陣地に旗が置いてあり、敵陣地の旗を自軍まで持ち帰れば勝利になる。

 サバゲーA「今日はよろしくお願いします」

 達也「俺達で相手になるかどうか不安だけど、弱すぎても許してね」

勝てる気なんて全くしない。

なんせ皆実戦は初めてなんだから。

 サバゲーB「いえいえ、あのドリームダストの2人とゲームできるだけで感激っす!」

 達也「はぁ」

もしかしてそれが狙いなのか?

くそっ、はめられたか。

こうなったら2人は俺が絶対守る。

俺達は自軍陣地に集まった。

陣地は、サバゲー同好会が昇降口、俺達が体育館内だ。

初心者の俺達に有利な陣地配置。

開始は14時丁度。

後15分後だ。

 達也「作戦だが、夢とまこちゃんが突撃、俺と今日子が支援、チリちゃんが守りだ。一応、俺と夢は臨機応変に動く」

作戦と言ってもこの程度。

行き当たりばったりだ。

ちなみに武器は、まこちゃんと夢が拳銃、今日子がマシンガン、俺とチリちゃんがライフルだ。

マシンガンは、1チーム1人と決められている。

 達也「弾が当たると結構痛いから、やられたら直ぐに戦線離脱していいからな」

 夢「痛いの?」

 知里「ちょっとこわいよぉ~」

 まこと「死にはしないわよ」

 今日子「ははは!やられる前にやれ!これ戦場での鉄則ね!私の上腕二頭筋が唸るわ!」

意味わからん。

 達也「さあ、時間だ。まこちゃんと今日子は中庭側から正面突破。俺と夢は校舎内から行く。後、やられた場合、もうひとりが武器の回収頼む」

 まこと「イエスサー!」

 今日子「ラジャー!」

そう言うと2人がまず体育館を後にした。

 達也「じゃあ、チリちゃん、後ヨロシク。もし敵が来たら、携帯にコールね」

 知里「おっけぇだよぉ~」

チリちゃんを置いていくのはちょっと可哀相な気がするが、仕方あるまい。

 達也「夢いくぞ!」

 夢「おー!」

後ろ髪をひかれまくって、俺達は体育館から出ていった。

体育館と本校舎を繋ぐ廊下まで来ると、中庭の方からマシンガンの音と拳銃の音が聞こえてきた。

敵と遭遇したようだ。

支援が必要なら、携帯に連絡が入る事になっているが、それはない。

おそらくそれどころではないか、それとも楽勝か。

校舎内を慎重に進み、左へ曲がる所、向こう側に敵が見えた。

壁際を慎重に進んでくる。

敵もこちらに気がついたようだ。

どうする?

 夢「教室から机もってこようか?」

・・・

そこまでするかと一瞬思ったが、勝つためにはそれくらい必要だろう。

俺は黙って頷いた。

俺は夢が机を持ってくるまで、影からライフルで威嚇射撃。

てか、ホントはマジで狙ってるんだけど、全然当たらない。

一瞬のタイミングで撃つのは、素人には難しい。

せめてじっくり狙わないと。

 夢「持ってきたよ」

なんだか重そうなんだけど。

机の中を見ると、教科書やらが入っていた。

 達也「教科書入ってるぞ?」

 夢「確認してなかった」

流石に、教科書とかノートをぶちまけるわけにはいかない。

しかたない、机は諦めるか。

俺は何となく机から教科書を1冊取り出した。

ん?

名前のところに、吉田光一と書いてあった。

吉田君のか。

これなら心おきなく使えるじゃないか!

 達也「これ吉田君のだ。ココはゲーム部の為に犠牲になってもらおう」

 夢「いいの?」

 達也「良い良い。元部員のだ。きっと役に立って泣いて喜ぶさ」

まあ、そんな事はないだろうけど。

俺は机を縦に、盾になるように立てた。

たてたて意味がわからなくなってきた人は、ゆっくり理解してね?

俺はそこに体をかくし、ライフルで敵を狙う。

向こうからもBB弾が飛んでくる。

フルフェイスのメットをかぶっているから、当たっても痛くはないけど、ポイは守らなくてはいけない。

 達也「素人に容赦ないな。このままだときついから、俺が突撃する。夢、支援頼む」

俺はライフルと拳銃の交換を要求する。

しかし夢は応じなかった。

 夢「私が行くよ。敵は2人、即効倒す」

・・・

確かに、夢はゲームでは強い。

運動神経腐ってはるけど、ゲームとなると一流アスリートもビックリだ。

 達也「よし。援護する」

お互い親指を立てて、グットラックと目で言い合った。

夢が突撃を開始。

それにあわせて敵も夢を攻撃。

その敵を俺はじっくり狙う。

「パスッ!」

ちっ!外したか。

もう一度狙う。

こちらに気がついた敵は、夢か俺か迷ってる。

夢はその隙を逃さず、敵ひとりを倒した。

 達也「おお!流石天才。素人なのになんであんなうまいんだ?」

俺は廊下に落ちてる、吉田君の教科書を拾い上げ、紙吹雪をまくように教科書を投げた。

一瞬の目くらましになるだろう。

俺も突撃する。

走りながら狙いを定める。

「パスッ!」えーんど「バン!」

俺と夢が同時に発射する。

どちらからの弾が命中したようだ。

俺達は2人を倒した。

これはかなり有利だ。

 達也「おそらく昇降口まで敵はいないな」

 夢「今日子達はどうなっただろう?」

耳を澄ますと、マシンガンの音が2つ聞こえる。

バトル中のようだ。

 達也「まだ生きてるな。早く援護するぞ」

 夢「うん」

俺達は走った。

昇降口についた。

敵の陣地には、旗が見えた。

しかし、守りの人がいない。

どうやら、今日子達が暴れ回っていて、そっちに気をとられているのか。

俺は難なく旗を抜きとった。

 達也「戻るか」

 夢「うん」

俺達は急いで体育館へと戻った。

まこちゃんと今日子はその後やられていたようだったけど、敵が体育館についた時、俺は丁度旗を陣地まで持って帰ってきていた。

こんなショボく勝ってしまっては、あまりに盛り上がらないな。

 達也「うひょー!囮作戦成功!!」

俺はいかにも作戦が成功したんだと主張する感じで、旗を高々と揚げて勝利宣言した。

 知里「流石お兄ちゃんだよぉ~」

何もせずに待っていたチリちゃんが、盛り上げるのを手伝ってくれた。

 今日子「そうそう、私はおとりだったのよーー!!って、実際の戦場だったら、それはもう非情な作戦だけど、これはゲームだからいいのだー!そうなのだー!」

うんうん。

なんとなく実力で勝った感じになってきた。

サバゲー同好会の人達は、本気で悔しがっていた。

いや、弱すぎるでしょ?

後日、サバゲー同好会が解散した事は言うまでもない。


サバイバルゲームの後、俺と夢は、吉田君の机をかたづけていた。

教科書が何冊か破れていたので、俺は「教科書勝手に借りてごめんなさい。おかげで命が助かりました。達子」とメモを机の上に残しておいた。

連休明けの吉田君は、微妙にご機嫌だった。

らしい。

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