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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
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あたり前の日々

昨日チリちゃんが俺にこっそり言ってきた。

明日は夢ちゃんの誕生日だからって。

自分の誕生日を自分で言うのって、結構恥ずかしいもんなんだよね。

てか、祝ってくれって言えないんだよな。

 達也「今日の部活は、夢の誕生日パーティーをします。みんな準備して~!」

 知里「お~だよぉ~!」

 うらら「おー!」

 今日子「さだはろー!」

誰かがオヤジギャグを言ったようだけど、ココはスルーだな。

俺達はみんなで部室を飾り付け、ケーキは高鳥姉妹が作ったようだ。

5分で準備ができる。

 達也「では、夢、誕生日おめでとー!」

 一同「おめでとー!」

 夢「あ、ありがと」

夢は顔を真っ赤にして俯いていたが、とても嬉しそうだ。

 達也「ほら夢、ロウソクの火を吹き消せ!」

 今日子「はっぴばーすでーてゅーゆー♪」

 夢「ふーふー!」

 今日子「って、今歌い出したのに、いきなりけしてるよぉー!」

ナイス夢。

 夢「じゃあ切るよー!」

しかも今日子をシカトだし。

 今日子「放置プレイですかぁ?」

 達也「良かったな、今日子」

 夢「あっ、今日子ありがとね」

よくわからないやりとりだけど、何となく仲良しなやりとりだと伝わってきた。

 夢「12等分って、どうやって切ればいいんだろう?」

 うらら「適当でいいんだよ。それで一番大きいのを食べるのが、主役の特権なんだから」

 達也「そうそう、主役はなんでも許される」

 夢「ふーん。じゃあ、この一番小さいのが達也のね」

本当に適当に切りやがった。

そして今俺に差し出されたケーキは、高さ7cmはそのままだけど、縦横が1cmに切られたケーキ。

 達也「主役だからって、何でも許されるなんて事はないのだぁ~!」

俺は即効前言を撤回した。

俺は夢が切った一番大きいケーキにスプーンを突き刺し、スプーンで取れるだけ取って口に入れた。

 達也「うんめぇ~」

 夢「あー!私の!はけぇー!」

夢は俺の首をしめてくる。

 達也「食ったもん勝ちだよ!」

俺達はじゃれ合った。

こんな関係も良いよね?心からそう思った。

 知里「夢ちゃんだけずるいよぉ~私も~」

 今日子「うわーー!!楽しそう!どうでも良いけど仲間に入れてー!」

 杏「えっ?お姉様まで。では私も!」

 うらら「楽しいー!」

気がついたら、みんなでケーキを取り合って食べていた。

切った意味が全く無かったけど、これはこれで楽しかった。

ケーキ争奪バトルが終了した後、クリームでベトベトになった制服を着替えに部屋に戻り、顔を洗って部室に戻った。

舞も加わって山手線ゲームをしていた。

ちょっと古いゲームだけど、我がゲーム部はゲームと名が付けば何でもするのだ。

 夢「古今東西シャンシャンシャン、テレビゲームの名前、ファイナルファンタJ」

 一同「シャンシャン」

 知里「トラクエ」

 一同「シャンシャン」

 杏「三国志?」

色々あるけどな。

 一同「シャンシャン」

 華恋「スバル英雄伝説」

流石アニメ好き。

 一同「シャンシャン」

 まこと「ポケアニ」

有名どころね。

 一同「シャンシャン」

 和己「・・・」

 一同「アウト!」

まだ一巡目なのに、もうこたえられないなんて、美鈴の弟とは思えないな。

 まこと「じゃあ、罰ゲームカード引いてねぇ~」

 和己「くっ!俺がこんなところで・・・」

和己君はとても悔しそうにカードを1枚引いた。

内容は、「みんなにボールをぶつけられる」だった。

なかなか微妙な罰ゲームがあるな。

 まこと「じゃあ、入り口の所に立って!他の人はこっちねー!」

まこちゃんに引き連れられ、皆PCの前辺りに集まった。

 まこと「では、まずは舞先生からー!」

 舞「えっ?私もするの?」

 きらら「もちろんですよ。ゲームに参加してるんですから!」

舞は腑に落ちない顔で、ボールを取る。

ビニールの柔らかいボールだけど、球速と当たる場所によっては痛いかも。

舞は下から投げて、和己君のお腹の辺りに当てた。

 知里「舞ちゃんやさしいよぉ~」

 今日子「そうそう、相手は男なんだし、ズバーン、ドカーン、ズキューンっとやっちゃわないと!」

 うらら「じゃあ次は今日子ちゃんがそれでやってみよう!」

なんだか和己君が可哀相かも。

 今日子「よーっし!みんなの期待にこたえるわよーー!おらーー!!大リーグボールZ28号!!」

それ、3つくらいアニメが混じってるよ。

 今日子「うらぁぁぁあ!!って、うわーー!!」

転けた。

ある意味期待どおり。

 達也「ははは、期待にこたえてくれるなぁ、今日子は」

 知里「ははは、流石お笑い芸人だよぉ~」

 うらら「ははは、笑っちゃ悪いよ。だ、大丈夫?ふふ」

なんかうららが一番ひどいと思うのは、俺だけだろうか。

 今日子「ブー!これくらいはお笑い芸人として当然だよ。さあ、ボールはどこに行った?今度はちゃんと・・・」

 きらら「ボール、一応和己くんに当たってるよ」

・・・

今日子ちゃんは自分の出番が終わった事を悟って、トボトボと下がった。

その後も順番にみんなでボールを当てるが、優しい人達ばかりだ。

みんな緩いボールを、お腹とか手とか足とかに当てる。

最後は夢ちゃんの番だ。

このまま終わらせては、和己君も笑いが取れずに寂しいだろう。

これが俺の勝手な予想だとしても関係ない。

笑いは取らねば。

 達也「夢、おまえ、俺にぶつけるくらい思いっきり投げろよ」

 夢「ええーー!!そんな事して、和己くん死なないかな?」

って、お前俺に投げるなら、そんなとんでもないボール投げるつもりか?

 知里「大丈夫だよぉ~ゴムボールだから死なないよぉ~」

チリちゃん、説明しなくても、みんなわかってるし。

 夢「うん。じゃあ、和己くん、本気で投げるよ?」

 和己「う、うん。罰ゲームだし、男だし」

和己君って意外と律儀な性格なのかも。

 夢「でーやー!」

完全な女の子投げ。

でも距離も近いし、当たるとそこそこ痛いかも。

パスッ!

あっ!股間に当たった。

・・・

和己君は、目に涙を浮かべて、必至に絶えていた。

うんうん。

今のはひどすぎるよね?

 夢「そんなに痛かった?」

この子わかってないし。

 まこと「今のはね・・・まあ、こんな日もあるさ」

こんな感じで、夢の誕生日パーティーは、楽しい部活動となりましたとさ。

プレゼントはもちろん上げたよ。

カブトムシと飼育セットを。

その場で捨てられたけど。

ぐすん。

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