プレゼント奪取バトル
ゲーム部は、なんでもゲームで、解決だ。
川柳。
今日は高鳥姉妹の誕生日。
いや、聞いてないし、忘れてたし。
まあそんなわけで、プレゼントを用意していなかったわけで。
達也「俺様に勝ったらプレゼント買ったらぁ~」
・・・
まこと「うけないとわかってるなら、言わなきゃ良いのに」
俺以外は、しっかりとプレゼントを用意していたようで、もうこんちくしょうのあんちくしょうだよ。
きらら「ホント?何買ってくれるのかな?」
うらら「きっと勝ったら買ってくれるものだから、凄く高いものだと思うよ」
くっ!
これは絶対負けられない。
まあ、たとえ俺が勝っても、後日何かプレゼントはするつもりだけど、ココを乗り切る為に、この行為は必要なのだ。
達也「さて、何で対決かな?麻雀?それともトランプ?」
きらら「うーん。じゃあ、格闘フォーミュラで」
そういえば、最近はなかなかする機会が無い。
それは体育館があいている日だけしかできないから、出来ても日曜日だけなのだ。
達也「今日も体育館は、バスケ部かバレー部が使っているだろ?」
うらら「うーん。じゃあ講堂でやろうよ」
ふむ。
なるほど、講堂ね。
達也「でも講堂だと、上から見下ろせる場所がないから、やりにくくないか?」
きらら「だったらさ、ラジコンの後を走ってついて行けばいいんだよ」
なかなかハードな戦いになりそうだ。
ラジコンだけでなく、自分も周回分走るのだから。
しかし、挑戦されればうけねばなるまい。
俺達は早速講堂に移動する。
達也「で、なんで2対1なんだ?」
スタートラインに、俺と高鳥姉妹のラジコンが並んでいる。
そうだ。
これは格闘レースだから、これだと俺が圧倒的に不利。
きらら「じゃあ、分けてもいいけど、達也2回走り回らないといけなくなるけど良い?」
・・・
それも辛い。
くっ!なんだか騙された気がしないではないが、ココは受けてたつしかあるまい。
達也「よし。2対1でもチサマらに負ける俺では無いところをみせてやる」
こうして俺達のプレゼント奪取バトルは始まった。
勝負は5周勝負。
スタートは横一線、互角のスタート。
しかし俺の機体はスピード仕様にしている。
ココからの伸びが凄いのだ。
俺はあっさりと2人を引き離す。
達也「はははー!このままぶっちぎりだぜー!」
と言っても、自分も走るのってかなりしんどい。
奴らがこの過酷なレースをクリアできるのかどうか見物だぜ。
って、高鳥姉妹はスタート直後、いきなりノロノロと歩き出した。
勝つ気がない?
そうか、2人で俺の走行を妨害して、再起不能を目指すつもりか。
無駄な事を。
妨害はされても、我が機体が再起不能などありえない。
丈夫に作ってあるからな。
まず1周。
結構疲れる。
目の前に2人の機体を捕らえる。
2人は妨害してくるが、その程度ではやられんよ。
俺はうまくかわして、再びコースを回る。
達也「はははー!もうチミ達に勝ち目なぞないのだよ」
きらら「くきー!次の周でやってやる!」
そう言うきららをおいて、俺はあっさり2周目クリア。
かなり息が上がってきた。
5周走れるかな?
それでも俺は頑張って、再び2人の機体を抜きさる。
達也「はぁはぁ、楽勝のようだな」
きらら「まだまだ、チャンスは後2回あるよ」
達也「後、はぁはぁ、2回しか、はぁはぁ、だよ」
やべ、意識が薄くなってくる。
少しペースを落とすか。
するとすぐ後ろまで、うららが迫ってきていた。
達也「ちっ!抜かせるかよ」
俺は再び本気で走った。
4周目。
ココも3周目と同じような感じ。
ペースを落とそうとするとうららが迫ってくる。
だから全力だ。
もうフラフラ。
しかし4周目もクリアして、ファイナルラップだ。
目の前にまずきららが見えてきた。
あっさりとかわす。
やべ、足がもつれそう。
しんどい。
それでもこの周回が最後だ。
俺は頑張って、進む。
目が霞んできやがった。
その目には何となくうららが映る。
ん?
うららがこっちを見て笑ってるよ?
あれ?体が前に倒れる。
足をかけられた?
気がついたら俺はうつむけに倒れ、手を後ろにまわされて、うららに身動きできないように固められていた。
その間に、きららがマイペースで周回を重ねていた。
敵に優秀な軍師がいることを忘れていた。
達也「反則だろー!」
きらら「妨害オッケーの、レースでしょ?」
うらら「うんうん。一緒に走って、妨害有りってだけのルールだったよね」
うっ・・・
確かに人に対して妨害してはいけないなんてルールはないけど・・・
まこと「男だったら負けを認める!」
はぁ~俺はため息がでた。
後日、ファンシーショップでチョッピリ高めのグッズを買い与えてやった。
ホワイトデーの日にね。
まあ、喜んでいたし、これで良かったって事で。