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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
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友達

あれよあれよという間に、三学期末、テスト1週間前。

三学期って、なんだか早く終わってしまう気がするのは、俺だけだろうか?

チリちゃんには悪いけど、いつものようにテスト勉強用クイズゲームを作ってもらった。

で、今日は部室で夢ちゃんが勉強しているはずなんだけど・・・

 達也「なんでチサマがココにいる?」

 今日子「チサマじゃないよ。今日子だよ」

 夢「あ、私がつれてきたんだけど、ダメだった?」

どうやら、一緒に勉強しているようだ。

 達也「いや、全然良いよ」

夢ちゃんにそんな顔されたら、こんな奴つれてくるんじゃねぇー!なんて言えない。

 夢「うん。ありがと」

 今日子「きゃー!!星崎達也先輩、ありがとう。でも本当は私に会えて嬉しいんですよね」

 達也「いや、嬉しくないし。それになんだその、ほしざきたつやせんぱいって。なんでフルネームなんだ?」

 今日子「ああ、お気に召しませんでしたか?では、よう!達也!おら今日子!」

 達也「いきなり呼び捨てかい!しかも微妙に誰かに似てるぞ!!」

全く、なんだよ。

何故俺がこんなツッコミをしないといけないんだ!

 今日子「じゃあなんて呼べば良いんですか。ああ、良いのがありました。あ・な・た♪」

 達也「誰がアナタだ。俺がアナタなら、チサマはテメエで十分だ!」

 今日子「違いますよ。そこは、お・ま・え、ですよぉー!」

こ、こいつの、このプレッシャーはなんだ?

オールドタイプか?

ふと横を見ると、夢ちゃんが笑っていた。

 夢「今日子、達也ちゃんからかって面白い?」

 今日子「ええ、これだ打てば響く人、なかなかいないよー!もう、夢ちゃんの気持ちわかるなぁー!」

 夢「いや、違うって」

夢ちゃんが普通の女の子のように動揺している。

新鮮だ。

てか、だったらいつもは普通じゃないのかって話だけど、そのとおりなんだよな。

夢ちゃんにとって、この今日子って子は、きっと良い友達なんだろう。

これだけ肩に力が入っていない状態で、動揺しているんだから。

意味がわからない?

まあ俺もよくわかってないから、表現が難しいんだよ。

とにかく今までに見たことがない、普通な夢ちゃんが目の前にいた。

 達也「あっ!今日子、おまえさ、従妹いるか?一個下の」

俺は前から気になっていた事を聞いた。

すると二カ所から同時に言葉が聞こえた。

 夢「え?呼び捨て」

 今日子「あーいるよ」

なんとか聞き取った。

人間二カ所から聞こえただけで聞き取るのは困難だ。

聖徳太子が7人の言葉を聞き分けたって言うけど、絶対嘘だな。

 達也「ああ、こいつが呼べっていうから」

俺はまず、夢ちゃんに返答する。

そして今日子に向き直って

 達也「もしかして、谷愛奈?」

と言った。

そこで気がついた。

俺が谷愛奈を知っているわけがないのだ。

しかし今日子は、俺が知っている事に関して、ちっとも気にしていなかった。

 今日子「うん。そーだよ。とっても可愛いプリチーガールだよ。そう言えば、チョッピリひねくれてるところが夢に似てるかな」

 夢「じゃあ私も呼び捨てで」

今度は流石に両方を聞き取れなかった。

 達也「ああ、そうなんだ。で、夢ちゃん?呼び捨て?」

 夢「えっと、もういいよ」

 今日子「だから呼び捨てにしやがれこのやろーっていってんだろうが!!」

・・・

この今日子って子、なんてウザイ奴だって思ってたけど、なんとなく夢ちゃんが友達になったわけがわかったような気がする。

飾らず、素直に、思った事を遠慮なく話す。

完全に夢ちゃんと逆なんだ。

きっと夢ちゃんにしてみれば、今日子のこの図々しさをうらやましく思ってるんだろう。

俺も言いたい事が言えない事ってあるから、少しは気持ちがわかる。

もしかしたら、俺もこの子とは友達になれそうな気がした。

 今日子「あれ?怒った?やだな先輩。冗談ですよ。今日子って呼び捨てが嫌なら、今日子チンでもいいですよ」

ああ、なんかこの子が可愛く見えてきた。

顔は好みじゃないけど、まあ、人によってはね。

子供好きとかなら。

 達也「いや、別に怒ってないよ。今日子は今日子、夢は夢だな。そして俺は達也だ!」

名前で呼び合える関係。

友達ならそれでいいだろう。

 夢「達也・・・」

 今日子「たつやん♪」

 達也「「夢、今日子、勉強がんばれよー!」

俺はそう言って、2人の頭をポンポンとたたいた。

 達也「って、たつやんは違う人だろ?」

 今日子「まーまー気にしたら負けですよ。人間忘れたもん勝ちです」

それ違う・・・

今勉強してる事、忘れないでね。

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