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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
57/89

軍師と魔女

前にも言ったが、金持ちは金持ちになる。

じゃあ、もてる人は更にもてるのだろうか?

ああ、そう言えば、誰かと付き合ってる時に限って、告白されたりするんだよね?


今日俺は部長として、ある会議に参加している。

ある会議とは、そう、予算会議。

これは、生徒会と、各部活の部長と会計が集まり、来年度の年間予算を決める会議だ。

ぶっちゃけ部活ごとに予算を取り合うわけ。

我が部では会計なんて職を決めていなかったので、俺は我が部の軍師、うららをつれてきていた。

戦場での戦術ではチリちゃんのが良いけど、こういう内政はうららが良いだろう。

一応部員ひとり5000円くらいが平均相場だが、実績や必需品などによって変わる。

 達也「我が部は現在8人ですが、部になって間もなく、必要な物がまだまだそろわずにいます。だから20万円必要です」

まあ、これは多めに要求している。

これはこの会議では当然の事。

ココから各部罵りあって、部費を削りあうのだから。

 別の部長A「たった8人で20万なんてばかげてる。出せて10万じゃないの?」

 別の会計B「そうですね。予算が足りないのは、何処も同じなのだから」

 別の部長C「ゲーム部って、ぶっちゃけ遊んでるだけでしょ?予算自体必要ないでしょ」

おうおう、みんな言ってくれるよ。

でもみんなが言ってる事は当たっているんだよね。

ホント遊んでるだけだし。

7,8万円もらえればいいかなぁ~

 うらら「私達の要求は、不当どころか、むしろ少ないくらいだと思いますよ」

おいおい、うらら、そんな事言ってもやっぱ多いって。

ココは適当なところで妥協しておこうよ。

 別の会計B「ほう。たった8人で遊んでる部なのに、それで少ないと?」

 うらら「はい。何故なら私達は、みなさんの言うその遊びで、この学校を有名にしました」

いや、遊びで有名にしても学校にメリットなんて無いデソ?

 別の部長A「有名にしたけど、学生としての本分から離れたところじゃないかな?なんの意味もないと思うけど」

うんうん。やっぱりそうだよね?

 うらら「そんな事はありません。私達は学校に最高の貢献をしています」

貢献?そんなものしたっけ?

 別の会計B「貢献ですか。それは是非何をしたのかお聞かせ願いたいですね」

うむ、俺も聞きたい。

 うらら「はい。最近少子化で、何処の高校も生徒を集めるのが大変です。特に森ノ宮学園は、人里離れた田舎にあって、年々受験生が減っています。このままでは進学校としての地位を維持するのも難しいでしょう。実際そんな話を皆さん聞かれていると思います。それなのに、今年の願書数は、既に例年の2倍を越えています。その理由が、我がゲーム部の実績、貢献だと思われます」

なるほど。

確かに今年の受験生が増えたのなら、それは俺達が有名にした事が原因かもしれない。

でも、証拠がないんじゃ?

 別の部長D「確かに、それが事実なら、最高の貢献だけど」

 うらら「事実です」

 別の部長C「でも、証拠がないよね。ゲーム部が有名にしたから受験者が増えたって言う」

やっぱり証拠といわれるときついな。

 うらら「証拠ならあります」

 達也「あるの?!って、うんうんあるよね」

やべ、俺が足ひっぱるところだった。

 別の部長D「あるなら見せてもらえるかな」

 うらら「わかりました」

うららはそういうと、ノートPCを取り出した。

 うらら「部長、携帯貸してください」

 達也「あ、うん」

ネットに繋ぐのか。

うららは携帯を繋いで、ネットに繋ぎ、我が森学のホームページに繋ぐ。

そして管理者用画面から、ゲーム部IDで接続。

ホームページのログを表示した。

 うらら「これが証拠です」

うららが表示したのは、森学ホームページへのアクセスログと検索キーワード。

昨年の分と今年の分を表示した。

これを見れば、わかる人なら証拠として認めるだろう。

まずアクセス数が、去年の何倍にもなっている。

それは今年の受験生が2倍以上になっている事と、相関関係があると考えられる。

で、ココを訪れる人が、どうやってココに来たかを考える上で、検索キーワードってのがある。

検索用ホームページで、どのような検索キーワードでココを探し、見つけて、訪れる事になったのか。

1位は、ドリームダスト、2位、バトルグリード、3位、RPGつくったるで。

これは明らかに、我がゲーム部が森学ホームページに人々を引き込んでいる証拠。

そしてそのアクセス数の半分が、3位までのキーワード。

更に言えば、訪れた人の半分が、ゲーム部のページにアクセスしていた。

 うらら「これを見れば、受験生の半分は、私達の力で受験する事になっていると考える事もできます。よって、受験料の半分程度の貢献はしている事になります。えっと、受験料1人5000円で、受験生半分が600人だから300万円、経費等除いても半分の150万円の予算を・・・」

 別の部長C「ああ、わかった。確かに20万だと少ないくらいだ」

 別の会計B「たしかに・・・」

 別の部長A「でも全予算も少ないから、20万で勘弁してくれ」

・・・

あら、みんな納得しちゃったよ。

流石我が部の天才軍師。


予算会議が終わり、噴水のある中庭に来た辺りで、うららが俺にしなだれてきた。

 うらら「あー良かったーうまくいってくれて」

いや、あれだけのデータを集めていれば、うまくいかない方がおかしいでしょ。

 達也「まあな。でもよくあんな方法思いついたな。それに森学のログとか見れるなんて知らなかったよ」

そうだ。

ゲーム部にはホームページを書き換える許可がおりているから、森学のホームページディレクトリにFTP接続はできる。

でもアクセスログって、本来あまり人には見せられないものだから、暗証番号とか設定されてて見れないはずなんだよな。

 うらら「この前、チリちゃんが見てて、使えるかなーって思って」

・・・

裏には、我が部の魔女がいらっしゃいましたか。

しかし、犯罪はしちゃいけないから、後でちゃんと言い聞かせておかないとね。


会議に出ていた俺達は、部活開始時間よりも2時間遅れで部室に入った。

部室内はテーブルトークゲームで盛り上がっていた。

そんな中からチリちゃんを引っこ抜き、その場にうららを座らせた。

チリちゃんの尋問だ。

 知里「どうしたのぉ?あっ!予算はいくらとれたのかなぁ~?」

 達也「うん。20万とれたよ」

 知里「やったねぇ~」

 達也「うんうん。やったね!じゃなかった」

俺は少し真面目に、しかし優しくチリちゃんを見つめる。

 知里「ぽっ!だよぉ」

チリちゃんは照れていた。

可愛い・・・じゃなかった。

 達也「チリちゃんさ、森学ホームページのアクセスログ、どうして見れたの?」

 知里「だって、FTP接続できるよぉ~」

いや、それがどうしてパスワードとかを知る事につながるわけ?

 達也「パスワードとか、そもそも存在自体しらなかったんだけど?」

 知里「それはぁ~ますゲーム部のページのログをとろうと思ったんだけど、既にあるならそれを使おうかと思ってぇ~」

 達也「ふむふむ」

 知里「森学トップページにカウンタついてたから、ソース開いたらジャバスクリプト設定してあってぇ~」

 達也「うむ」

 知里「それからカウンタとログのスクリプトの場所を見つけてぇ~」

 達也「ほう」

 知里「ね?」

 達也「いや、ねっ?、って言われても」

 知里「だからぁ~スクリプト開けば、パスワード記録ファイルとか場所がわかるからぁ~」

 達也「うむ。確かにそう言われればそうだね」

 知里「でしょ?」

 達也「でも、なんでパスワードわかるの?」

 知里「ファイル解読すればわかるよぉ~」

簡単に言うけど、解読ってそんなに簡単なものなのか?

まあ、チリちゃんにとっては簡単そうだけど。

 知里「だから、FTP接続を許してる時点で、ログは使っても良いって事だよぉ~」

そうなの?

なんだかだんだんそんな気がしてきた。

 達也「うむ。そうなんだ。じゃあいいか。でも、あんまり危ない事はしないようにね」

俺はチリちゃんの頭をなでた。

 知里「わかってるよぉ~エッチなホームページはみないよぉ~」

全然わかってねぇ。

まあ俺が気を付けて見ているしかないな。

俺はそう諦めた。

後日、アクセスログページは、今まで通りには見れなくなっていた。

でもすぐにチリちゃんは見ていたけど。

はぁ~

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