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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
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年賀状

美鈴は、義経が初恋だと言ったけど、それはあこがれのようなものだった。

チリちゃんは、俺に家族としての愛を望んだ。

きららは、異性の親友みたいな感情だろうか。

まこちゃんは幼なじみで、夢ちゃんには相棒のような関係を、俺は望んでいる気がする。

うららは、なんだろう・・・

たとえばの話、おそらくは誰と結婚することになっても、幸せになれそうな気がする。

それくらいみんな好きだ。

でも、何かを忘れている気がする。

その何かがわかれば、この中の誰かと結ばれる事もあるのだろうか。

俺が生まれ変わった意味が、わかる時がくるのだろうか。

えっちゃんは、義経を本気で好きだったけど、俺がそれを否定していて傷つけた。

それにけりを付けた事は、生まれ変わった意味のひとつだろう。

森ノ宮学園高校には、たぶん俺を想う全ての人が集まっている。

なんせ俺を好きな人が平均的にこれだけいたら、俺は超モテモテ君になってしまうから。

きっとこの学園にいる間に、全てがわかる気がする。


正月三が日が終わり、先生生徒共に学校に戻ってきていた。

俺の部屋には、実家から戻ってきた舞が来ていた。

 舞「あっ!これ。年賀状なんだけど見る?」

 達也「ん?義経宛の年賀状か?」

舞が俺の部屋にいる事は、今では珍しい事ではない。

 舞「うん。住所が変わってるから、それほど多くないけど」

俺は舞から年賀状を受け取った。

1枚ずつ読んでいく。

 達也「あれ?これは去年の?」

 舞「うん。去年のも何枚かあるから」

まあ、死んだ事を知らなければ、年賀状を出してくる人もいるだろう。

ってか、知らない人しか送ってこないか。

そう思ったがそうでは無かった。

「死んだなんて信じないぞ。俺は信じないからなー!」

死を受け入れたく無い友達も、送ってくれているようだ。

俺は少し泣けてきた。

あいつ、良いやつだったんだな。

次の年賀状を見る。

普通に書いてある。

これは死んだ事をしらない奴だ。

次、これもそう。

次、これは・・・

池田中学のゲーム部員だ。

あの、俺を嫌っていると思っていた子の去年の年賀状。

「あけましておめでとう。知里先輩も寂しがってますよ。私も寂しいです。戻ってきてください。谷愛奈」

ああ、やっぱり。

また涙がでてきた。

 舞「お兄ちゃん、やっぱり好かれてるね」

 達也「ああ、そうだな」

みんな、良い子だよ。

俺はその年賀状をよけて、次を見た。

また、谷愛奈からの年賀状。

これは今年?

「あけましておめでとう。私は元気ですよー!勉強もがんばってますよー!今年は受験なんですが、従姉のお姉ちゃんと知里先輩がいる森ノ宮学園を受験しますよー。なんとゲーム部もあるんです!しかも顧問の先生が、義経先生の妹さんなのだ!って、舞先生もこの年賀状見てるのかな?そうなら、春からよろしくです!」

・・・

ん?

従姉のお姉ちゃん?

池中にはいなかったから、別の中学から森学に入ったんだろうけど。

 達也「舞。1年に谷って名字の子、いる?」

 舞「うん。となりのクラスにいるよ。ああ、夢ちゃんとよく一緒にいる子だよ!」

そういや・・・

なにかいやな予感がするんですが、気のせいでしょうか?

まだまだ、俺が生まれ変わった意味がわかる日は、遠そうな気もした。

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