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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
45/89

巨大すごろく大会

恥も外聞もない。

とにかくプライドを捨ててみよう。

そこには日頃味わえない楽しさがあったりなかったり。


文化祭2日目、午前中は俺が店番をしていたが、午後は美鈴と舞がきてくれたので、今はゲーム部みんなが集まってゲームをしている。

文化祭では、成果報告自体が部活であり、部活が成果報告なのだ。

ソフトボール部は、他校と試合をしたり、美術部は絵を描いたりしている。

つまりはそういうわけで、俺達はゲームをしなくてはならないのだ。

で、今日は一番奥のグラウンドが丸々空いていたので、グランド全体を使ったゲームをしていた。

このゲームは、いつかグラウンドが空いてる時にやろうと、密かに作成していた巨大双六だ。

サイコロは、スポンジでできた巨大六面ダイス。

俺はそれを思い切り投げた。

 達也「2は勘弁してくれよー」

俺は転がるサイコロに祈る。

よし、どうやら出た目は4だ。

俺は4つ分、グラウンドに書かれたマスを移動する。

そのマスに書かれているのは、1回休みだ。

てか、本当に休憩ができる。

このゲームはグラウンド全てを使い、自身が動くのでとてもつかれるのだ。

休めるのはとても嬉しい。

 夢「いいなあ」

俺はその場にしゃがみ込んで次の番の夢ちゃんを見た。

すると夢ちゃんがつかれた顔でサイコロを拾いに行く。

拾い上げるとその場でサイコロを転がした。

出た目は1だ。

夢ちゃんは自分のマスに戻ると、ひとつ分進む。

そこにはチャンスと書かれていた。

夢ちゃんはグラウンドの真ん中まで行って、チャンスカードをめくる。

行ったり来たりと疲れているようだ。

カードを見た夢ちゃんの顔が更に疲れた顔になる。

しかし直ぐに微妙な笑みを浮かべた。

どうやらカードの内容は、そう悪くはないようだ。

ただし疲れるのだろうけど。

夢ちゃんが読み上げる。

 夢「サイコロをぶつけた人と場所を入れ替わる」

つまりは、今から夢ちゃんが、休んでいる俺以外の誰かにサイコロをぶつけ、その人といる位置を入れ替わると言うことだ。

このミッションは、誰かにぶつけるまで終わらないという非常に危険なミッション。

夢ちゃんはサイコロを拾い上げると、現在1位のきららを追いかけはじめた。

どうやら当てやすい人を当てて、ミッションコンプリートを狙うよりも、ゲームコンプリートを目指すらしい。

しかし相手はきららだ。

そこそこの運動能力を持っている。

対する夢ちゃんは、運動はかなりダメだったはずだ。

 達也「ってあれ?」

夢ちゃんの走るスピードはやたらと速い。

 きらら「なんでそんなに元気なのー!」

先ほどまでヘロヘロにつかれていた夢ちゃんとは思えない。

やはりゲームとなると、隠れた力を発揮するようだ。

逃げるきらら、追う夢ちゃん。

逃げるきらら、追う夢ちゃん。

逃げるうらら、追う夢ちゃん?

あれ?

いつのまにかうららに代わっていた。

さっき高鳥姉妹がぶつかりそうになった時だろうが。

夢ちゃんはどうやら気がついていない。

気がついてるのはおそらく俺だけ?

そしてその後すぐにうららはサイコロをぶつけられた。

皆、元の位置に戻る。

きららはもちろん先頭の位置。

 夢「あれ?うららさん?」

どうやら気がついたようだ。

最近のゲーム部員は、高鳥姉妹をみわけられるようになっていた。

といっても、しっかり見ないとわからないようだけど。

 うらら「そうだよ。だから私と場所入れ替わらないとね」

うららの位置は、現在ビリだったから、夢ちゃんは最後方に位置を変える事となった。

 夢「えーつかれたよー」

トボトボと最後方に歩いてゆく。

可哀相に。

俺は心の中で笑ってやった。

まあこうしてゲームは進んでゆく。

チリちゃんが兎跳びで3マス進んだり、チリちゃんが目隠しで5マス進んだり、チリちゃんがこけたり色々だ。

って、チリちゃんばっかり辛そうなのに当たっているのは、どうしてだろう?

なんだか涙が出てきたが、俺には見守る事しかできないのだ。

大きくなれよ。

これはちょっと違うな。

身長って話だと、チリちゃんは美鈴より高そうだ。

ってか、みんな低いな。

特に高鳥姉妹は150cmくらいしかなさそうだ。

とにかくいつのまにか、グラウンド双六は大詰めにきていた。

トップはチリちゃん。

この順番で3以上出せば優勝が決定だ。

しかしまあチリちゃんの事だから、きっと無理だろう。

チリちゃんの運や強さは、時と場合を選ぶのだ。

今日はその日でも無ければ、その時でもない。

 チリ「てやぁ~」

転がるサイコロが止まった。

やはり。

数字は2だった。

ゴール寸前のマスで止まった。

で、だいたい直前というのはひどい命令があるものだ。

 チリ「最後方の人と場所を入れ替わる。このマスに来た人は3マス戻る。お互いその場の支持には従わなくてよい」

チリちゃんは肩を落として、最後方の夢ちゃんの所に行った。

 夢「知里ありがとう」

夢ちゃんは普通に歩いて、ゴールまで4マスのところまで移動する。

普通に歩いているのに、スキップしているように見えるのは気のせいだろう。

夢ちゃんは俺のひとつ前のマスで止まると振り返った。

 夢「復活だから」

微妙に敵対意識と言うか、敵対感情が伝わってくるのは気のせいだろうか。

 達也「ふっ。俺のが順番が先に回ってくるのだよ」

そう、順番では俺が先で、5以上で勝ち。

 夢「5以上なんて無理無理。その後こっちが4以上だして優勝するよ」

やはり俺には負けたくないようだ。

 達也「さて、次はだれだぁ?」

 きらら「私よ」

きららは序盤先頭を独走していたけど、止まってはいけないマスに止まって、一気に順位を下げていた。

腕立て伏せ10回にかかった秒数分だけのマスを戻る、ってので、15秒かかったんだよな。

 きらら「うりゃ!」

きららの投げたサイコロは、6で止まった。

 きらら「きゃー!」

ゴール一歩手前で止まった。

これでチリちゃんが夢ちゃんと同じマスに、きららが最後方に下がった。

 達也「次は新垣さんか」

新垣さんは、俺より1マス後ろにいる。

6なら優勝だ。

 吉田「がんばれー!6で優勝だよー!」

 新垣「うん。がんばるよぉー」

なんかムニョムニョするな。

新垣さんのサイの目は5だった。

 新垣「ガーン」

新垣さんは最後方に、きららが俺の前のマスにくる。

なんだか良い勝負だ。

 吉田「残念。次は僕か」

今度はゴール一歩手前のマスまで届かないから、また同じ事が起こる事はない。

吉田君の数字は、6だった。

ゴール2つ手前のマス。

ミッションカードと書かれている。

ココでミッションカードを引いてミッションをこなし、その結果により良くも悪くもなるカード。

吉田君はカードを引いて読み上げた。

 吉田「グラウンドを走って一周する。タイムを計り、1の位の数字引く5の分だけマスを移動する。移動したら、その場所の支持に従う」

かなりしんどいミッションだけど、うまく行けば優勝だ。

 吉田「1の位が7から9で優勝か」

吉田君の性格から、狙うはおそらく7,8秒辺り。

俺の合図に、吉田君が走り出す。

吉田君は心の中で数字を数えながら走っているのだろう。

集中している。

このままだと、吉田君ならきっと優勝する気がする。

なんとかしなくては。

 達也「新垣さん。応援応援。旦那の優勝がかかってるんだよ」

 新垣「あっ!そうか。うん。光一くーん!ファイトだよー!!」

 吉田「あっ!うん。ありがとう。って、えっと、あれ?」

ふふふ、作戦成功だ。

今ので数秒狂ったに違いない。

って、吉田君って、名前光一だったんだ。

もう半年のつき合いになるけど知らなかった。

まあ男の名前なんて、普通覚えないよね?

さて、そろそろゴールだ。

ストップウォッチを見ていると、不正したと思われるのもいやなので、それは見ないで最後ストップを押した。

果たして何秒か。

66秒。

うーむ。

お約束ですな。

新垣さんが俺の前のマス、吉田君が最後方へと下がった。

次は、うららだ。

うららもゴールはできない位置。

サイコロを振る。

5だ。

俺のひとつ前で止まる。

 うらら「次の自分の番まで踊る。踊り続ける事ができれば4マス進む」

微妙だ。

これが今先頭であるならば、踊っていれば次の番でゴールだ。

しかし、それまでに誰かが優勝を決めてしまうだろう。

何故なら俺の前に3人いて次に1/2の確率でゴールできるのだから。

俺も含めれば、誰もゴールしない確率は、1/12だ。

 うらら「・・・」

うららは踊り出した。

よくわからない踊りだ。

あえて名前をつけるなら、芋虫踊り?

ウネウネしてるだけ。

うーん。

採用。

君いいよ。

 まこと「次私かぁー。どうせもう勝てないかなぁー」

まこちゃんはぶつぶつ言いながらサイコロを振る。

出目は4。

俺のひとつ前のマスで止まる。

流石にもう踊らないだろう。

と、思ったけど、ノリで踊っていた。

炭鉱節。

盆踊りだった。

踊るって、普通こんなものなのだろうか?

まあいいや。

 達也「ははは!とうとう俺の番だ!5以上で優勝!楽勝だ!うりゃー!」

俺はサイコロを転がす。

ん?

転がっていたサイコロは、前のマスの誰かの足に当たって止まった。

 夢「はい1ね」

・・・

なんて奴だ。

今足だして止めたよね?

 夢「ん?気のせいでしょ」

何も言ってないのに。

それにしても流石夢ちゃん、ゲームに対する思いは半端じゃない。

 達也「まあいいだろう。うぉーーー!!!」

俺もやけになって踊り出す。

なんだか楽しいぜぇーー!!!

楽しかった。

訳がわからず楽しかった。

人間全てを捨てると、なんと心地がいいのだろう。

疲れた体に鞭うって踊り続けた。

その後、夢ちゃんも、チリちゃんも、きららも、新垣さんも、そして吉田君も、サイコロで3を出したことは言うまでもない。

って、ありえねぇー!!

第一回グラウンド双六大会優勝は、芋虫踊りのうららだった。

ちょっと格好いい?

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