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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
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夢のような一日

夢であって欲しい。

そう思う時点で、それは夢ではなく現実。

決して夢ではないのだ。


1000連勝を達成した事は、ネット上だけでなくテレビでも話題になっていた。

最後のバトルで、クライアントがやった卑怯な事を、他にも見抜いた人が多くいたからだ。

まあ、流石に最後の戦いだったから、ギャラリーも多かったわけで。

だからクライアントも必死に言い訳をするわけで。

 達也「何故俺がこんなところにいるのだろう?誰か夢だと言ってくれ!」

俺は今、緊張最高潮だ。

バトルグリードの1000連勝達成後、プレイヤからの批判をあびたクライアントは、なんとか悪くなったイメージを払拭しようと躍起になった。

で、とられた策のうちのひとつが、達成者の表彰と賞金受け渡しなどを、テレビ番組内でやること。

このテレビ番組は、ネットゲームに限らず、ゲーム全般の情報発信番組だ。

だから今テレビ局に、夢ちゃんとチリちゃんがいる事は、まあ納得できる。

顧問の先生である舞がいる事もわかる。

でもなんで俺まで?

このゲームは美鈴が買ったものだ。

ゲーム部正規のものではない。

でも、美鈴はユーザー登録を、森学ゲーム部にしていたのだ。

で、ゲーム部を招待って事になって。

だから俺以外にも、ゲーム部員全てが呼ばれていた。

 アナ「あなたが部長さんですか。おめでとうございます」

 達也「はい。ありがとうございます」

カメラがこっちを向いている。

笑った方が良いのだろうか?

 アナ「では、ドリームダスト号は、あなたが操作していたのですか?」

 達也「いえ、あの幼子2人です」

俺は緊張のあまり何を言っているのかわからない。

 夢「な、なに言ってるの」

夢ちゃんでも少し緊張しているようだ。

 知里「はい~幼子ですぅ~」

チリちゃんは全く緊張していないようだけど、ちょっとおかしくなってるよ?

 アナ「こんなに可愛いお二人が、1000連勝を?凄いですねぇ」

ええ、凄いんですよ。

俺も信じられないんですよ。

だから早く帰して。

 アナ「では、ココでその華麗なバトルを見せてもらいましょう!対戦相手は、そうですねぇ。じゃあ部長さん、いってみましょうか」

え?

聞いてないよ。

なにそれ。

俺に恥をかけと?

 達也「は、はい」

 うらら「って事は、私もだよね」

うららは心臓に毛が生えているのか?

全く緊張してるように見えないよ?

 うらら「じゃあいこ。せんせ!」

 達也「え?」

今、先生って言ったような。

もしかしてばれてる?

ってか気がついているのだろうか。

やっぱり。

あれ?

気がついたら、俺はコントローラーを握って、席についていた。

まあ、せっかくだし楽しもうか。

モニタを見た。

「ドリームダスト」の武装は、一番スタンダードなものにしたようだ。

 うらら「勝っちゃっても良いのかな?」

 達也「勝てるならね」

うららの言葉に少し驚いた。

楽しんでいるし、勝つ気でいる。

 うらら「じゃあ最速にして、接近戦で行くよ」

 達也「俺、苦手だけど」

 うらら「私が攻撃系担当するよ」

俺達が担当を変えるのは、初めてか?

あったとしても数回だった気がする。

 達也「でも、俺が移動系だから、慎重にいくよ?」

 うらら「うん」

カスタマイズは終了し、フィールドが表示される。

町中のマップだ。

障害物が多く、接近戦もやりやすい。

カウントダウンが始まった。

俺はコントローラーを少し強く握った。

 アナ「スタート!」

画面にスタートと表示された。

俺は直ぐに左へ移動する。

それを見て相手も左側へ。

相手はどちらかというと長距離戦が得意だ。

目視出来る所に出れば、おそらくは正確な攻撃が襲ってくるだろう。

だからそれまでに、なるべく近づかなくてはならない。

スピードはこちらが上だ。

徐々に距離をつめる。

しかし相手は無敗の「ドリームダスト」だ。

俺達の「ブライトスター」が本来勝てる相手ではない。

合間を縫って攻撃してくる。

 達也「ちっ!回避!」

 うらら「前進!」

 達也「えっ?」

回避しようとしたら、うららの大きな声が俺の行動を止めた。

俺はそのまま前進する。

爆発が視界を塞ぐ。

ダメージは無い。

なにーー!!

ロケット弾を斬った?

 夢「えっ?」

どうやら夢ちゃんも驚いている。

 アナ「おおーー!!素晴らしいバトルです。流石に部長、あのドリームダストと互角に戦っています」

いや、俺じゃなくうららだけどね。

俺達は更に距離をつめた。

そして後ろをとる。

流石にずっと一緒にやってきたから、行動が読める。

 達也「とった!」

うららが攻撃する。

相手のゲージが大きく動く。

勝てる。

そう思ったが、うまく体を入れ替えられ、ガチンコバトルに持ち込まれた。

それでもまだこちらが有利。

 アナ「おおっと!流石部長!勝ってしまうのか?!」

だから俺は足ひっぱってるよ。

うららの力だって。

しかし、俺達の善戦もココまでだった。

操作はやはりやり込んでる夢ちゃんのがうまいし、その後チリちゃんに簡単に後ろをとられるし。

 アナ「流石ドリームダスト!長距離用機体で、接近戦して勝ちました」

なんだか、俺達がメッチャ弱かったみたいな言い方ね。

今日の相手がドリームダスト以外なら、きっと勝ってたよ。

その後100万円と、副賞としてなんだか色々貰った。

100万円は、もちろん夢ちゃんとチリちゃんの物、副賞はゲーム部に寄付となった。

なんだか夢のような一日だった。

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