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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
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最強コンビ誕生

最近は、舞も一緒に部活をする事が多くなった。

もうすっかり部員の一員だ。

舞の事を先生だと意識しすぎる部員もいない。

俺も先生の頃、ココまで馴染める事が出来ていたならば嬉しいなと思った。

で、今日の部活なのだけど、また美鈴がきていた。

新しいゲームを買ったのだけど、どうやら1人でやっていても面白く無かったらしい。

ゲームは、1対1、もしくは2対2で戦闘する、ネットゲーム。

ロボットと戦闘機と戦車と戦艦を足して4で割ったような機体に搭乗し、相手とバトルする。

機体はいろいろとチューニングできるから、自分の好みの機体で対戦できるところが面白い。

まずはゲーム部の元双璧、美鈴とチリちゃんがプレイしてみた。

2人でやる場合は、1人が機体の操作を中心に行い、もう1人が攻撃を行う。

2人の息が合う事が重要だ。

美鈴は既にいくらかやっていたので、移動はスムーズだ。

敵の死角へとうまく操る。

そこでチリちゃんが攻撃するわけだけど、今一まだなれていないようで、思うようにはいかない。

結局時間切れ判定で負けてしまった。

 知里「う~ん。今度は逆でやらせてぇ~」

どうやらチリちゃんは納得いかないようだ。

そして今、はまりはじめている。

このままはまったら、チリちゃんはこのゲームを極める事になるのだろう。

逆での戦闘が始まった。

今度は動きはぎこちないけど、攻撃と防御はスムーズだ。

 知里「なるほどぉ~この機体だと、重量が重い分反応が遅れるんだぁ」

チリちゃんはなにやら納得したようで、だんだんと動きが良くなってゆく。

なるほど。

少し早めに先を読んで操作しているようだ。

直ぐにそれに気がつき、それを実戦できるチリちゃんは流石だ。

俺だったらやりこまないと、ココまではきっとできないだろう。

今度はバトルタイム5分以内に相手の機体を破壊していた。

 知里「やったぁ~」

それほど嬉しくない人が、大げさに喜んでいるようなチリちゃんの言葉だったけど、チリちゃんはこれで本気に喜んでいる事が伝わってきた。

簡単に言えばチリちゃんの言葉は、下手な台詞っぽい喋り?

 達也「初めてやったのに、いきなりあれだけ動かせるなんて、流石にチリちゃんだね」

 美鈴「やっぱチリはスゴイは。これ結構難しいのに」

みんなでチリちゃんをほめていると、それが面白くないのか、夢ちゃんがコントローラーをひとつ取った。

 夢「今度は私の番」

夢ちゃんはそういうと、俺にコントローラーを取れと、目で訴えてきた。

俺はコントローラーを取る。

夢ちゃんが勝手に機体を設定する。

軽くて小回りの利く設定にしたようだ。

これだと火力と防御力が低い上、弾薬を多く積めない。

超玄人好みな感じだろうか。

 夢「達也ちゃんが操縦ね」

おいおい、これだけの機体を、素人の俺に扱わせるつもりかね。

 達也「俺、素人だぞ?うまく動かせないって」

 夢「期待してないから」

夢ちゃんはそう言いながら、対戦登録を済ませた。

直ぐに対戦相手が決まった。

 美鈴「あ、この人、結構強いよ」

どうやら美鈴が知ってる相手らしい。

しかしこのゲームは、最初の頃は勝ち数が同じ機体同士で対戦相手が決まるから、相手も0勝って事になるのだけど。

 達也「でも0勝でしょ?」

 美鈴「このゲーム、連勝が止まると、また0からになるんだよ。この機体、昨日15連勝までいっていたよ」

 夢「ふん。私の力を見せるには、丁度いい相手ね」

夢ちゃんがそう言ったところでゲームがスタートした。

 達也「うお!早すぎて操作ムズ!」

 夢「ブースト20%程度で良いから、確実に操作して」

 達也「それだと、機体を軽くした意味なくね?」

 夢「軽くしたのは、移動だけが目的じゃ無いよ」

俺はパワーを落として、自分が操作出来るところを探った。

25%くらいか。

 夢「少しはできるようね」

こんな小娘にバカにされるのはちょっと納得いかないけど、必死だったので反論はできなかった。

動きだと相手と五分。

この機体で五分だと、完全に負けている事になるのだが、戦闘は意外と優位に進んだ。

火力も装甲も完全に負けてはいたけど、相手の攻撃をことごとく防ぐ夢ちゃん。

そしてこちらの攻撃は的確に命中する。

なんだこのうまさ。

経験者か?

 達也「夢ちゃん、このゲームやった事あるんだ?」

 夢「無いよ?似たのはあるけど」

夢ちゃんは画面から視線をそらす事なく、楽しそうにこたえた。

終わってみると楽勝だった。

 美鈴「この子何者?」

 達也「さあ、ただのアホの子ではないだろうけど」

 夢「だれがアホの子よ」

睨まれた。

 知里「すご~い。夢ちゃんかっこいい~」

チリちゃんをみて、俺も美鈴も、おそらく部員がみんな思った。

2人が組んだらどうなるのだろうかと。

やらせてみた。

チリちゃんは2ゲームやったところで、夢ちゃんの機体の100%についていっていた。

 美鈴「これは面白いわね。連勝バトルにチャレンジしてみない?」

 夢「何それ?」

 美鈴「これよ」

夢ちゃんに見せたのは、ゲーム雑誌のとあるページ、このゲーム「バトルグリード」の紹介ページだった。

 達也「なになに?1000連勝で賞金100万円?」

夢ちゃんの目の色が変わった。

 夢「やる」

やる気満々だ。

 達也「それじゃ、みんな参加するか。今ココに10人いるから、5チームつくれるし」

 きらら「さんせー!」

皆賛成の意志を表した。

舞だけは何も言わなかったけど、笑顔だったからいいだろう。

ルールは単純で、1つの機体で1000連勝すれば100万円がもらえる。

まあ勝ち続けると、勝率の高い機体が相手に選ばれる仕組みなので、だんだん勝つことが難しくなる。

更に不正を防ぐ為に、同じ相手とのバトルは1週間組まれる事は無い。

それで1000連勝なんて、ほぼ無理な事ではあるけど、まあ楽しそうだ。

機体は10まで登録できるので、とりあえず各チーム2機づつは登録できる。

本番用とテスト用、そんな感じで使う事になるのか。

 美鈴「私受験生なんだけど」

そういう美鈴も、参加する気満々であるように感じられる。

 達也「では、チーム編成するか。とりあえず暫定で。やってれば他のが良いかもしれないから、その時は臨機応変に」

俺はチームを俺の独断と偏見で決めた。

まずは美鈴と舞。

これは引退してる人間だから、とりあえず先生と組ませた。

文句はなかった。

吉田君と新垣さんこれも反対はない。

てか、そうしないと文句を言われるのは確実。

後はうららときらら、俺とまこちゃん、そしてもちろんチリちゃんと夢ちゃんだ。

後にネットゲーム界に名を轟かせる、「ドリームダスト」の誕生だった。

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