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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
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夏休みの宿題

子供の頃、大人は凄く大人に見えた。

高校生の頃なら、若い先生ですら、頼りがいのある完成された人間に見えた。

大人になってわかること。

それは大人がそれほど大した大人で無いという事。

俺は確かに40歳まで歳を重ねたが、今高校生の友達と、やってる事も気持ちも変わらない。

義経と言う名の先生としては、見過ごせない事態だ。

 達也「何故俺は宿題という名の夏の課題を忘れていたのだろう?」

目の前には、夏の課題をするために必要な物が積み上がっていた。

 知里「私もだよぉ~泣きたいよぉ~」

 きらら「私は読書感想文だけは終わったよ」

 達也「偉そうにするな。それだけじゃないか」

 きらら「それだけでも、やってないよりはマシだよー!」

 達也「くっ!」

 うらら「私は数学の課題だけは終わったよ」

 まこと「全滅・・・」

うららは嬉しそうに、まこちゃんは全く逆の感情を、それぞれ振りまいた。

 吉田「俺達は毎日一緒にやってたから終わったよね」

吉田君は、新垣さんと向かい合って笑顔だ。

なんかむかつく。

 美鈴「私は全部やってるわよ」

美鈴先輩は、まあいつもの無表情だけど、「あんたたちなにやってるのよ。ゲームできないじゃない!バカ!」と言っているようだった。

ココは速攻終わらせる為に、俺は協力を皆に求めた。

 達也「ココはゲーム部で助け合うのが、美しくも正しい姿だと思うのだけど、皆どうだろう?」

俺は皆の顔を、1人1人見てゆく。

吉田君は目をそらす。

新垣さんは・・・

 新垣「えっ?何?」

 達也「君の愛する旦那さんは、我々との同盟を拒否したようだ。しかし、君だけは協力してくれるよね?」

俺は捨てられた犬の目のような目で、新垣さんを見つめた。

 新垣「えっと・・・」

新垣さんは視線をそらして、吉田君を見る。

吉田君とアイコンタクトなるもので通信しているようだ。

吉田君はため息をつくと、「わかったよ」と言って、宿題を皆に差し出した。

 達也「ありがとう!君の雄姿は、イヤ、融資は、後1日は忘れないよ」

 きらら「やったね!」

俺達は宿題を受け取ると、皆でそれを写しはじめた。

 知里「いいなぁ~私だけ1年だから、写せないよぉ~」

チリちゃんは、ドンドン可哀相な子にエナジードレインだ。

あまりにも不憫に見えたので、俺は声をかける。

 達也「こっちが終わったら、手伝ってあげるからね」

俺は自然と優しい気持ちになって、チリちゃんの頭をなでた。

 知里「わ~いありがとぉ達也ちゃん!」

餌をねだる雛鳥みたいだ。

うんうん。

世界のどこで大戦争が行われていたとしても、ココだけは平和が守られるであろう。

そんな雰囲気に包まれた気がした。

 美鈴「私も復習したいし、チリ、英語かしなさい」

美鈴先輩も助けてあげるようだ。

チリちゃんは喜んで英語の課題を美鈴先輩にわたしていた。

俺達は必死に写した。

だけど、読書感想文だけは写せない。

よって、全てが終了した後、きららに話をしてもらい、それに対して感想を書く事にした。

感想文以外を全て写し終えた後、チリちゃんの課題を手伝った。

俺には難しかった。

なんせ勉強していたのは20年以上も前のところ。

生まれ変わった後に授業を受けたところは、思い出すだけでかなりわかったから良かったけど、1年の1学期だけはわからない。

俺は教科書も借りて、復習しながら問題を解いた。

おかげでかなり思い出せた。

 達也「いやぁ~やっとチリちゃんのも終わったねぇ~」

 知里「ありがとぉ~みんなのおかげだよぉ~」

うんうん。

みんなの力で世界は救われた。

って、チリちゃんが課題をしているところをみなかったのだが・・・

まあいいか。

世界は救われたのだから、それで良いではないか。

 きらら「じゃあ、本の内容を話すよー!」

俺達はきららの話を聞いた。

感動的な友情を描いた話だと聞いていた本の内容は、面白くて笑えるラブロマンスだった。

きららの話を聞いて感想文を書いた俺達は、後日クラスのみんなに変人扱いされた。

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