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転生と…  作者: 秋華(秋山 華道)
転生と…
19/89

大会参加スタート

不正とは、何時の時代も、どんな場所でも存在する。

正義の象徴警察だって、殺人を犯す時代だ。

先生だって・・・


森ノ宮にある唯一の玩具屋。

そのスペースの一角で、ポケアニカード大会予選が開かれていた。

実際に参加するのはうららとまこちゃん。

でも他の全てのゲーム部部員は応援に来ていた。

まあ、応援だけってわけでもないのだが。

俺はうららやまこちゃんのカードよりも、対戦相手のカードに目を光らせていた。

もちろんカード内容まで見て、通しをしてると思われるのもいやなので、見えない位置からみているのだが。

通しとは、敵の持ってるカード内容を、味方に教える事だ。

相手の持っているカードがわかれば、戦略がたてやすい。

相手カードを見る為のカードも存在するのだ。

それをリスク無しでやる事はもちろん反則。

しかしこういった大会では、必ずと言っていいほど不正が行われる。

通しは滅多に見ないが、キーカードを懐に忍ばせたり、ドローカードをさりげなく複数枚取ったり。

特に予選は記録もとっていないから、不正しやすい。

まこちゃんもうららも、優位にゲームを進めているようだ。

後は不正されなければ勝てるだろう。

と、思っていたが・・・

 まこと「しまったぁ~」

・・・

不正とは、しようとしなくても、してしまう事があるという事か。

まこちゃんのドロー。

カードが2枚重なっていた。

まあ予選だし、その時気がつけば「ごめんなさい」で済んだだろう。

でも、次の自分のターンまで気がつかず。

そして自分で気がついてしまった。

まこちゃんは正直にそれを話してサレンダーした。

負けを認めたって事ね。

ちょっとションボリしていたまこちゃんだったが、うららが勝ち進んでいたのでいつの間にか元気だった。

うららは予選決勝まできていた。

勝っちまうのか?

実はココで勝たれると、来週の「魔女ック」の大会と、「ポケアニ」本戦が重なってしまう。

まあその時はその時で、二手に分かれればいいのだけど。

とにかく応援だ。

勝ったら後の事は後で考えよう。

流石に決勝だからギャラリーも多く、不正はできないだろう。

俺はうららのカードを覗き見る。

場にはすでにカミナリネズミが出ていた。

状況は有利だ。

「ポケアニ」は、状況が有利になると、そのまま押し切れる事が多い。

競馬風に言うと逃げ馬有利なゲームだ。

場では完全に圧倒している。

しかし、アニマルカードを引いてこない。

カードには色々な種類がある。

アニマルカードは、実際に戦闘を行うキャラクタカードで、これが無いと戦いそのものができない。

他には、技を使うためのエネルギカードとか、戦いをサポートするサポートカードなどがある。

手札には今、アニマルカードが無く、その他のカードばかりなのだ。

 うらら「うーん・・・」

またアニマルカードを引いてこなかった。

これではカミナリネズミがやられた時点で負けになる。

相手がグズグズしている間になんとか引いてこないと。

しかし期待は裏切られ、とうとう逆転の状況になった。

後1ターンで、こちらの負けが決まる。

次のドローでアニマルカードを引かなければ負けだ。

 うらら「来いー!」

うららは気合いを入れてドローしたが、結局アニマルカードは引かなかった。

 うらら「ちゃんと確率計算して、最低必要枚数割り出したのになぁ」

 達也「アニマルカードを抑えると、強いデッキができるけど、対応力と安定性に欠けるんだよね」

 うらら「4回に1回は来る計算だったのにー」

 達也「まあ、計算だけでは強いデッキは作れないって事だね。アニマルカード多めに入れて、保険かけないと」

 うらら「そっか。保険かぁ。最後ドローできなかったのは、きっと病気だったんだね」

面白い考え方だったけど、そう言われれば納得できた。

あと、うららは運がいいのかと思っていたけど、実は悪いのじゃないかと思った。

準優勝のうららは、最新のポケアニ映画の割引チケット2枚をもらっていた。

うららは部のみんなの物だと言ったけど、皆うららの物だと言って、うららに持って帰らせた。

玩具屋から出たら、外はとても暑かった。

寮へ向けて皆で歩いてる間に、太陽の光は少し赤くなっていた。

皆で歩いていると、こんな人里離れた所にある学校も良いなと思った。

空気は美味いし、風も心地よい。

セミの鳴き声が、今日は少し眠かった。

とにかく今日も楽しかった。

なんとなくみんなに感謝した。

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