遅刻遅刻~
気がゆるんでいたのか、疲れていたのか、理由はわからないが俺は寝坊してしまった。
って、理由はわかってるんだけどね。
期末テスト1週間前に入る前に勉強しておこうと、今朝まで勉強してたんだよね。
まあ去年まで先生だったし。
とりあえず俺は、勘違いとも言える思いで寝不足だった。
慌てて仕度をする。
まあ走れば教室まで5分もかからないし、予鈴が鳴るまでは大丈夫だ。
と、部屋をでた瞬間予鈴が聞こえてきた。
ドアの鍵をかけてない事に気がついたが、盗られる物も無いし、寮だし、俺は気にせず走った。
噴水のある中庭の横の道を、昇降口目指して一直線。
なんだか足は軽かった。
よし、大丈夫だ。
間に合う。
俺は心も軽くなり、精神的スキップで走り続けた。
そんな時だった。
左側の壁が切れる場所、左から何かが・・・
右にうけながせねぇ~
気がついたら俺はぶっ飛ばされて・・・
あれ?
とっさに体が反応して、その物体を受け止めていた。
達也「ネチョ~!ネチョ~?!」
受け止めたのは、よく知った顔の人物、チリちゃんだった。
チリちゃんは、ジャムのたっぷりついたトーストをくわえて走っていたようで、それが俺の制服にネチョ~っとついていた。
達也「チリちゃん、大丈夫?」
とりあえず俺はチリちゃんに声をかけた。
つーか、何故こんなベタなアニメ的展開が起こっているんだ?
心の中でチリちゃんフラグが立つところを想像した。
ああ、よく言われるフラグが立つって言葉、元々はプログラムのフローチャートでの分岐の時、0が1に、偽が真になる事を言う。
プログラムの観点から、ゲームルートが個別ルートに入った時などに使う言葉なのだ。
今回の場合は、俺は普通に高校生生活をエンジョイしていたのだが、パンをくわえたチリちゃんとぶつかったことで、チリちゃんとラブラブな高校生生活をエンジョイするルートへ行く権利を得てしまったって事になるのだろうか。
とにかくチリちゃんを抱きしめてしまっていたようなので、独り立ちさせた。
知里「あ、すみません。ちょっと遅刻しそうだったのでベタな事をしてみたい衝動にかられて、試したらホントにぶつかってしまって、って、あっ!達也ちゃん」
うむ。
チリちゃんいかしてるなぁ~こんなに混乱しちゃって。
和むなぁ~
俺はただただチリちゃんに笑顔を向けた。
って、遅刻しそうだったので?
達也「そうだ!遅刻だ!」
鐘が鳴っていた。
制服は真っ赤なジャムでベトベトだった。
ついでに瞼も重かった。
チリちゃんがどうしても洗濯するって言うから、2人で中庭の噴水の所にいって、そこでチリちゃんに洗ってもらった。
すぐになんとか先生に見つかって、チリちゃんはすぐに教室に行かされ、俺はその場で体操服に着替えさせられた。
体育があって良かった。
のか?
つかなんで中庭の噴水で洗濯?
流石チリちゃんw