ゲーム部始動
街人A「3つの鍵を集めれば、アルタイルの街に行くことができます」
街人B「川を渡るには、3つの鍵が必要です」
街人C「3つの鍵があれば、川向こうのアルタイルの街にいけます」
・・・
達也「なんじゃこりゃー!」
俺達ゲーム部は、今日はRPGゲームを作れるゲームで作ったRPGゲームを、みんなでプレイしていた。
大まかな設定とゲームバランスは、美鈴先輩がやって、同好会メンバーが別々に1クエストを作った。
そのクエストをプレイしている間は、制作者は口出し禁止。
今はきらら作成の部分をプレイ中だった。
知里「なにこれぇ~みんな同じだし、既に答えだよぉ~」
まこと「しかも街の人全てに話したけど、鍵の場所につながる情報が全くないよ」
達也「お?街を出た砂漠の真ん中に、オヤジが1人何故か立ってるぞ?」
知里「なんで砂漠の真ん中に人が1人?死んじゃうよぉ~」
きらら「ああ~それは砂漠が大好きなオヤジで、砂漠で暮らしてるんだよぉ~」
吉田「1人で?」
うらら「淋しいよね」
・・・
達也「まあ何にしても話しかけてみるか」
知里「だねぇ~」
砂漠オヤジ「3つの鍵がほしいのか?赤鍵は2ペソ、黄鍵は5ペソ、青鍵は5億円じゃ」
・・・
・・・
達也「ペソって何?5億円高くね?」
きらら「え~銀行でペソに換えれないの?」
美鈴「きらら作りなおし」
きらら「え~ん!」
今日もにぎやかで楽しいゲーム同好会、もうすぐゲーム部だった。
数日後、今日の活動は、いつもの部屋から離れて、ゲーム部専用の部室に移っていた。
活動内容は、部昇格のささやかなパーティー。
みんながお菓子やらジュースやらを持ち寄って、ただ騒いでいた。
ってか、結局部室の真ん中に置かれたテーブルに集まって、大双六大会だった。
もちろん自作の。
知里「やったぁ~チャンスカードだぁ~」
チリちゃんの止まったマスには、チャンスと書かれていた。
このマスに止まると、チャンスカードと呼ばれる、ゲームが有利になる行動が書かれているカードが引ける。
引いたカードに書かれている行動をその後行う事で、ゲームを有利に進めるられると言うことだ。
チリちゃんは早速カードを引いて、音読した。
知里「10マス進む。その後そのマスの行動に従わない場合、100ゲーム円支払う」
達也「お~!で、どうするんだ?」
うらら「てか、チリちゃん、100ゲーム円持ってないよね」
達也「てことは、10マス進んだ後、そこの指示に従わないといけないわけか」
みんなで10マス数えて、チリちゃんのピンクの駒を進めた。
わかっていたが、そこにはデスカードと書かれていた。
知里「あうぅ~」
10マス進んだ事でトップにたったチリちゃんだったが、その文字を読んで目に涙を潤ませた。
デスカードはチャンスカードの逆で、不利になる命令が書かれている。
チリちゃんはおそるおそるカードを引くと、ゆっくりと読み始めた。
知里「グランド10周して戻ってくるまで、ゲームに復帰できない」
・・・
誰だ?こんなの書いたのは?
この後結局知里ちゃんがビリになった事は言うまでもない。
で、ホントに書いたのだれだ?
知里ちゃんがグランドを走っている間にみんなに聞いたが、みんな否定していた。
部昇格パーティーが終わり、部屋の片付けをしていた。
第二コンピュータルームよりは少し狭いが、無駄な物が無いので、逆に広くなった感じだ。
中心にゲーム用テーブル、奥にはテレビゲーム用テレビ、左奥には1世代前のPCが1台。
あとは右奥に、いろいろぶち込んであるロッカーが1つだけの、すっきりした部室だった。
片づけが終わって、そろそろ帰ろうかとしたとき、舞がやってきた。
仕事が片づいたら来ると言っていたが、結局パーティーには間に合わなかった。
それでも来てくれた事で、ゲーム部の仲間なのだと感じて嬉しかった。
舞は
舞「明日から中間テスト1週間前だから、部活は基本休みです」
と言って、笑顔で手を振って部屋を後にした。
皆ため息をついた。
チリちゃんは膝を落とし俯いたまま、まだ息が荒かった。
チリちゃん自爆?