五里霧中 1
※ 古代においては蛇や蜥蜴や蛙なども「虫」と呼ばれていた
霧の中は真っ暗ではないものの酷く薄暗かった。中天の一番明るいところが太陽がある場所になるのだろうが、非常にうすぼんやりとしていて朧だった。「まるで五里霧中であるな」とサイカンは小声でボヤいた。
どれくらい歩いたのだろうか。足元がわずかに見える程度なのでいつも通りの大股歩きはできず、歩き方が自然と牛歩になる。もう四半刻ほども歩いたはずなのにどこかに辿り着く気配すらない。うすぼんやりとした明るさなので正午になったのか、まだ正午ではないのか、あるいは、正午を過ぎたのかすらわからない。
しかし、サイカンの武士としての本能が異変を感じ取っていた。何者かがこちらを見ている、ただ見ているのではない、あからさまな敵意を持った視線なのだ。
背後からの殺気を感じ取ったサイカンは反射的に瞬歩で前方にすばやく移動するや刀を振りぬきながら回転するように体を反転させ、襲撃者が何者なのかを確かめようとする。襲撃者は武装した兵士だった、いや、それを兵士と呼んでよいのか?それは顔の肉は腐って落ち、目玉も片方だけないような骸の兵士だった。その骸兵による上段からの斬撃だった。気付くのが数瞬遅れていたならばサイカンの体は縦に真っ二つに切り裂かれたであろう。しかも、その骸がまとっている鎧には何となく見覚えがあるような気がしたが、なぜかその理由が思い出せなかった。だが、サイカンにそんなことを考えている余裕は与えられなかった。
足元に何者かがうごめいている気配があるが、足元付近は霧で煙っていて見えないため、その霧の下に蛇や蜘蛛のような虫どもがうろついていても見えなかったであろう。この違和感の中、サイカンはとりあえず敵を討とうと剣の構えを変えながら間合いを図るために足をにじらせようとした刹那、足が何かに引っ張られて動きが止まった。背筋にゾッと冷たいものが通るような感覚が走った瞬間にサイカンは右側に振り返りざま剣をもたげると「ガキン!!」という鋭い金属の打音とともに右方向からの斬撃を受け止めていたのだった。正面の敵は動きが緩慢で、今頃、ようやく振り下ろした剣を上段に構える途中だった。しかし、今優先するべきは右側で剣を交えている相手だった。体勢を変えるべく剣を交えている相手の剣に自分の体重をかけると右足を強引に引き上げたサイカンは、自分の足に無数の手のひら大の蜘蛛がぶら下がっているのが一瞬だけ見えた。右手側の敵を正面に据えられるような位置に足をおろすと「グチャグチャグチャ」と大蜘蛛を踏みつぶす音と足元が滑る不快感が伝わってくる。
サイカンはそのまま敵の剣をいなして自分の体の左手に払いのけざま横薙ぎの剣戟を敵の首に当てた。すると、骸兵の首は跳ね飛んで行ったというのに骸兵の体は倒れることなく払われた剣を中段に引き戻しながら自分の方に向かって来ようとする様子だった。しかも、左手側からは先ほどの骸兵が太刀を上段に構え終わって突撃を始めていた。上段からの斬撃をまともに受けてはひとたまりもない。サイカンは間合いを取ろうと足に力を込めて2歩3歩と後退する。だが、その度に「グチャグチャグチャ」と蜘蛛たちを踏み潰す嫌な感覚があるし、何なら、何匹かが踵にとりついているような感触まである。このまま布地の薄い場所まで這い上がられて毒牙で噛まれたりしようものならたまったものではない。大太刀の先を自分の足に軽く叩きつけて足首から這い上がろうとしている小型の土蜘蛛の妖魔を潰して排除するのだった。
確認させてください。
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**1.「うすぼんやりとしあ明るさ」**
「しあ」は「した」の誤字と思われます。
- A)「うすぼんやりとした明るさ」に修正
- B) 原文のまま
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**2.「背後からの殺気を感じ取った雷蔵」および以降の「雷蔵」**
それまで「サイカン」と呼ばれていた人物が突然「雷蔵」になっています。同一人物として:
- A)「サイカン」に統一
- B)「雷蔵」に統一
- C) 原文のまま(意図的な使い分け)
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お選びください。
1,2ともAで(やばい、この時点ではまだ「サイカン」なのにネタバレを書いてしまった)
ありがとうございます。処理結果を出力します。
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**修正箇所まとめ**
- 「うすぼんやりとしあ明るさ」→「うすぼんやりとした明るさ」
- 「雷蔵」→「サイカン」に統一(3箇所)
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確認させてください。
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**1.「体勢を変えるべく権を交えている相手の剣に」**
「権」は「剣」の誤字と思われます。
- A)「剣を交えている相手の剣に」に修正
- B) 原文のまま
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**2.「右手の敵を正面に据えられるような位置に足をおろすと」**
「右手の敵」は文脈から「右側の敵」の意と思われますが:
- A)「右手側の敵」に修正
- B) 原文のまま(「右手」=「みぎて」として右側の意)
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**3.「払われた剣を中断に引き戻しながら」**
「中断」は「中段」の誤字と思われます。
- A)「中段に引き戻しながら」に修正
- B) 原文のまま
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お選びください。
1,2,3全てAで
ありがとうございます。処理結果を出力します。
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**修正箇所まとめ**
- 「権を交えている」→「剣を交えている」
- 「右手の敵」→「右手側の敵」
- 「中断に引き戻し」→「中段に引き戻し」




