時間厳守・四分間
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
マジでオチがありません。
曲聞いてたら、気持ちが高ぶって書いただけなので。
でも最後の言い回しが大好きです⸜(*˙꒳˙*)⸝
残酷な描写は多分ありません。多分……。
「四分だ。きっかり四分。それ以上はつまらない。乗らない。じゃあきっかり四分だろ」
口に三本のロリポップ。頭上を陣取る黒いヘッドホン。そんなファンキーな雰囲気に反し、清楚なブラウスとスカート、そしてピンヒール。余りにも不安定な格好の女は、俺を背追いやると、庇う様に前を陣取る。
目の前には得体の知れな生き物。溝のヘドロを煮詰めた何かが蠢いていた。女は数秒間それを凝視した後、徐にポケットに手を入れる。何かを操作したようだ。
「さぁ、始めっぞ!!」
女は獣の様に目をギラつかせ、踵で軽くリズムを取る。それから一瞬にして間合いを詰めると、踊る様な身のこなしで、腕を、脚を振り上げる。俊敏な動きに目が着いて行かないが、時折閃光の如く輝くものは刃物だろう。それを幾度となく相手の急所目掛けて突き刺していく。
ヘドロの方も負けては居なかった。その柔軟な腕を伸ばし、絡め取ろうと躍起になる。けれども女の動きに着いては来れず、結局空振りに終わる。
女は時折上半身を上下に小刻みに揺らし、目を閉ざす。その油断を縫って伸ばされた手。しかしそれを盲目のままに振り払った。
それからは一瞬。その白い脚でヘドロの体を薙ぐ様に切り捨てると、くるりと一回転。そして次の瞬間には核のような物が握られていた。それを何も言わずに握り潰すと、邪魔者の如く捨て去った。
「ん……良いね。まだ余韻がある」
女はそう言うと、犬歯を剥き出しにして笑った。
「さて、帰ろうか。若造」
帰り際、ほぼ人が乗っていない終電の中で、俺と女は隣同士に座っていた。女は死んだ目のまま無言を貫いていた。そして俺以外に人が居ないのを良い事に、またロリポップを口に咥えて脚を組む。時折顔を、背中を揺らしてリズムを取っている事からも分かる。気に入りの曲なのだろう。
「あの」
俺の声に気が付いて、ヘッドホンをずらす。
「さっきの四分って」
「あぁ、私の戦闘用BGM」
女はニヤッと笑って、首回りに纏わり着いたヘッドホンを引き抜いた。それからがぽっと俺の頭に嵌め込むと、満足そうに踵でリズムを刻む。
流れ出るのは歪んだギターとテクノ。そして急く様な男の英語。女の踵に合わせたビートを永遠に刻んでいる。確かにテンションが上がる曲ではあるが、理性諸共崩壊しそうな怖さがある。
「きっかり四分なのさ。そして連なる時間厳守の単語。ノロマなケツに火を付けるのにゃ丁度良い」
どうやら闘志を煽る為の四分間のようだ。
オマケ
「本当はさー……。純白のブラウスにアン・シンメトリーなスカートちゅー、御清楚保って、ベース鳴らすのが夢だったんよ。機材に片脚立てて、狂ったように体でリズム取って。口に三本のロリポップ咥えてさ」
「今からでも遅くないですよ」
「夢潰えた成れの果て。残った姿がこの私。救うのは四分間のBGMさな」
こんなお姉さん居たら好きになっちゃいます。
目に特徴がある。ギャップマシマシ。
お口も態度もそんなに良くない。超気だるい。大好き。
最近良く脳裏に現れるんですよ。
清楚な格好でベース弾き鳴らす。
ロリポップ三本咥えて、身体中でリズム刻んでる。
特に片脚上げて、貧乏揺すりしてるみたいな。
そして目ん玉死んでる!!
歌って欲しいけど、音痴なのを誤魔化す為に飴ちゃん咥えていると良いですね。
言い訳出来るように!!
バンドにわかなんで、違和感察したら目を瞑って戴けると。