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花火

作者: らん

新型コロナウィルスが流行りそろそろ3年経とうととしている。生活は除菌、除菌、除菌。集団行動が大好きだった人間たちは、三密を避けることを余儀なくされ、散り散りになってしまった。屋外では喋らなければマスクを外していいと規制緩和されたが、マスクを外すと白い目で見られる気がしてならない。誰も通らない道ですら、外すことを躊躇してしまう。全て変わってしまった。変化に富んだこの毎日に変わらないものなんてない。常識も価値観も何もかもが変わってしまった。人の想いでさえも、だ。リモートワークで家にいるのがストレスで離婚。ずっと一緒にいたいと思って結婚し、理由はあれだが、一緒にいれたはずなのに。

あーあ。ほんとにゴミみたいな世界だな。酒が入った缶をビニール袋に下げ、夜道を歩く。

「んー!もうちょっとこっち行ってみようか」

いかにも夕飯の準備をこれからする様なエプロン姿のお母さんと子供が僕をすり抜ける。コロナ禍なのにこんなに出歩いていいのか。しかもこんな時間に。

パーン

ドンッと心臓を打つような音がする。音が近づくに連れて人が増える。みんなが同じ方向を向いていることに気がつく。

「見えた!はなび!!」

そう、言い放ったのが耳に入った瞬間、僕は泣きそうになった。

あぁ。変わらないもの。見つけた。


お読みいただき、ありがとうございます。

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