表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
家出少年ルシウスNEXT  作者: 真義あさひ
ルシウス君、冒険者になる
27/156

お魚さんモンスターには秘密がありそうです

 なお、抱えてきたデビルズサーモンは、建物外の解体所を借りて脚をぶった切り、切り身にして食堂に納品することにした。


 ルシウスの故郷だと、川で獲れた鮭は皮以外は骨まで加工して美味しくいただくのだが、さすがにデビルズサーモンはデカすぎる。


 頭や、ハラスに相当する部分は脂の塊すぎて食べられそうにない。

 潔く、身の部分だけ切り身にしよう。




「あれ? 脚なくなっちゃった……」


 デビルズサーモンに生えていた二本の脚は、解体所の肉切り包丁でぶった切った瞬間、消えてなくなってしまった。


 本当なら魚切り包丁が良いのだが、ルシウスの背丈より大きなお魚さんなので、骨から身を切り離すまでは肉切り包丁のほうが切りやすい。


「あ、ヒレだ」


 作業台の上、デビルズサーモンの手前に、二枚の魚のヒレが落ちている。


「ふむ……」


 ヒレを指先で摘まんで、しげしげと眺める。

 ふつうの鮭のヒレだ。


「このギルドだと、お魚さんモンスターはぜんぶ魔石に変えて、資金源にしてるってギルマス言ってたな」


 もしかすると、二の脚がヒレに戻ることを、まだギルド側は知らないのかもしれない。


 この分だと、キモい二の脚は魚型モンスターのヒレ部分が、何らかの要因によって変化している。


「いや、させられてる、かな?」


 少し調査してみる必要がありそうだ。




「デビルズサーモンか。坊主、何か食いたいメニューあるか?」


 食堂に大量の切り身を納品しに行くと、料理人のオヤジさんがリクエストを聞いてくれるとのこと。


 いつも美味しいごはんを作ってくれる料理人のオヤジさんは、何と調理スキル上級プラス持ちだそうだ。

 道理でいつも美味しいわけである。


「サーモンパイ食べたいです」

「洒落たもん好きなんだな。どういうやつがいい?」


「おうちでは、塩胡椒した鮭入れて焼いたパイを、ブイヨンをきかせた赤ワインソースで食べてました!」

「了解。デビルズサーモンは大味だが、何とか作ってみるよ」


 さっそく今日のランチメニューにしてくれるそうだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ