第92話 絶品コース料理
俺達は食堂に着くと、テーブルの上には既に沢山の料理が準備されている。
まず、オードブルが用意されたが食べてみると凄く美味しい。どうやら女性陣が頑張って用意した食材に秘密があるようだ。
最初に気付いたダイド公爵が、近くいる調理ギルド員に聞く。
「もしかしてこの茸はカクレダケか、それにこの野菜は紫人参だな」
「はい、Aランクの食材で大変貴重であり、その中でも非常に鮮度が良い食材を使っています」
「そうだな。見つけることが大変で劣化するのもとても速い食材だが、今まで食べた中で最高の鮮度を保っており美味である」
この鮮度が保たれているのはアイテムボックスのお陰だな。
次にスープが運ばれてくる。
「美味いぞ。なんだこのスープは?」
ロバート侯爵が驚きの言葉を発すると調理ギルド員が答える。
「はい、こちらのスープはアダマンタイトタートルの肉と様々な野菜を煮込んで、別の鍋で高麗鳥の煮込んだスープと合わせて物になります」
「なんだと。AランクのアダマンタイトタートルとA+ランクの高麗鳥から取ったスープか、実に贅沢ではあるがとても澄んだ味で美味しい」
スープで身体が温まったところで、魚料理が運ばれてくる。
「まさか、この魚は!」
今度はクリド公爵が驚きの言葉を発すると調理ギルド員が答える。
「はい、バッカル湖に住む迷彩魚バッシーのムニエルであります」
「まさかと思ったが、やはりA+ランクのバッシーか。もの凄い速さで泳ぎ、鱗により周りの景色に溶け込み、敵の目を欺くため迷彩魚と名がついた。それに捉えることはもとより、見つけることがとても困難な魚だ。未だかつて一度しか食べたことがないが、まさかここで食べられるとは驚きだ」
若干、興奮気味のクリド公爵であるが、皆もあまりの美味しさにもくもくと食べている。
いよいよメインディッシュのお出ましだ。
「旨い!! これは何の肉であるか?」
発言を我慢できなくなった陛下が驚きの言葉を発すると調理ギルド長が答える。
「陛下に申し上げます。この肉はオリハルコンタイガーの肉でございます。ソースはバッカル湖で取れた塩と水の都産である豆油をベースにして調味料で味を調え、アクセントとしてオニオンチップを付けております」
「おおお」
「この料理は凄いぞ」
「いや、このコース自体が凄すぎる」
来賓者達から驚きの言葉が上がる。
「なんと、Sランクのオリハルコンタイガーの肉か。これだけ鮮度が良ければ最近討伐されたものだな」
そう言いながら陛下は俺の方を見る。
「まぁ、祝いの席であるので、誰が倒したかは聞かぬが……」
最後は元祖クレープが出て来てフィニッシュとなる。
俺は周りを見ると皆が料理に大満足しているようだ。
陛下は調理ギルド長を見る。
「調理ギルド長よ、大儀である。予はこの料理コースのレシピを白銀と名付け、王宮でも食したい」
「お褒めに預かるばかりか、レシピ命名を頂き有難き幸せでございます。しかし、このレシピの食材はほとんどがAランク以上の食材です。集めることが容易ではございません」
「うむ、確かにそうであるな」
陛下はそう言いながら俺を見る。
「ノワールよ。予はこの料理を王都でも食したいのだが素材を集めることができるか?」
「今回は偶然に食材が手に入りましたので、集めることは無理だと思います」
陛下は俺の目をじっと見つめる。
「そうだな。これだけの食材だ」
俺は陛下が『お前達ならば集められるような』と言われているように感じたが、ロック以外に上級クラスを取得できたのは秘密になっているので、敢えて出来るとは言わなかった。だって、出来ると言うと絶対に面倒くさいことになる。
◇
一通り食べ終わり紅茶やコーヒーを飲んで食後の休憩をしているとゴッズさんが俺に話しかけて来る。
「ノワール、俺はまだ食べたりないのだが、何か用意できないか?」
「それなら外で屋台や食事場所を用意しているぞ。そうだ、まだ空きがあるから鍋料理でも食べれば良いよ」
「それは助かる」
丁度良い時間になったので、俺はカイン達と一緒に外にいる再び参列者に挨拶すると、皆から祝福の言葉を浴びる。
『結婚、おめでとう』
俺はお礼の言葉を言いながら、ゴッズさんに鍋料理を説明する。
「ゴッズさん、これだよ」
「これが鍋料理か」
「まずは、こっちの豆乳鍋を試してみてくれ。その後、こっちのすき焼きも旨いぞ」
「不思議だな。スープに浮いた膜のような物は湯葉と言うのか。実に美味しい。それに、このすき焼きだが生卵と肉がこんなに相性が良く美味いことは驚きだ」
夢中で食べているゴッズさんを見つけた陛下が、ゴッズさんの隣で鍋料理を一緒に食べ始める。
「ノワールよ。この鍋料理はなんだ。旨すぎるぞ。先程の料理と一緒でAランク以上の高級食材を使っているのか?」
「陛下、違います。この鍋料理はボアやベアーの肉で庶民でも手に入る食材です。それに、豆腐は水の都で豆腐屋が作った物で、鍋料理も豆腐屋の女主人が考案したものです」
その話を後ろの方で聞いていたアクア公爵は驚く近寄って来る。
「なんと!! 水の都で庶民でも気軽に食べられる料理だったとは驚きだ。まさか私の領土にこれほどの料理があったとは…… これは是非に水の都の名物料理になるぞ。ノワール殿、豆腐屋の女主人への紹介状を書いて欲しい」
「わかりました。後程ロイドに渡しておきましょう」
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