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第9話 いざ、実践へ


 チュートリアルの最終段階と言うこともあって、今日からマーリンだけではなくトルクも姿を現した。


 なんだか二人ともやけに張り切っていると言うか、やる気が凄い。


「まずは装備だが、漢は黙って重装備だ。そう、お主にはフルメイルがお勧めだ」


「トルクの脳筋馬鹿はほっときなさい。貴方は魔導士の才能があるわ。私の弟子なのだからローブ系がいいわ」


「何を言っている。ノワールは儂が最初に教えたのだから儂の弟子だ。こやつは剣の才能があり剣聖以上の器だ」


「いいえ、賢者以上になる器よ」


 二人が言い争いをしているので装備が全く決まらない。ここは両方の肩を持って軽装備にするか。


 俺は小屋に入って装備を整えるのであった。


 まだ、言い争っているよ。



「おーい。お二人とも装備はこんな感じで良いか」


 鋼の剣、鋼の盾、鋼の帷子一式、

 狩人の弓、鋼の矢尻(100本)

 魔法士の杖(未装備)

 治癒士の杖(未装備)

 魔法士のローブ(未装備)

 治癒士のローブ(未装備)

 収納袋(背負いバック10個分の荷物が入る)



 俺の装備を見るトルクとマーリンの視線が痛いが、二人はしばし考え込むと頷く。


「さて、腕試しに狩りにいってくるよ」

「気を付けるのよ。危ないと思ったらここへ直ぐに逃げ帰ってくるのよ」

「ああ、そうするよ」


 初めて結界から出た俺は、中腰でやや屈みながら森を進むが、森は木々が押し茂っているせいか、思った以上に視界が悪い。



 しばらく進んで行くと意気なり横の草むらから黒い影が飛び出してくる。


「うおぉ!! ホーンラビット(一角ウサギ)だ」


 回避が間に合わない。


 俺はホーンラビットの額にある大きな角での攻撃を脇腹に受けてしまう。


「ぐおっ、いきなりやられた」


 俺は急いで角が当たった脇腹を確認する。


 あれ? 赤くなってはいるが、ほとんど無傷だ。それにあまり痛くない……


 ホーンラビットは俺が無傷であることを確認すると、脱兎の如く逃げて行った。


 驚いた。

 でも、なぜこんなかすり傷程度だったのか。もっと、血がドバーって出るぐらいの傷かと思ったのだが。


 しばらく考えていると、俺はトルクとの訓練でこの世界がレベルに依存していることを思い出した。


 俺の強さはランクでD+相当だ。対するホーンラビットはランクがF相当だ。このランク差では傷を負わせることは難しい、更にスキルも使えば負けることはない。


 あっ、スキルを使うことを忘れていた……


 何のためのチュートリアルだったのか、完全にやらかしてしまった。



 落ち着いて考えよう。


 まずは、マッピングだ。

 俺の視界に透けるように周辺地図が表示される。


 地図は考えるだけで拡大縮小ができ、今までいた小屋や遠くの町や街道等が書かれており、青色が人や獣人等で赤色が魔獣で表示され、鑑定スキルによりどんな魔獣であるかわかった。


 次は気配察知だ。


 気配察知のスキルを使った途端に、あんなに視界が悪かった森の中を鮮明に見ることができた。これがスキルの力で、今までは雲泥の差だ。


 よし、これならいけるぞ。

 近くにいる魔獣を狩ってみる。

 おお、早速ホーンラビットを三匹発見する。


 俺は気配を殺して矢を放ち一匹目を倒すと、素早く間合いを詰めながら抜刀すると一匹は逃げたが、もう一匹は俺に角を向けて突進してくる。


 意外と遅いな。

 さっきは気が動転していたので早く感じたが、落ち着いていればこんなものか。


 ホーンラビットの突進に合わせて横腹に剣を刺すとホーンラビットは絶命した。


 うーん、意外と手応えがないな。


 まぁ、今日は小手調べだから帰って寝るか。




 俺は早々に小屋に帰るとアイテムボックスに気になるメニューが追加されているので操作してみる。


 まずは、先程収納したホーンラビットのアイテムを選択して、出てきたメニューで整頓を実行した。


 おお、整頓すると自動で解体ができるのか。


 収納にホーンラビットの死体がなくなり、代わりにホーンラビットの角と毛皮と肉が収納されていた。


 これは楽だな。


 改めてスキルの便利さを実感するのであった。


 よし、大体の感じは掴めたので、ここからは本格的にレベルアップを目指し、その結果とした結構な量の魔獣を狩るのであった。



 ホーンラビット    F       10匹

 ボア         E       10匹

 コボルト       E        5匹

 ウルフ        E       10匹

 ゴブリンファイター  D        5匹

 ゴブリンアーチャー  D        2匹

 ゴブリンメイジ    D        2匹

 グレートボア     D        1匹

 キラーベアー     C-       1匹



 我ながら沢山狩ったな。

 それに、最後の格上であるキラーベアー(殺人熊)との戦いは自分でもヤバイと思った。


 身体強化のスキルは使って素手によるタイマン勝負。


 キラーベアーの両手攻撃をステップで交わし、腹パンで動きを止めて、最後は連撃からの重撃破によるコンボが決まった時は気分爽快だった。


 それからレベルアップしてクラスが全て27になった。


 本来ゲームのように同じ強さか格上が相手でないと少ない経験値しか入手できないが、オリジナルスキルの10と1/10によりで経験値が100倍、まさに爆速成長のチート技だ。


 今や俺の強さは冒険ランクではCーだ。


 俺は一般的冒険者が10年以上の歳月をかけるレベルまでわずか3か月で到達したことになった。


 第一  魔法戦士   レベル 27

 第二  戦士     レベル 27

 第三  狩人     レベル 27



 スキル

 鑑定、マッピング、全言語理解、アイテムボックス、ステータス隠蔽、

 剣技C(連撃、重撃、真空刃)、拳技C(連撃、重撃、真空刃)、

 弓技C(乱れ撃ち、一点集中、砲射)

 全属性攻撃魔法C、回復魔法C

 威圧C、挑発C、身体強化C、ためるC、気功回復C、集中C、隠密C、

 気配察知A、調理D、痛覚耐性A、恐怖耐性A、再生A、MP再生A、

 限界突破、根性、状態異常耐性、全属性耐性

 無詠唱、多重詠唱、複合魔法、魔力操作、魔法消費半減

 マジックキャンセラー



 ここに来た時より、凄いスキルが増えたな。

 これだけスキルがあれば、この世界でも簡単には死なないだろう。




 最後の日の朝、家から出ると既に皆が待っていた。


「おはよう。トルク、マーリン、あれ? 残念女神って名前は何て言うの?」

「それ、今になって聞くの? フロリナートよ」


「ふ―――ん」

「何よ、その反応は」


 トルクとマーリンは苦笑い。


「ところでノワールよ。旅立ちの準備は出来たか?」

「ああ、出来たぞ」


「それは良かった。ここで学んだことを活かして、大いに楽しみ長生きするが良い」

「そうよ。折角、二度目の人生なのだから楽しんでね」


「それと、儂が教えた奥義はあまり人前で披露するなよ」


「そうよ、私が教えた魔法もだめよ、だってね、普通はAランクでも身に付けることが難しい魔法もあるので怪しまれるわよ」


「そうじゃぞ、特に権力者の前では控えることじゃ、権力者は自分にはない力を欲するのでな」


「ああ、気を付けるよ」


 剣聖トルクと賢者マーリンからの言葉だ。自分達の経験を踏まえて、俺にアドバイスしてくれたのだろう。


「ノワール君」

「ん? 何だ、残念女神」


「えーと、貴方には言ってなかったけど、貴方のランクや知名度が上がることで、私は女神会でのランクも上がるの…… だから……」


 もじもじする残念女神。


「ああ、わかったよ、残念女神から卒業できるように頑張ってみるよ」


「ありがとう、私のランクが上がれば貴方に再び会えるようになるから、その時は期待してね」


 こうして皆と言葉を交わして別れの時がきた。


「じゃー 行ってくるよ、皆ありがとう!!」


 俺が結界の外にでると皆や小屋などが消えていった。


 俺は皆が消えるまで手を振って別れを惜しむのであった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] ノアールなのかノワールなのか主人公の名前はハッキリさせてください。 敬語とタメ語が混ざってて違和感を感じることが多い。 スキルに関しては(魔力消費半分)よりも(魔力消費半減)の方がいい…
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