第87話 準備完了
「ノワールさん、お願いがあります。この鍋のレシピを使っても良いですか? このレシピがあれば、きっと皆が喜んで豆腐を買ってくれるはずです。私はもっと皆に豆腐の良さを知ってもらいたいし、豆腐作りに必要なにがりを作ってくれる人に恩返しがしたいの」
なぜか、キャラさんは最後の方を言う時に顔を赤らめる。
「その恩返ししたい人ってどんな人だ」
「はい、私の幼馴染で私が豆腐を作る時にこのお店や苦汁を手伝ってくれた人で、そのぅ…… 大切な人です」
これは、なんとしても協力しなくてはいけないな。
「使ってくれ。その大切な人のために頑張らないとな」
「はい、有難うございます」
俺はキャラさんにレシピを教えて終わるとミスリル貨を一枚渡す。
「ノワールさん、昨日も金貨を一枚貰っていますので、今日も一枚だと多過ぎます」
「ん? それは金貨じゃないぞ」
「これはミスリル貨ではないですか!」
「俺はコートダールの結婚式でこの鍋料理を出す。絶対に評判になるし、新レシピだから料理ギルドも販売権で騒ぎ出すだろう。そこで、販売権はキャラさんが取得してくれ。俺はキャラさんからレシピを教わったというから」
「えっ、私に販売権を…… それでは私だけが儲かってしまいます」
「俺が勝手にやったことだから問題ない。その代わりコートダールから俺の紹介で豆腐の作り方を教わりにくる者が来たら、豆腐の作り方も含めて教えてやってくれ。それに鍋料理の販売許可権も与えてくれ」
「わかりました」
「あと、その金で道具と店を拡張してくれ。しばらくすれば、この二種類の鍋料理を食べに人が押し寄せるからな。今の内に道具を揃えたり、店員を雇って準備してくれ」
「はい、ノワールさん。色々とありがとうございます」
「ああ、がんばれよ」
さてと、結婚式で来賓用の料理は女性陣が用意しているから、お世話になっている人達を招待して、教会の広場にテーブルを設けて、この鍋料理で楽しんで貰えればいいな。
俺は龍気によるドラゴンウィングでカザト邸に向かうのであった。
「ただいま、ルミア」
「お帰りノワール君。カインから聞いたわ。ネックレスをありがとうね。それに、見て」
ルミアを見ると龍気を扱えるようになっている。どうやら、カインに教わったようだ。
「凄いな。俺も見て、いや食べてほしい物がある」
俺は豆腐屋のキャラさんのことを話し、夜に戻ってきたロイドも含め皆で鍋料理を食べる。
「ノワール君、これ美味しいわ。この湯葉と言う食べ物の触感が堪らないのよね」
「そうね、それにお肉を卵と一緒に食べるとこんなに美味しいなんて初めて知ってわ」
豆乳鍋とすき焼きの感想を言う、ルミアとナシャに加え皆にも大好評だ。
「ノワールさん、ちょっとよろしいですかな?」
「はい、カザトさん。どうかしましたか?」
「この二種類の鍋料理ですが、私が知る限り新レシピになります。レシピの販売権はどうされますか?」
「実は販売権は水の都で豆腐屋のキャラさんに譲りました」
「そうですか。クレープの時のように取り扱えると思っていたのですが残念です」
「でも、俺の紹介で豆腐の作り方や鍋の販売許可権を与えて貰うようにしたので、誰かいれば推薦することができます」
カザトさんはしばらく考える。
「バルク、人選を頼むぞ。マラッカス商会の流通経路を活かして、この町にも豆腐が作れるようにするぞ」
「わかりました」
それからしばらくして水の都に向かって、若者達が旅立つのであった。
「皆、俺は合同結婚で教会内の来賓者以外に、この町でお世話になった人を教会の広場に招待して、この鍋を振る舞いたいと思うがどうかな」
「ノワール君、賛成よ」
カイン達も賛成してくれ、カザトさんが町の人に伝えてくれることになった。
その後、俺達は調理ギルドに食材の調達や大勢の人に鍋料理を提供することを依頼して、合同結婚式に向けて準備をするのであった。
凄い結婚式になるぞ。食事はどれも最上級品だし、調理ギルドもBランク以上の調理人達を用意してくれたと言うよりは、食材を見せると調理ギルドから是非やらせてくれと頼まれたくらいだ。
既に裁縫ギルドのは、ウェディングドレスやタキシード等の準備は完了している。それに、木工ギルドでは、テーブルや椅子等を用意してくれることになっている。
さて、準備も完了したし、盛大な合同結婚式になりそうで楽しみだ。
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