第77話 久しぶりの再会
「ノワール君。でも、合同結婚式って結構用意が大変よ」
「まぁ、そこは困った時のカザトさんに頼んでみよう」
「そ、そうね」
そう言うことで俺達はカザトさんのところへ向かった。
「ノワールさんではないですか? お久しぶりです」
「ジェフさん、ご無沙汰しています」
ジェフさんは、快く俺達を屋敷の中へ迎え入れてくれる。
「旦那様、ノワールさん達がお見えになっております」
久しぶりにカザトさんに会い、雑談しながら客室に行くとシェリーさん、ソアラちゃん、バルクさんが既に待っていてくれた。
「みなさん、お久しぶりです。お変わりないですか?」
「はい、お陰様で。シェリーさん、それにしてもお腹がお大きくなりましたね」
「ええ、来月には生まれそうよ」
うん、カザトさんとシェリーさんは幸せそうだ。
「ところで、今日はみなさん揃ってどうされましたか?」
「はい、カザトさん。実は俺達合同で結婚式を挙げることになりまして、お世話になっているカザトさん達へ報告に来ました」
「それは、おめでたい」
俺が合同結婚式の報告をすると、カザトさん達は大変喜んでくれた。
「それでお願いがあって、マラッカス商会で俺達の合同結婚式の準備を、手伝って貰えないでしょうか?」
カザトさんが、しばらく考え込む。
「みなさん、有り難い話ですが、私は妻が来月出産を控えていますのでお役に立つことができません。しかし、代わりにバルクならきっとお役に立てるでしょう」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
俺が返事する前にルミアが返事する。
それからと言うもの女性陣の独壇場で、俺達男性陣は蚊帳の外である。
「ノワール君。そう言えば結婚式を挙げる教会は、どこにするの?」
ルミアの問いかけに、ナシャ、アンナ、なぜかソアラちゃんまでもが俺を注視する。
「もう決めているぞ。セーラさんの教会にお願いしようかと思っている」
俺が教会のことを言うとソアラちゃんが説明してくれる。
「流石はノワールさんです。あの教会は先月改装工事が終わったので良い感じになっています。セーラさんの話ではマスクとクレープの販売権料と、今まで支給されていなかった助成金が支払われたこともあり、改装できたそうです」
助成金はバンク男爵が着服していたが、ロバート侯爵により支払われたようだ。これで教会の経営も安定するだろう。
「それと改築改装工事に合わせて、新しい神父様も着任されました」
「そうですか、それは良かった」
「ノワール君、もう予約はしてあるわよね?」
「いいや、これからだよ」
「!!!」
「早くセーラさんのところに行ってきて!」
「そうよ、カインもいって!」
「ロイドもよ!」
半ば怒られるような感じで、俺達は教会へ向かうのであった。
俺達が教会に着くと一人の男が駆け寄ってくる。
「ノワールさんじゃないですか、お久しぶりです」
「ジェイドか、元気にしていたか?」
「はい、セーラさんを呼んで来ますので、待っていてください」
待っている間、教会を見ると改築されており、すっかり綺麗になっている。教会の池も水が綺麗で花が咲いており、魚が優雅に泳いでいる。
あの古ぼけた教会と臭い池だった昔のことを思い出すと雲泥の差だ。
そんなことを思い出しながら待っていると、ジェイドがセーラさんと手をつないで少し照れながら向かてくる。
なるほど、そう言うことか。
ジェイドは元盗賊だったが、心を正して今ではセーラさんといい感じのようだ。
「ノワールさん、お久しぶりです。この教会を見てください。すっかり綺麗になりました。これも助成金や販売権のお陰です。ノワールさん、ありがとうございます」
ジェイドとセーラさんが一緒になりお辞儀をする。
「販売権のことは、俺が勝手にやったことなので気にしないで下さい。これにここまで出来たのはセーラさんの信仰心による物だと思いますよ。それにジェイドもいて心強いでしょう」
「はい、ありがとうございます」
セーラさんは照れながらも、満面の笑みで応える。
「セーラさん、今日はお願いがあって来ました」
「はい、ノワールさんのお願いであれば大歓迎です」
俺達はこの教会で合同結婚式を挙げたいことや誰と結婚する等をセーラさんに伝える。
「おめでとうございます。お役に立てて嬉しいです。丁度、神父様も着任しましたので、結婚式を挙げることは大歓迎です」
合同結婚式ができることがわかったので、俺達が喜んでいると
「でも、ちょっと問題がありまして……」
「どうした?」
「実は教会の上にある鐘も改築したのは良いのですが、吊るし上げる滑車が壊れてしまっていて、修理には三か月かかるのです」
「なぁ、カイン。やっぱり結婚式で教会の鐘が鳴らないと不味いよな?」
「ああ、不味いよ。ムードがでないとかで、ナシャが怒りそうだ」
「そうだな、アンナもだよ……」
「あのぅ…… みなさん。鐘は既にあるので、吊るし上げることができれば設置はできます」
「なんだ、それなら話が早い」
俺達は、鐘が保管されている所に行くと鐘を一気に持ち上げた。
「えええ!? その鐘は王都内でも有数の大きさを誇り、重さは三トンあるのですよ」
今や俺達のステータスでは、一人でも三キロぐらいにしか感じないな。
「よし、カイン、ロイド。ペガサスウィングで飛ぶぞ」
「おおお」
俺達はペガサスウィングで鐘を持ち上げながら飛び、無事に鐘を設置するのであった。
俺達が鐘の設置を終えるとセーラさんとジェイドだけではなく、教会の関係者からお礼を言われるのであった。
「よし、これで準備ができたぞ。カザトさんの所に戻ろう」
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