第7話 奥義を放て!!
昨日の夜は、トルクとドラマの話が盛り上がったため、確認ができなかったアイテムボックスの使い方を確認してみる。
「アイテムボックス」
ステータス画面と同じようにアイテム画面が、目の前にポップアップする。
見た目はゲームの画面と同じだ。
アイテム別の整頓や所持金などのメニュー以外に、鑑定スキルのおかげでアイテムの説明文まで表示できるようになっている。
試しにポーションを収納してみる。
「収納、取り出し」
あっさりとポーションは収納され、直ぐに取り出すことができる。
俺は部屋に置いてあるポーション類をアイテムボックスに次々と入れてみる。
ポーション 20個
ハイポーション 20個
マキシマムポーション 10個
神水 3個
最上級品であるマキシマムポーションや伝説級の神水は、上限値が決められているのか?
これ以上は収納することができない。
まぁ、いいか。よし、他のアイテムを片端から収納してみよう。
収納袋 3個(リュックサック10個分を収納可能)
ポーション 20個(大銀貨1枚 一万円)
ハイポーション 20個(大銀貨5枚 五万円)
マキシマムポーション 10個(金貨50枚 五百万円)
神水 3個
エナジーポーション 20個
魔力ポーション 20個
ハイ魔力ポーション 20個
マキシマム魔力ポーション 10個
毒消し 20個
麻痺消し 20個
万能薬 10個
包帯 20本
衣類一式 7式
携帯食 20食
水 50L
テント 3張り
毛布 5枚
タオル 10枚
携帯調理器具セット 3式
ミスリル貨 1枚(1枚 一千万円相当)
金貨 10枚(1枚 十万円相当)
大銀貨 10枚(1枚 一万円相当)
銀貨 10枚(1枚 千円相当)
銅貨 10枚(1枚 百円相当)
ははは、これだけあれば夜逃げしても当面は暮らしていけるな。
あとは、武器防具だが、これはトルクに聞いてから揃えることにしよう。
さて、アイテムボックスの確認は終わったし、今日はもう寝よう。
翌朝、朝食を済ませると丁度良くトルクが現れる。
「今日もノワールは元気があって良いのぅ。儂も久しぶりにこの世界に来られたし、儂の技を次の世代に伝授できるのはうれしい限りだ。さてと、時間は限られている。ノワールには儂が持っている全ての技を授けよう」
「お願いします」
「最後の極意は武技だ」
「武技?」
「そう、ノワールのステータスには剣のスキルがない。それは武技を習得していないためだ。武技は長年の経験から覚えることもできるが、ノワールのオリジナルスキルがあれば直ぐに習得できるだろう。さあ、剣を構えよ。基本からしっかりと教えてやるから身体で覚えよ」
まずは、俺はトルクの動きを模倣する。
トルク曰く模倣することが最短で武技を身に付けられるそうだ。
こうして、一週間過ぎると俺は様々な武技を身に付ける。
「よし、そろそろ良い頃合いだ。武技が備わったはずだ。ノワールよ、ステータスを確認してみろ」
「ステータスオープン!!」
スキル
剣技D(連撃 、重撃、真空刃)new
鑑定、マッピング、全言語理解、アイテムボックス、ステータス隠蔽
挑発D、身体強化D、ためるD、気功回復D、集中D、隠密D、威圧D
調理D、痛覚耐性A、恐怖耐性A、再生A、限界突破、根性
剣技がDランクで、括弧してあるのが武技か。
僅か一週間で身に付けられるとは凄い。だが、考えてみれば100週間も最高の先生に指導を受けていれば当然だ。
「ノワールよ。教えた武技は基本だ。応用の武技はいくつもあるぞ。どのような武技があるかはノワールで確かめるがよい」
「ん? 教えてはくれないか」
「何を言っている。もう、剣技を教える時間はない。それに自分で発見した方が面白いだろ。ゲームの世界と一緒だ」
「そうだな。危うく指示待ち人間のように自分では何も出来なくなるところだったよ」
俺は無難に生きていきたいと考えていたが、楽しむことを忘れていたようだ。
2度目の人生だ。思いっきり楽しんでこの世界を満喫しよう。
「さあ、ノワールよ、剣を構えよ。ここからが我が奥義を授ける」
「奥義!?」
「奥義とは、武技とスキルを同時に発動する技で、相乗効果により攻撃力が格段にアップする。ノワールならばできる筈だ。闘気を纏い、スキルを発動してから武技を放ってみろ」
俺は全身に闘気を纏い、剣にも纏わせるようにイメージをすると剣が輝く。
「よし、今だ。儂に打ち込んでみろ」
「いくぞ!! 身体強化、ためる、集中、そして武技 重撃!!」
『ドゴォォォーン』
剣圧の衝撃により地響きがおき、土煙が舞い上がる。
トルクは俺の剣を盾で受け止める。
「見事な10倍撃だ」
「これぞ我が奥義 剛重撃破斬だ。一時的ではあるが攻撃力はBランク相当だぞ」
「凄い技だ!!」
「ははは、当然だ。よし、残りの拳技、弓技もやるぞ」
一通り拳技と弓技を教えて貰ったところで、俺は自分で考えた拳技を試してみる。
まずは闘気を纏いスキルを発動する。
そして、震脚を行い、更に拳にも闘気を纏い一気に大樹へ武技である重撃を放つ。
すると、直径三メートルはある大樹を貫通して裏側が拳大に弾け、後ろにある木々をなぎ倒す。
「できた!! 鎧通し」
俺のことを観ていたトルクが驚愕していた。
「阿呆か!! それは拳王の奥義のひとつ不知火破撃だ」
「そうなのか?」
「お前の発想力には驚きだよ……」
奥義を身に付けた俺のレベルはさらに上昇していた。
クラス
第一 戦士 レベル 24
第二 拳闘士 レベル 24
第三 狩人 レベル 24
スキル
鑑定、マッピング、全言語理解、アイテムボックス、ステータス隠蔽、
剣技D(連撃、重撃、真空刃)、拳技D(連撃、重撃、真空刃)new、
弓技D(乱れ撃ち、一点集中、砲射)new
挑発D、身体強化D、ためるD、気功回復D、集中D、隠密D、威圧D、
調理D、痛覚耐性A、恐怖耐性A、再生A、限界突破、根性
トルクは俺の実力がD+ランク相当だと言うが、比較する相手がいないので実感がない。
「良いか、ノワールよ。これらスキルや武技は単純に発動するのではなく、メリハリが必要だ。なぜならば、常に発動するよりメリハリをつけることで長く強く維持することができる」
「わかった。メリハリを付けることを意識してやってみるよ」
「ノワールよ。これで教えることは全てだ」
「ありがとう。これでわかったよ。習得できたのは俺のオリジナルスキルのお陰だ。10と1/10では通常の100倍で習得度が上がるからかな」
トルクが首を横に振って、俺が言ったことを否定する。
「ノワールよ。それは違うぞ!! 儂の剣は如何にスキルがあっても容易に習得できるものではない。ノワールの向上心により成しえたものだ。誇ってよいぞ」
「ありがとう、トルク。これでこの世界でも生きて行ける自信が付いたよ」
「そうか、よかったな。儂も自分が極めた奥義を、若者に伝承することができて満足だ」
「ははは、若者って言っても中身はおっさんだ」
「そうだな、ははは」
「さてと、参るか」
そう言い残すと剣聖トルクは、家の中に入ると当然明るく光り、姿を消すのであった。
「あっ、やべえ、装備について聞くのを忘れた」
でも、なんとなくだが、俺はトルクとはまた会えるような気がするのだった。
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