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俺だけのオリジナルスキル10と1/10の世界 ~転生したので異世界生活を満喫します~  作者: 月詠 神路
第5章 王都決戦

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第68話 ラムズ侯爵家の再建


 昨日の夜に、俺はルミアとラムズ侯爵について話していた。


 きっと、これからのことを考えると、陛下は俺達を取り込むために策を講じ、俺達が断れない状況を作るだろう。だから、どうせ取り込まれるのであれば、報酬としてラムズ侯爵家の再建について話すことを決めていたのである。


「ノワールよ。ラムズ侯爵家の再建は、どのようにするのだ?」

「陛下、まずはラムズ侯爵と話がしたいです」


 ――さて、どうしたものか。ノワールは信頼できるだが、ラムズ侯爵家の再建となると。まぁ、既にノワール達は、予に取り入れたので問題ないとは思うが、ここはノワールの出方を見るか。


 陛下は部屋の外にいる親衛隊にラムズ侯爵を連れてくるように指示を出すと、しばらくして王宮内で養生していたラムズ侯爵が部屋の中へ入ってくる。




「陛下、お呼びでございますしょうか?」

「うむ、ラムズ侯爵よ。身体の調子はどうだ?」


「はい、王宮内の救護班による手厚い介護を受けましたので、回復することができました。明日からでも領主して復帰することができます」


「それは良い。しかし、其方が復帰したとしても、今後のラムズ侯爵家はどのようにするのだ?」


「はい、今後については、養生中に考えておりました。私の息子だったワキトはいなくなり、世継ぎがいなくなりました。このままでは次期領主が不在であるため、領民も心配するでしょう」


「予も懸念するぞ。それで如何する」

「陛下の推挙にて、養子を向か入れたいと存じますが……」


 言い難そうに黙るラムズ侯爵。


「どうかしたのか、申してみよ」


「はい、実はワキトを養子にする前に、私には身分が違いますが愛する者と娘、そしてこれから生まれてくる息子がおりました。しかし、パラサイトグレートデーモンの洗脳には勝てず、私はその者達を屋敷から追い出してしまいました。唯一、救いだったのは十分なお金や住居等を与えることができ、息子が生まれ愛する者が亡くなっても、信頼できる人物に息子を預けることができたことです」


「それならば、その人物に会いに行き、娘と息子を見つけ出せばよかろう」


「それがパラサイトグレートデーモンの洗脳により、預けた相手が記憶から消されました。また、ワキトの事を恐れ、相手には絶対に他言しないように話しました。そう、それが私からの命令であっても話すことはなく、それ故に探し当てることは無理でしょう」


「ノワールよ、其方への報酬はラムズ侯爵の娘と息子を探すことを、予に支援するようにと言うことか?」


「いいえ、そうではありません。実はラムズ侯爵の娘と息子は、ここにいます」

「それは誠か!」


 一同がお互いを見る。




「ラムズ侯爵、失礼ながら身体のどこかに蝶のようなアザがあるのではないでしょうか?」


「そうだ。代々我がサイド家の血縁には、何故か蝶のアザのようなものが、身体のどこかにできるのだ。どうして、それを知っているのだ?」


「では、娘さんや息子さんにもあるのではないでしょうか? そして娘の名はルミア、憶えていませんか?」


「ルミア、懐かしい。記憶のどこかで聞いた時があるが…… ぐぉ、頭が……」


 カイン達がルミアの方を見るので、陛下達も注視する。


「お父様、私が娘のルミアです」


 ラムズ侯爵は頭を抱えながらルミアの方を見ると、ルミアが右肩にある蝶のようなアザを見せる。


「おおお」

「なんと!!」


 皆が驚く。


「もう少しで思い出せそうだが…… パ、パラサイトグレートデーモンが……」



「今こそ、パラサイトグレートデーモンの呪縛に打ち勝つのです。ルミア、ナシャ、手伝ってくれ!」


「はい、ディスペル × 2」

「よし、いくぞ! 忍法 退魔の術」


 俺達の魔法と忍術の効果によりラムズ侯爵の身体は光に包み込まれると、頭から黒い煙の塊が出て消える。


「全てを思い出した……」




 ラムズ侯爵は、清々しい顔付きで話を始める。


「君達、本当にありがとう。25年間の支配から解放され、なんて清々しい気分だ」


 ラムズ侯爵は大きくゆっくりと深呼吸すると、陛下の前に跪く。


「陛下、ラムズは只今戻りました。これからも陛下に忠誠を誓い、陛下と領民のために尽力を尽くす所存でございます」


「ラムズ侯爵よ、よくぞ戻られた。これからも頼むぞ」

「はっ! 有難きお言葉」


 ラムズ侯爵は、目に涙を溜めながらルミアの方にゆっくりと近づいてくる。


「ルミア、大きくなったな。母さんに似てとても綺麗だ」

「お父様!」


 ルミアはラムズ侯爵の胸に飛び込んで泣き、ラムズ侯爵がやさしく抱擁する。


 皆が感動に浸っている中、陛下は誰よりも号泣している。


「よかったな。予はこう言った話に弱いのだ」


 しばらくの時間、ルミアとラムズ侯爵は抱き合っていたが、ラムズ侯爵が思い出したようにルミアに話す。


「そうだ、我が息子はどうした? ルミアよ、息子の名前を聞いていないか?」


「お父様。私は祖母のカイヤ婆様からは聞いておりません…… お父様は思い出されたのではないですか?」


「私は親友で木こりのロペスに息子を預ける際に、息子の名前をワキトに知られたくなかったので、ロペスが名付け親になってもらったから知らないのだ」




「ロペス!!」


 ロペスの名を聞いたロックが驚いて話す。


「ラムズ侯爵、私の父の名はロペスです」

「ま、まさか……」


「そのまさかです。ロック、右胸にあるアザをラムズ侯爵とルミアにみせてやれ」

「はい、ノワールさん」


 ロックは上着の前を開け、右胸にある蝶のようなアザを見せる。


「お父様、私はそこアザに見覚えがあります。まだ、弟が赤ん坊だった時に見たアザと同じものです」


 ラムズ侯爵は、震える手でロックの手を掴むと力強く抱き寄せる。


「まさか、私の息子が生きていようとは。それも、こんなに立派になって……」

「ち、父上……」


「ロペスからは、なんと聞いていたのだ?」


「はい。父からは、私の本当の親は貴族だが詳細は話せない。しかし、立派な貴族であるからお前も誇りを持って生きろと。それに父はお金をどのように工面したのかわかりませんが、私を士官学校に入れてくれて、領主様にお仕えしろと。そうすればいずれ真実がわかると」


「そうか、私の判断は間違えていなかった。ロペスに任せて良かった。それで、ロペスは元気か?」


「父は5年前に森へ木を伐採に行った際に魔獣に襲われて亡くなりました。傷は大したことがなかったのですが、当たりどころが悪くて、私が士官学校から父の所に着いた時に丁度息を引き取りました。父の最後の言葉は、領主の力になれと言う言葉でした」


「最後まで話してくれてありがとう。帰ったら母のキミアとロペスに立派な墓を一緒に建てよう。それからカイヤさんにも一緒に会いに行こう」


 話を聞いていた陛下は、涙腺が崩壊するのであった。


「ぐぇ――ん」


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