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俺だけのオリジナルスキル10と1/10の世界 ~転生したので異世界生活を満喫します~  作者: 月詠 神路
第5章 王都決戦

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第65話 三つの願い

 

 謁見の間にいる全ての者が、陛下と俺達を見る。


「冒険者 白銀の翼よ、この度は大儀であった。其方がいなければ予の命もどうなっていたかわからぬ。それゆえ特別な褒美を与えよう。爵位であれば子爵、金銀財宝であれば我の宝物庫に案内するぞ。さぁ、望みを言うがよい」


 上級貴族からは驚きの声があがる。


 俺は陛下に答える。


「恐れ申し上げます。三つの願いがあります」


「なんと三つも願いがあるのか。まずは、話を聞こう」


「一つ目の願いですが、俺達は冒険者なので自由に暮らしたく、今回の件で名前やパーティー名を公表しないでほしいです」


 俺は真っすぐに陛下の目を見据える。


 ――こやつ予を試すつもりか。


「わかった。皆の者よ、聞くが良い。今回の件で、名前やパーティー名を公表せず、また白銀の翼を貴族や軍に取り込むことを禁ずる。白銀の翼は、自由な冒険者であることを予が宣言する」


 貴族のみならず、騎士団からも驚きの言葉があがる。


「陛下、ありがとうございます。二つ目の願いは、俺達にロイヤル騎士団ゴッズ隊長の怪我を治療させてください」


 陛下が考え込んでいると、


「恐れながら陛下、私に発言をお許し願います」

「うむ。ゴッズ子爵よ、申すが良い」


「ノワール、私は君達の実力は知っているつもりだが、私の膝を治すことは無理だ。既に陛下の計らいで秘薬エリクサーを試したが、私の膝は完治しなかったのだ……」


「いや、完治できる。エリクサーが効果を発揮できなかったのは理由がある。ゴッズさんには、呪いでパラサイトデーモンが憑いている」


「そんな馬鹿な。念のため鑑定士に調べてもらっているが、そのようなことはないぞ」


「恐れながら陛下に申し上げます。この場にてパラサイトデーモンの討伐と膝の治療を許可願います」


「ゴッズ子爵は、予の傍らで長年に渡り予を守っていた良き友でもあるぞ。本当に治せるのであるのだな、ノワールよ!!」


「はっ!!」

「やってみよ」


 陛下の言葉にゴッズさんも覚悟を決める。




 俺はアイテムボックスを使い、忍者の装備に装換する。


「おおお」


 俺が一瞬でミスリル装備から忍者の装備に着替えたので、驚きの声があがる。


「なんだ、あの装備は見たことがないぞ」

「奇妙な出で立ちではあるが、見事な装備だ」


「ノワールよ、その装備がロビン伯爵やゴッズ子爵より聞いておる忍者の装備だな」


「陛下、そうです」



 さらにざわつく貴族達であったが、俺の声により静まる


「破!!」


 俺はゴッズさんが立っている四隅にクナイを刺す。


「忍法 結界の術」


 ゴッズさんは結界で作られた薄い青色の壁で覆われる。


「よし、ルミアとナシャ、手伝ってくれ」


「はい、退魔魔法 ディスペル×2」


 ゴッズさんの身体から黒い霧が出て来て、手のひらサイズのデーモンが姿を現す。


「クソー なぜ、見つかった?」


 パラサイトデーモンが金切り声で悔しそうに言う。


「こっちは三回目だからな」


「!?」


 パラサイトデーモンは、呆気にとられている。


「神速の一閃」


『チ――ン』


 刀を鞘に収める音が響く。


「ギョェェェ――」


 パラサイトデーモンの身体は十文字に切り裂かれ、黒い霧となって消える。



「よし、ルミアとナシャ、次だ」


「はい、マキシマムヒール×2」


「いいぞ、そのままだ。忍法 超回復の術」


 ゴッズさんの身体を虹色の光が包み込み、ゆっくりと光が消え去る。



「ゴッズさん、終わりました」


 ゴッズは膝の痛みがないか、屈伸やストレッチをして確認する。


「全く痛みがない…… ノワールよ、ありがとう。俺は君にどうすれば恩返しができる」


「そうだな、それならその場から動かないで、これの装備を受け取ってくれ。装換!!」


 アイテムボックスの応用でゴッズに装備を着せ替える。


「おおおおお」


「なにが、起こった? それに、この防具に剣と盾はなんだ」


「聖騎士に復活したお祝いの装備さ。その装備は、名工ライゼンさんの最高傑作品だ」


 防具は主にヒヒイロカネを使用しており、今まで装備していたゴールドアーマーの黄金の輝きはないが、薄く赤色を帯びており気品が備わっている。


 そして、剣と盾はオリハルコンとアダマンタイトの素材が使われており、白く輝きを放っている。



 ゴッズさんの装備を見た陛下が、俺に言う。


「ノワールよ。ゴッズ子爵の治療だけでなく、装備も誠に見事だ!!」

「有難きお言葉」


「ゴッズ子爵よ。ノワールからその装備を受け取るが良い」

「はっ!!」


「ところでノワールよ。予は其方と聖騎士の戦いを見てみたいぞ」


「陛下、お戯れを」


 ダイド公爵が止めに入る。


「私も膝の調子を確認したく、ノワールと剣を交えたいと思います」


 ゴッズさんも乗り気である。


 俺とゴッズさんは窓から庭に飛び降り、剣を構える。


「ノワールよ、一太刀で決めようではないか」

「おおお」


 その言葉に3階の窓から陛下がコインを投げる。


『キーン』


「奥義 セイントクロス」


「奥義 二刀流 剛重撃破斬」


 お互いの奥義が炸裂し、凄まじい轟音と衝撃が放たれる。


 お互いの剣と刀が鍔迫り合いをするが、俺達は直ぐに鞘に納める。


「ノワール、ゴッズ子爵よ。見事なり」


 陛下の言葉と共に歓声があがる。


 俺とゴッズさんは歓声を受けながら謁見の間に戻るのであった。




「さて、ノワールよ。二つの願いだが、其方は予を試したな」


 陛下は、俺のことを睨んで言う。


「一つ目の質問は予の権力欲だ。権力を欲している者は更なる力を欲しがる。今回のように上級魔族を倒した冒険者であれば、その力を欲するのも当然だと考えたな」 


「二つ目は予の名誉力だ。王都の聖騎士が出来なかった恥、そして回復した上に伝説級の装備品まで与えられる屈辱、それは予の自尊心を逆なでする行為だ。予が皆の前で名誉を傷つけられたと怒るのか試したな」


 俺は陛下の目をじっと見つめて無言で答える。


「それで予は其方の目に適ったのか? もしや、三つ目の願いは、これ以上は俺達に関わるなとか言うのではないよな」


 この人は、頭の回転が速くキレがある。それに柔軟に人の意見を取り入れ、自分の考えを持っている。会社だったら理想な上司だな。


 さて、本題を話すか。

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