第45話 ミスリル装備が欲しい
「なぁ、カイン。やっぱり装備はミスリル装備がいいよな」
「そうだが、稀にしかオーガキングは出てこないぞ。俺の聞いた話では10回に1回程度だ。以前、Bランクのパーティーがミスリル装備を目当てで20回も戦ったが、一度もオーガキングと戦えなかった例もあるそうだ。だから、俺はクロム装備が揃えば十分だよ」
「流石に20回は、心が折れる」
カインとロイドは諦めたように言う。
まぁ、俺からしてみれば、数十万突っ込んでガチャを回しても全然でない装備や、一日一回しか出現しない魔獣を大人数で取り合って、しかも数%のドロップ率の装備と比べればマシだとは思うのだが……
まぁ、実際は命がけで戦う訳だし、現実は甘くないようだ。
「でも、やらなければミスリル装備はでないぞ」
苦笑いするカイン達だが、俺のオリジナルスキルであれば、運の効果によりオーガキングとかなりの確率で戦えるのではないだろうか?
それに、ミスリル装備のドロップも1/5の確率だと聞いているが、もっとドロップする確率があるのではないだろうか?
もし、10と1/10の効果が出現率やドロップ率に影響するのであれば、100%もあり得るのではないだろうか?
色々と疑問に思うが、戦ってみるしかない。
◇
俺達はボス部屋に入ると、早速俺がマッピングと気配察知を使用する。
「カイン、気を引き締めてくれ。オーガキングが出てくるぞ」
8ー9層にいるオーガよりも一回り大きく武器を持っているが、俺は武器を見て驚く。オーガキングが持っている武器はサーベルだ。見方によっては刀にも見えるので、刀技が使えるか試してみたい。
サーベルがドロップしないかな……
そんな考え事をしている俺に向かって、オーガキングがサーベルを振り下ろす。
「ノワール、危ない!!」
カインが叫ぶが、サーベルは俺の身体を切り裂く。
「キャ―― ノワール君!!」
ルミアが叫ぶ。
「ん? 問題ないぞ」
切り裂かれた俺の身体は陽炎のようにゆらめき消え、元の身体が現れる。
「忍法 空蝉の術だ」
唖然としているカイン達だが俺が無事だとわかると、陣形を整えて戦闘を再開する。
カインとロイドが交互に盾役を、アンナが支援で隙を見つけては強撃を放ち、ナシャとルミアが魔法で支援や攻撃をする。そして、オーガキングが怯んだ隙に、カインとロイドが奥義を放つ。
俺が見ても完成度が高い連携で奥義も良く使えている。後は細かい修正すればAランクも狙える実力で、きっとゴンザレスにも引けを取らないだろう。
「カイン、もっと闘気に強弱をつけろ、ナシャさんはカインに気を取られ過ぎで回復が無駄になっている。ルミアは力を抜いて、もっと魔素を意識して魔法を放て」
俺が指示を出していると、オーガキングはあっけなく倒されるのであった。
オーガキングが消えると、クロム製装備が一式と金の宝箱が現れる。
「おおお、初めて金の宝箱を見たぜ」
カイン達が驚いているので聞くと、どうやら宝箱には金、銀、銅と3種類あり、中でも金の宝箱は超レアだそうだ。
「中身も気になるが、この宝箱だけでも金貨10枚になるぞ」
俺達は宝箱の中を確認すると、収納袋とミスリル製の防具が出て来た。
「おおお、これは当たりだぜ」
「キャー キャー」
「幸運だ!!」
皆喜んでいるが、俺は何か違和感を覚えたので鑑定してみる。
「おい、皆。これは普通の収納袋とミスリル製の防具ではないぞ」
「ん? 確かにミスリルはもっと緑色なのにこれは碧色だな」
「まず、収納袋は大容量で上級品だ。それと、防具の方はミスリルだけではなく魔晶石が埋めこまれた上級品だ」
鑑定で調べると、全ステータスが15%アップ、全ダメージを15%低減の付与効果が付いている。
「改めて見るとこれは凄い。価値はミスリル貨10枚以上で、Aランク者でも持っていないぞ。ノワール、お前が装備するべきだ」
カインの考えに皆が賛同する。
「何を言っている。これから皆の分も取るぞ。今ので確信したよ。ミスリル装備は出るし、場合によってはクロム装備もでる。これからボスを周回するぞ」
「お前は鬼か!! B+ランク相当のボスを周回するなんて、聞いたことがないぞ」
「聞いたことはないが、やれないことはないだろ。今のカイン達ならばボスだって余裕だ」
カイン達は俺の言葉で決意する。
結局、オーガキングは俺が出現を願えば100%出現し、レアドロップのミスリル装備もでた。
我ながら俺のオリジナルスキルには驚かされた。
最後の方は、カイン達と俺でどちらが早くボスを討伐できるか競っていたので、皆の装備を整えることができた。
「なぁ、言っただろう。装備が整うって」
「言われたが、ミスリル装備とクロム装備が揃い、更に余りが7人分ぐらいあるぞ」
「いいじゃないか、普段はクロム装備で何かあるときはミスリル装備にして、色々な場面に合わせて着替えることができるぞ」
「ところでカイン達はレベルがどれくらいになった?」
「ああ、今はレベルが63だ」
「そうか。それならばチータスには余裕で勝てるな」
「マジかよ。そんなに俺達は強くなったのか?」
「自覚はないか。普通、B+ランク相当のボスでタイムアタックなんてしないだろう。だから、滅多に奥義は使うなよ。スキルだけで十分だからな」
「確かに。ノワールから普通って言葉がでるとは意外だったな」
「ははは、そうか、俺は意外と普通だぞ」
「ノワール君は普通ではないと思うわよ。でもね、私達を鍛えてくれてありがとね。これでBランク者として恥じることはないわ」
「強すぎて、恥じることになりそうだが」
「えっ、そうなの?」
ルミアが驚いているが、しばらくして皆は苦笑いを始める。
まぁ、ちょっとやり過ぎ感はあるけど、皆奥義や秘技を使えるようになり、装備も整えることができたので大満足だ。
俺達は、意気揚々でコートダールに帰るのであった。
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