第41話 思わぬ報酬
俺とカイン達は冒険者ギルドにおり、これからゴブリンのコロニー討伐についてギルド長であるゴンザレスさんから説明がある。
「おはよう、諸君。これからゴブリンのコロニー討伐について説明する。今回、参加者はギルド職員を含め53名だ。その内、死者は出てないが負傷者が15名、重症者が5名出たが、2か月程度で無事に復帰できるそうである。一方、ゴブリン共は、ここに記載してある通りだ」
ゴブリンジェネラル 1体
ゴブリンコマンダー 2体
ゴブリンチーフ 6体
Cクラス 35体
Dクラス 20体
「当初、中規模のコロニーを想定していたが、この規模であれば大規模コロニーと言っても過言ではない。よくぞ、死者もなく討伐できたことに対して、冒険者ギルドを代表して皆に感謝する。では、これより報酬について説明する」
「大規模コロニーの討伐、さらに領主の次女であるヘンリー譲を救出したことにより特別報酬がある。Dランク 金貨 10枚。Cランク 金貨 15枚。Bランク 金貨30枚だ」
「おおお」
冒険者達から歓喜の声が上がる。
「参加者は受付に報酬を取りに来るように。お前らは本当に良くやった!! 解散!!」
「おおおおおおお」
「なお、白銀の翼、ノワール、ドラゴンの牙はギルド室に来るように」
俺達はギルド室に行くとゴンザレスが待ち構えている。
「まずは、ドラゴンの牙。度重なる単独行動は規定違反だ。既に王都のギルドには抗議文を送っており、受領されている。お前達には報酬以上の制裁金やランクダウンが課されるので覚悟しろ。出て行って良いぞ」
無言で項垂れて出ていくドラゴンの牙だが、レイクが去り際に俺に尋ねる。
「なぁ、ノワール。俺達は何が悪かった?」
「俺から言わせれば、お前達は装備とランクで人を判断していて、本質を見ていなかったのが敗因だ。俺はDランクの年配冒険者が立ち回りだけでCランクの魔獣を圧倒しているのを見たことがある。お前らはその場しのぎで戦うが、それでは賢い狡猾な冒険者には絶対に勝てないぞ。装備に頼らず、もっと武技やスキルを鍛えるべきだ」
「そうか……」
何かが吹っ切れたように胸を張ってギルド室から出ていくドラゴンの牙。
きっと今度出会った時は、今よりも強くなっているだろう。
「白銀の翼とノワールには特別報酬がある。まず、白銀の翼には領主 ヘンダーソン家からミスリル貨 5枚、ギルドからはBランクに昇格を認める」
白銀の翼のメンバー達は驚愕する。
カイン達が驚くのも無理はない。ランクCとランクBでは優遇処置が全く違うからだ。
「俺達がBランク。それに一人に付きミスリル貨 1枚。マジかよ……」
「ノワール。お前にはヘンダーソン家からミスリル貨 3枚。ギルドからは同じくBランクに登録、ジャネラルゴブリンのドロップ品である魔晶石、魔核、チタン鋼を授与する」
「こんなに貰っていいのか? 」
「ああ、問題ない。お前の活躍が無ければ全滅していた可能性があるからな。それと、これからもギルドに貢献することを期待した報酬でもある」
「最後に領主 ロバート辺境伯からヘレン嬢の救出について、お礼の言葉を頂戴することになっている。謁見はヘレン嬢の体調を考慮して一か月後になる。付添人はカザトさんにお願いしているので、あとで詳細を聞くようにしてくれ」
俺達は報酬を受け取りギルド室から出ると、既に冒険者達が宴を開いており、誰かが言う。
「おお、今回の立役者の白銀の翼とノワールが出てきたぞ」
「おおおおお」
「そうだ。最大の功労者はノワールだ。何か言えよ」
誰かが言うと皆の視線が俺に集まる。
「皆聞いてくれ。さっきギルマスからは、お前の活躍がなければ勝てなかったと言われたが、俺はそうだとは思わない。俺は見ていたぞ。俺がゴブリンジェネラルと戦うのをサポートするために、必死でCクラスのゴブリンと戦っている者を。傷ついた仲間を守るために身を挺して救出している者を。長年の経験と知識でランク上のゴブリンを手玉に取る者を。皆が協力して戦ったからこそ勝利できた。お前らこそが最大の功労者だ!!」
「おおお」
冒険者達から歓喜の声が上がる。
「それとな。さっき特別報酬とかで、思わない大金を手に入れた。だからな、今日は俺のおごりだ。皆食って飲んで楽しみやがれ!!」
「うおおおお」
更なる冒険者達から歓喜の声が起き上げる。
俺が受付に行くとシャルアさんから茶化される。
「流石はお金に余裕がある人は違うわね」
「え?」
「ノワール君、知らないの? カザトさんから販売権料でギルド口座にお金が振り込まれているわよ」
俺は口座を確認すると、ミスリル貨 8枚、金貨 58枚、銀貨 87枚があった。
「コレハナンデスカ?」
思わず片言になる。
「ふふふ。カザトさんからは、これからもっと売り上げが上がるのでこれは序の口ですよと、ノワールさんに言っておいてくださいと言われています」
これはやってしまったな。
でも、やってしまったことは仕方がないので、有難く使わせて貰うか。
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