第39話 放て!! 魔法剣
「させるか!! マキシマムアイスウォール」
間に合った。
今までハイ系の魔法までだったが、ゴブリン共を倒してレベルアップすることで、上級魔法のマキシマム系を放つことができた。
俺が放った魔法はドラゴンの牙やゴンザレス達の前に氷の壁を作り竜巻を退ける。
「ぐぐぐ、俺様の極大旋風を止めるとは何ヤツだ。奥の手だ、オリジナルスキル 統率者を発動。これでCクラスのゴブリンがパワーアップしてBクラスだ。お前ら殺しまくれ」
ゴブリンジェネラルの周りにいたCクラスのゴブリン8体が、Bクラスにパワーアップした。
俺はドラゴンの牙やゴンザレス達の前に立ちはだかる。
「ゴブリンジェネラル。お前の相手は俺だ。それに、俺がこの隙を見逃す訳がないだろう」
「エリアハイヒール」
俺の魔法がドラゴンの牙やゴンザレス達の傷を癒す。
「立ち上がれ。ゴンザレス、チータス、ヘッジ、ラルス、ルイスで5体を相手しろ。白銀の翼は2体だ。ドラゴンの牙!! 今が踏ん張り時だぞ。ゴブリンの1体でも倒しやがれ」
「よし、ノワールの指示に従え!!」
ゴンザレスの言葉に各自が反応して戦闘を始める。
「敵ながら良い判断だ。お前みたいな強者と戦うのは久しぶりだ。さぁ、我が旋風の斧の力を味わうが良い」
ゴブリンジェネラルの旋風の斧と俺の剣が、互いに激しくぶつかり合う。
うーん、俺の方が押しているが、ゴブリンジェネラルの体は鋼鉄の鱗が覆っているようで、深く切りつけることができない。
一方、ゴブリンジェネラルの攻撃を受け止める度に、こっちの盾が悲鳴をあげる。
俺は、剣と同時に魔法を使っているが、ハイ系ではダメージを与えることができていないようだ。
そこで、マキシマム系の魔法を使うが無詠唱とは言え隙ができ、大旋風で相殺されてしまう。
「どうした。お前の方が押してはいるが、装備が貧弱過ぎて我に大したダメージを与えられず、魔法も我が旋風の斧の前では無力だ。お終いにするぞ、我が渾身の一撃を受けてみよ」
旋風の斧が風を纏って俺に振り降ろされる。
俺は盾で受け止めたが、盾が壊されて吹き飛ばされるのであった。
「ははは、我が旋風の斧の力は圧倒的ではないか。さぁ、立て!! 決着を付けようではないか」
正直、今の攻撃はダメージを受けた。
しかし、俺はもっと全身がバラバラになるのではないかと思ったが、意外と耐えきれた。
どうやら強さは互角のようだが、闘気やスキル等の効果は俺の方が一枚上手だ。確信した、ジェネラルゴブリンに俺は勝てる!!
「よう、ゴブリンジェネラル。大した余裕じゃないか。今度は俺の一撃に耐えることができるかな」
「笑止!! 貴様の攻撃力は既に見切ったわ。なにをどう足掻こうが、俺様の防御力を超えることは無い」
「結構な自信じゃないか、では、受けてみろ。魔法剣!! マキシマムアイスブレード」
俺の身体は闘気とスキルをフル発動させたことにより蒼い闘気が立ち込め、ゴブリンジェネラルに一撃を放つ。
一方、ゴブリンジェネラルは旋風の斧で受け止めるが、旋風の斧は真っ二つに折れ、ジェネラルゴブリンを深い傷を与えながら傷口を凍らせていくのであった。
「ぐおおお―― 俺様の旋風の斧が、なぜだ!! しかし、これで終わりだと思うなよ。ハイヒール」
ゴブリンジェネラルはハイヒールで傷を癒そうとするが傷を癒すことができない。
「ふっ、気が付かないのか、ゴブリンジェネラルよ。俺は風属性の弱点である氷属性で攻撃したから旋風の斧が折れたのだ。まともに受けずに受け流せば良いものを。それに、魔法剣で切った傷は、魔素の流れを妨害するので魔法では癒せないぞ」
「ぐぐぐ、おのれぇ―― 我が肉体が朽ちるまで終わらぬわ」
ゴブリンジェネラルは俺に向かって突進してくる。
「マキシマムアイスボール」
旋風の斧がなくなったゴブリンジェネラルは、俺の魔法を相殺するすべがなく身体を徐々に凍らせていく。
「これで終わりだ。 奥義 剛重撃破斬!!」
ゴブリンジェネラルの体は両断され、全身が凍り付き、俺の剣と一緒に砕け散るのであった。
「おおおおお」
歓声が上がる。
どうやら一足先にゴンザレス達はゴブリン共を始末したようで、ゴンザレスが俺に駆け寄って来る。
「ノワール、良くやったな。俺達の勝利だ!!」
ゴンザレスは俺にそう告げると皆に向かって言う。
「俺達の勝利だ!!」
「おおおおおお」
再び歓声が上がるが、ゴンザレスが静まるように言う。
「未だ油断するな!! ゴブリン共がどこに潜んでいるかわからんぞ。CランクとDランクの冒険者は負傷した者を救護しろ。ヘッジも救護を。ルイスは戦利品の管理を。チータスとラルス、それに白銀の翼とノワールは、俺と一緒に洞窟内を索敵だ。ドラゴンの牙はその場で待機しろ」
◇
俺達は洞口内を探索すると、ゴブリンや魔獣はいなく目ぼしい戦利品もないが、鍵のかかった部屋の前に着く。
「ゴンザレス、気を付けろ。何か部屋の中にいるぞ」
俺はマッピングで中を確認すると女性が二人、それに魔獣なのか良くわからない反応が
ある。
ラルスがカギを解除する。
俺達は、恐る恐る部屋に入ると牢屋が3部屋ある。
1部屋には女性が5人入っているが、目が虚ろで精気が全くない。
もう、1部屋には身なりの良い女性が2人、残りの1部屋は複数人の人骨だ。
「おい、もう大丈夫だ。外のゴブリン共は全滅したぞ。ここから直ぐに出してやるかな」
「お願い―― 早く出して!! ゴブリンがぁ――」
ひどく取り乱している女性二人を、皆で落ち着かせる。
「取り乱して申し訳ございません。私はコートダールに領主 ヘンダーソン家の次女 ヘレンです。こちらは、侍女のアリスです。この度は助けて頂きまして誠にありがとうございます」
「まさか、伯爵家のご令嬢だったとは……」
驚くゴンザレスであったが、素早く対応する。
「ルミアさんとナシャさんは、お嬢様方の護衛とケアを頼む」
ルミアとナシャさんがヘレン達を連れて行こうとすると、ヘレンさんが言う。
「隣にいる女性達も助けてください。彼女達はゴブリン共に・・・・・ お願いします」
マッピングで変な反応がでたのはこれが原因か。牢の中にいる女性達は全員ゴブリンの子供を身籠っている。
マーリンから聞いた話では、ゴブリンの赤ん坊は母体を喰い破り生まれ、女性を最初の食事にすると聞いている。
そして、ゴブリンを身ごもった女性は助けられないと……
「無理だ。助けられない」
「でも、本当に無理なのですか、何か助ける方法があるのでは? そうだ、お父様なら知っているかも知れないわね。この女性達を私達の屋敷に連れてきてください。貴方は冒険であれば報酬ははずみますわ」
おいおい、さっきまで取り乱していた可愛いお嬢様とは違い、なんてわがままなお嬢様だ。このお嬢様は状況を全く理解していないな。
返事に困っているゴンザレスに代わりに俺が返答する。
「ヘレン様、助けられる方法はありません。我々にできることは、ここで苦しまずに安らかな死を与えることです」
「そんなことはないわ。貴方にお願いしても駄目ね。そうだ、ルミアさんとナシャさん。貴方達は女性だからわかるわよね。さぁ、高額な報酬を出すわよ」
『パーン』と乾いた音が部屋に響き渡る。
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