第38話 作戦開始
先行していた偵察部隊と合流して、各部隊が配置に着く。
うーん、やっぱりおかしいぞ。
俺はマッピングのスキルで洞窟内をサーチしようとするが、サーチすることができない。
もしかしたら、俺と同等かそれ以上のゴブリンがいる。
それに、マッピングから洞口内の出入り口が3個所に分かれているので、奇襲後に主力部隊が突撃すると左右から挟み撃ちになる可能性がある。
俺は、チータスにこのことを話す。
「なるほど、警戒するように各部隊に連絡する。そろそろ作戦の時間だ。奇襲をかけるぞ」
各部隊は地の利を活かすように主力部隊が正面、部隊AとBで両側から挟み込むようにいて陣形を整えている。
俺は白銀の翼とパーティーを組んでおり奇襲攻撃に備える。
「カウントダウンだ。3、2、1、0 放て!!」
一斉放たれる矢と魔法によって、洞窟の外にいたゴブリン20体を殲滅する。
「よし、このまま待機だ。洞口から出てくるゴブリン共を討伐しろ」
ゴンザレスの指示が飛ぶ中、ひとつのパーティーは出入り口に向けて突撃を開始する。
「田舎者共め、ぬるいぞ。今やゴブリン共の戦力は1/3を削ったのだ。手柄と報酬が欲しいヤツは、ドラゴンの牙に続け――」
レイドが吠えながら突撃を始め、冒険者達はそれに釣られて出て行く。
ドラゴンの牙は装備のお陰もあって、残りのゴブリンチーフ2体を含むゴブリン達を討伐する。
しかし、丁度洞窟の出入り口付近に密集して陣取ることになった時に、洞窟の奥から矢と魔法が放たれ、ドラゴンの牙が率いる部隊に直撃する。
「うわあああ――」
悲鳴を上げる冒険者達。
ドラゴンの牙は装備のお陰で重傷ではないが、ダメージを受けているのは明らかである。
そして、洞窟の奥からひと際大きいゴブリンが出て来る。
「ははは、低能なバカ共め。囮に誘われて乗り込んで来るとは。我はゴブリンジェネラル。お前らに死を与えよう」
ゴブリンジェネラルの合図と共に出入口の左右から隠し扉が開き、ゴブリン共が出てくる。
俺は再びマッピングでサーチすると、ゴブリンジェネラルの姿を現したことでサーチができるようになった。
「チータス、予想通り左右からゴブリン共が出て来るぞ。左右からそれぞれ、ゴブリンチーフを2体、Cランクのゴブリンが15体だ。出てきた瞬間を狙うようにルイスに言え」
俺はパーティーに強化魔法をかける。
「ハイシールド、ハイゲイン」
ハイシールドは物理魔法のダメージを20%低減させ、ゲインは物理魔法のダメージを20%増加する効果がある。
俺は速射によるサイドワインダーと同時にファイアストームを放つ。
チータス達やルイス達も俺の攻撃に合わせ、魔法や弓を放ちゴブリン達やゴブリンチーフ2体を攻撃する。
「よし、今の攻撃でゴブリンチーフを2体、Cランクのゴブリンを10体、討伐したぞ。チータス、地の利が無くなったから下に降りて戦うように皆に伝えろ」
「おのれ、少しはできるヤツがここにいるようだが、我が軍を侮るな」
更に洞窟の奥からゴブリンコマンダーやCランクのゴブリン達がわさわさと現れ、ゴブリンコマンダーに統率されると、ドラゴンの牙に襲いかかる。
マッピング。
くっ、ゴブリン共の数が多い。
このコロニーは中規模ではなく、大規模のコロニーだ!!
俺のマッピングと気配察知からゴブリンジェネラルによって統率された編成がわかった。
主力部隊
ゴブリンジェネラル、Cランク ゴブリン10体
部隊A
ゴブリンコマンダー、ゴブリンチーフ、Cランクのゴブリンを12体
部隊B
ゴブリンコマンダー、ゴブリンチーフ、Cランクのゴブリンを12体
「ひぃぃぃ―― Aクラスのゴブリンジェネラル、Bクラスのゴブリンコマンダーが2体。こんなの聞いてないぞ」
「助けてくれ!!」
襲われているドラゴンの牙は、完全に取り乱している。
ゴブリンの部隊AとBに攻められるドラゴンの牙は、自慢の装備がボロボロになっていく。
「ドラゴンの牙め。勝手に先行し、肝心なところで役に立たないとは。後で王都の冒険者ギルドに抗議してやる」
「ヘッジ、ラルス、俺について来い。ゴブリンジェネラルをやるぞ。チータス隊は部隊A、ルイス隊は部隊Bを討伐しろ。Cランクの冒険者はCランクのゴブリンが相手だ。Dランクの冒険者は下がって後方支援しろ」
ゴンザレスが魔導具による通信で、各部隊が動きゴブリン共と衝突する。
チータス達はゴブリンコマンダーに押し勝てそうで、白銀の翼はゴブリンチーフを圧倒しているので、こっちは問題ないな。
ルイスさんは女性なのに格闘士だったのか。近距離でゴブリンコマンダーの攻撃を見事に受け流しながら攻撃しているので、加勢しているゴブリンチーフが援護できずに棒立ちだ。
「そこだ!! ハイサンダー」
俺は隙だらけのゴブリンチーフに向かって、ハイサンダーを放ち絶命させた。
俺が放った魔法を見て、ルイスさんは俺に向かってウィンクする。
ルイスさんは余裕そうだな。そうすると、後はゴブリンジェネラルだが、ゴンザレス、ヘッジ、ラルスが戦闘中か。
俺は戦場の様子をマッピングで確認すると、部隊AとBは既にゴブリン共の過半数を討伐しており、このまま問題なく討伐できるな。
ゴブリンジェネラルには、ゴンザレスが盾役をこなしながら攻撃、ラルスが弓で援護、ヘッジが魔法で攻撃と回復しており、見事な連携でゴブリンジェネラルに付け入る隙を与えず、このままで押し切れば勝てるなと思ったのだがレイクが叫ぶ。
「俺達も加勢するぜ、射線を開けてくれ、でかいのがいくぞ!!」
おいおい、折角ゴンザレスがゴブリンジェネラルをじりじり追い込んでいるので、そこで水を差すのか。
これは愚策だ。
「止めろ!!」
俺の制止を聞かず、ドラゴンの牙が攻撃を仕掛ける。
「いくぜ、地走り」
「おお、真空連撃刃」
「シャイニングアロー」
「ハイファイアアロー」
「ハイエアーカッター」
ドラゴンの牙の最大火力のようだが、発動までに時間を掛け過ぎだ。
やはりこの隙を逃さなかったのが、ゴブリンジェネラルである。
ゴブリンジェネラルの体が薄い赤色になり闘気をためる。
「大旋風!!」
風の刃を纏った竜巻がいくつも発生して、ドラゴンの牙による武技や魔法を受け止めながらドラゴンの牙やゴンザレス達に襲い掛かる。
「ははは、バカ共め。我はこの瞬間を狙っておったのだ。この手にある魔装武器 旋風の斧の餌食になるが良い」
ゴブリンジェネラルの体が赤くなり、更に闘気をためる。
「死ね!! 極大旋風」
先程よりも激しく凶悪な竜巻が、ドラゴンの牙やゴンザレス達に襲い掛かる。
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