第30話 護衛依頼
数日、畑や教会の様子を見ながら簡単なクエストを受注して、まったりと過ごす。
それから冒険者ギルドに行くと、久しぶりにカイン達と会う。
「よう!! 久しぶりだな、ノワール。元気にしていたか?」
カインが俺に話しかけてくる。
「ああ、色々とあったがこの町にも慣れたよ。そっちはどうだった?」
「俺達は王都の方にあるダンジョンに籠ってレベリングに励んで、レベルを35から38に上がったぞ」
「それは凄いな」
このレベル帯であれば、一年でレベルがひとつ上がる程度なので、十か月で3レベル上がったのだから相当頑張ったのだろう。
もし、これ以上の短期間でレベルが上がるのであれば、経験値取得アップのスキルか装備の付与効果によるものだ。
仮に経験値取得アップのスキルだと女神曰く3倍までなので、如何に俺のオリジナルスキルが規格外のチートと言うことを、改めて実感することになった。
俺がカイン達と話していると受付のシャルアさんから声が掛かる。
「ノワールさん、やっと来ましたね。貴方に指名クエストの依頼がありますよ」
カイン達はそれを聞いて驚く。
「指名クエストだって? ノワール、お前はCランクになっていたのか?」
「ああ、色々とあってな」
「それと白銀の翼にも同じ指名クエストがあります」
「えっ、シャルアさん、その指名クエストの内容は?」
カインがシャルアさんに確認する。
「はい、カザトさんからの依頼になりまして、内容はこちらになります」
指名クエスト
内容 :護衛
期間 :12日
依頼主 :マラッカス商会
報酬 :一人金貨10枚
詳細 :王都まで荷物を運ぶので護衛してほしい
指名冒険者:ノワール、白銀の翼、ダガール
「カザトさんからで、この前の護衛でお世話になった人達にお礼も含めた依頼だそうです」
確かに報酬が、通常の三倍で高額だ。
「私達は大丈夫ですが、ノワール君も大丈夫よね?」
ルミアさんが悪戯な目で俺に話しかける。
「ああ、問題ない」
「やった―― ノワール君がいれば料理は美味しいものが食べられるわ」
おいおい、俺は料理係かよ。まぁ、この人達にはお世話になったし、それでも良いか。
俺とカイン達はしばらく雑談した後、明日に備えてそれぞれで準備するため買い出しに出かけるのであった。
翌日、俺は宿の延長料金を支払ってからカザト邸へと向かった。
既に他のメンバーは集まっているようで、カザトさんは俺に気が付くと出迎えてくれた。
「おはよう、皆さん。これから王都にミスリル鉱を運びますので護衛をよろしくお願いしますよ。王都には馬車で五日、商談で二日間、帰りで五日、合計で12日間になります。長旅になりますが、王都にいる間は自由に行動して構いませんよ」
「それは助かりますね。あと、今回はソアラちゃんが一緒ではないのですね」
ナシャさんが問いかけると、カザトさんが気まずい顔をする。
「はい、前回は盗賊に襲われましたので、妻に怒られまして……」
しょんぼりするカザトさんに、皆苦笑いだ。
「では、皆さん準備が整いましたら出発しましょう」
◇
それは2日目の朝に出発して、事件が起こる。
昨日と同じように俺達は馬車の周りにある板の上に立ち見張りしていると、俺は異変を感じる。
「馬車を止めろ!!」
「ノワール、いきなりどうした?」
カインが驚いて俺に聞く。
「この先で盗賊が待ち構えているぞ。人数は15人で、街道の両側に半分ずつに分かれて待ち構えている」
「どうして、そんなことがわかる?」
ダガールが聞いてくる。
「俺のスキルだ。間違いない。前回、盗賊を見つけた時も、このスキルのお陰だ」
「俺はノワールを信じるぞ」
「私達も信じるわ」
ダガールが渋々納得する。
「俺に考えがある。まず、俺が両側に向かって魔法を放つ。その後、左側はカイン達とダガールで討伐、俺は右側を討伐する」
「おい、お前一人で半分を相手にできるのか?」
「ああ、あのレベルの盗賊だったら余裕だな」
「マジかよ」
「相手はレベルが30~32だから大丈夫かと思うが気を抜くなよ」
「凄いな。レベルまでわかるのか……」
俺達は打合せ通りに、まず俺が街道の両側の森に向かってスタングレネードを放った。
そして、俺は右側に向かってエアーストームを放ったが、ルミアさんは未だ詠唱をしている。
「大いなる風の魔素よ、旋風の風の刃となって我が敵を滅ばせ、エアーストーム」
本来は詠唱して使うことが普通だったな。すっかり忘れていたよ。
タイミングと位置がズレたが、盗賊達を炙り出すことはできたようだ。
盗賊は奇襲を仕掛けるつもりだったようが、逆に奇襲を仕掛けられ陣形が乱れている。
俺の方に来た盗賊は7人か。
盗賊は雄たけびを上げながら走って向かってくる。
「お前ら、相手は一人だ。二手に分かれるぞ。」
二手に分かれるのは良い作戦だが、誰が別れるのかでもたつく盗賊達を尻目に、俺は盗賊達の両側を囲むようにストームウォールを展開した。
盗賊達は両側を狭められたことにより、二手に分かれることが出来ず、まとまって俺に向かって来る。
「狙い通りだ。エリアスリープ!!」
俺のオリジナルスキルにより魔法は効果を発揮して、人全員がその場に倒れこみ深い眠りに陥るのではあった。
「こっちは片付いたぞ」
一方、白銀の翼とダガールは、陣形を整えて盗賊を向かい討っており、既に8人中2人を戦闘不能にしている。
「よし、このまま押し切るぞ」
カインが仲間に指示をした時であった。
「そこまでだ。お前ら武器を捨てろ!!」
ナシャさんの喉元に剣を突き立てるダガールがいた。
「早くしろ、この女が死ぬぞ」
カインが慌てる。
「皆武器を捨ててくれ、ナシャは俺に取って大切な人だ。すまない」
白銀の翼のメンバーは全員武器を捨てるが、俺は武器を捨てない。
「ノワール、お前も武器を捨てろ。俺達の目的はミスリル鉱だ。ミスリル鉱さえ手に入れれば危害は加えない。だから、武器を早く捨てろ」
「ああ、わかったよ。ところで、ナシャさん。俺からのプレゼントは覚えている」
「はい」
「お前ら無駄口は止めろ。馬車の所に行き、伏せて待っていろ。少しでも立ち上がったらこの女の命はないぞ」
俺達は馬車の前で伏せようとした時、俺が合図する。
「今だ!!」
俺の言葉に反応したナシャさんは、魔石を目の高さまで放り投げる。
一方、ダガールと盗賊達は一瞬の不意を突かれ、放り投げられた魔石を凝視する。
目線の高さまで魔石が上がると、目が眩ます激しく強烈な光が解き放たれる。
「ぐぁぁぁ――― 目がぁぁぁ」
その光をまともに見てしまったダガールと盗賊達は両目で目を覆って、目の激しい痛みに耐える。
「ナシャさん、屈め」
俺の言葉に反応してナシャさんは素早く身を屈めると同時に、俺はアイテムボックスから弓と矢を取り出す。
「サイドワインダー!!」
俺が速射で放った矢は、まるで矢に意識があるように標的を追尾してダガールを射抜く。
「エリアスリープ」
俺の唱えた魔法によって、ダガールと盗賊達がその場に倒れこみ深い眠りに陥るのであった。
「終わったぞ」
俺の声を聞いた後、カインとナシャさんは抱き合うのであった。
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