第23話 ダンジョン突入
俺は冒険者ギルドへ向かう。
「シャルアさん、クエストを沢山消化して名声も上がったと思うので、そろそろダンジョンに行けないか?」
「ノワールさんは既にDランクですので、問題なく初級のダンジョンへ行けます。それに、名声って何ですか?」
また、完全にやってしまった……
俺が遊んでいたMMORPGでは、ランクを上げてもクエストで名声やポイントを上げないと、次に話が進まなかったから癖がでた。
「名声のことは他の冒険者から聞いたが、気のせいだったみたいだ」
「そうですか、他も町の冒険者ギルドだとそう言った制度があるのかも知れないですね。ダンジョンに行くなら、これから午前の定期便で馬車が出るので、急いだほうが良いわよ」
何とか誤魔化せたようだ。
少しの時間ではあるが、シャルアさんにダンジョンについて聞くことができた。
場所はここから馬車で半日かかる所にあり、ちょっとして宿場町まであるようだ。
それと、冒険者ギルドの要請でダンジョンに入る冒険者は講習会を受け、許可書がないと入れないそうだ。
◇
俺はダンジョンへ行く馬車に乗り込み、講習会に参加するのであった。
主な講習会の内容は緊急脱出用に移転石があり、費用が金貨1枚でボス部屋にいても使え脱出ができること。
それと、冒険者のトラブルでMPKや横取り等の禁止行為があるが、ギルドカードには録画機能があるので、禁止行為を録画すれば違反者を訴えることができるそうだ。
あと、先にいたパーティーが優先してレベリングや採掘ができ、魔獣が湧く場所と時間が決まっていて、魔獣は別の階層には移動できない。入り口付近は、直ぐに逃げられるため人気があるそうだ。
ここのダンジョンは10階層あって5階層がセーフティーエリアなので、焦らずに攻略することができると、ざっとこんな感じだ。
まぁ、俺が遊んでいたMMOPRGと同じようルールではあるが、違反者は良く掲示板で晒されていたが、この世界ではどうなるのかな。
俺は違反者について質問すると、違反行為を冒険者ギルドで確認後、罰金や登録の廃止及び衛兵に犯罪者として突き出されるそうだ。場合によっては、死刑や奴隷落ちにもなるので意外と厳しい。
さてと、無事に講習会を終えて、講習料と移転石用で金貨2枚を払って許可書を入手した。
ダンジョンの入り口ではギルド職員が許可書を確認している。
「ん?、新入りか見かけない顔だな、俺は監視員のテキサスだ。念のため名前を聞いておこう」
「ノワールだ」
「お前がノワールか!! いつになったら来るのか楽しみに待っていたぞ。俺はチータスとは知り合いでな、お前の話を聞いていた。ここは、攻略を先走らなければ死ぬような場所でない。だから、焦るなよ」
「ああ、じっくりやってみるさ」
「そうしてくれ。チータスがお前のことで驚いていたぞ。これからのことをチータスに教えてやれば、酒代が浮くから頑張れよ」
さてと、焦らずじっくりと楽しんで満喫するぞ。
ダンジョンに入ると途中までは坑道を通ると、直径200mはある大広間に出て来た。
俺はマッピングで確認すると、向かい側が下層に行く入り口で、外周には小部屋がありそれぞれが繋がっているが、あまり複雑ではない構造だ。
魔獣は広域サーチと鑑定で見る限りでは、コボルト、ウルフ、ゴブリン、ボアがいるな。
向こうの下層入り口や小部屋には、パーティーやソロの冒険者がいて、大広間に湧いた魔獣をそこまで釣りして狩りをしている。
まぁ、俺が遊んでいたMMOPRGと同じやり方でレベリングや素材を集めているので、要領を把握することができた。
丁度、下層に行く入り口のソロが移動したので、その場所で俺も狩りをすることにした。
まずは、あそこに湧いたウルフを矢で釣って、狩場に着いてから狩る。
結果、矢でHPの半分を削り、残りは剣で簡単に止めを刺すことができた。
スキルや武技を使わなくても倒せたので手応えがなかったが、その後が興味深かった。
コボルトが息絶えて横たわっていると、しばらくして煙にように消え、魔石とウルフの牙が残った。
更に衝撃的だったのがボアである。
ボアが消えた後、魔石となんと精肉された肉が残ったのだ。確かに、ゲームのドロップアイテムでは、○○の肉を入手できたりするが、なぜ精肉されブロックとなった肉でドロップされるのか不思議である。
う――ん、異世界は不思議である。
もっと、検証したいが、帰りの馬車の時間に間に合わなくなるので、今日はこれで引き揚げよう。
「おお、ノワール。今日はもう引き揚げるのか。魔獣は倒せたか?」
「ああ、今日はもう終わりだ。魔獣は5匹倒したぞ」
「はぁ、あんまり大きくことを言うなよ。2時間しか経ってないからせいぜい2匹だろ」
うーん、反論するのも面倒なので俺は馬車の方へ向かい、一路宿に帰るのであった。
「おかえりなさい、ノワールさん」
「ああ、ただいま」
猫耳のルカちゃんが出迎えてくれた。
あの猫耳と尻尾は実に癒される。
「女将さん、今日はお土産を持ってきたよ。ボア肉があるのだがいるか?」
「タダでいいならば貰っとくよ」
「いいぞ」
俺は女将さんに躊躇なくボアに肉を渡す。
「私は金払いの良い男が好きだけど、気風が良い男も好きだよ。ルカ、ノワールにエールをつけてやりな」
おお、エールか。
この世界に来て酒のことはすっかり忘れていた。
俺は出されたエールを飲むとやはりビールのような味だが、あまり冷えていない。
「アイス」
おお、エールがキンキンに冷えて旨い。魔法は最高と思っていたら、それを見ていた他の客からこっちも冷やしてくれと言われ、断る理由もないので冷やしたらエールが大盛況。
結局女将さんからはもう一杯おごってもらうのであった。
さてと、ほろ酔いでいい気分なので今日はもう寝よう。
翌朝、俺は朝食時に女将さんに三か月はダンジョンに行くことを伝える。
「残念だね。今日もあんたがエールを冷やしてくれれば売り上げが倍増なのにね。まぁ、エールを沢山仕入れておくから、ちゃんと帰ってくるのだよ」
女将さんなりに俺のことを心配してくれているようだ。
俺はこの宿を選んで良かったと思った。
よし、今日から本格的にダンジョンでレベリングと攻略を開始だ。
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