第2話 俺だけのオリジナルスキル
俺は、女神の加護について考える。
「オリジナルスキル以外に女神の加護では、何が貰える?」
「はい、既存のスキルから5個のスキルが得られます。既存のスキルは100種類以上ありますから選ぶのに大変でしょう。こちらのリストを見ますか?」
「別にいいや、どうせテンプレだし。えーと、鑑定、マッピング、全言語理解、アイテムボックス、そしてステータス隠蔽で頼むよ。ステータス隠蔽以外はテンプレだと思うぞ」
「ちょっと待ってくださいね」
残念女神はリストを見始める。
「はい、全て既存スキルとしてあるので問題ないです。貴方の言うことは勉強になるので、ちょっとメモしますね。でも、なぜステータス隠蔽を選んだのかしら?」
残念女神はどこからともなく紙とペンを取り出してメモを取り始める。
「ステータス隠蔽を選んだ理由はその内わかるさ。 あっ!! ちなみに即死スキルや強奪スキル等はあるのか?」
「えーと、そういうスキルはないですね」
「おい、そういう説明も事前にした方がいいぞ、あったら即死攻撃無効にしたぞ」
「はい、了解であります」
俺は女神を見ると、また何やらメモを取っていうようだ……
◇
次に俺は、3つのオリジナルスキルについて考える。
「転生先は職業とかクラス等で、戦士や魔法使いが選べたりするのか?」
「はい、転生先ではクラスと呼ばれています」
転生先は、本当にゲームのような世界だな。
「クラスは同時に何個まで設定できる? それとクラスチェンジは自分で設定や変更することが可能か?」
「設定は通常1個で、クラスチェンジはクラスの神官や教会に行かないとできないですね。でも、オリジナルスキルであればクラスチェンジは自分で可能で、クラスを同時に3個まで設定できます」
「じゃ、クラスを同時に3個設定できるスキルで頼むよ」
突然、女神は何か閃いたように言う。
「わかりました。クラスを同時に設定したいからステータス隠蔽を選んだのね」
「そうだ。通常1個のクラス設定が、3個も持っていることが他人に分かったら色々と問題があるだろ」
残念女神のかしこさが、少しアップしたところで次だ。
これまで自分が遊んできたゲームや読んできた本の知識を参考にして、残りのオリジナルスキルを決めることにした。
「よし、2つ目は俺自身に係わるグッドステータス 10倍だ」
「そして、3つ目はその逆でバットステータス 1/10倍だ」
「例えば、グッドステータスの10倍の効果はこれで大丈夫か? 詳細は心を読めよ」
経験値の取得値の上昇率
アイテム生成の成功率
アイテムのドロップ率の上昇
「そして、バッドステータスは、その逆の効果だ」
「それにしても、凄いことを考えますね。私だったら思いつきません。……えーと、待って下さいね。規定違反がないか調べます」
女神はどこからともなく分厚い本を取り出して、本を入念に調べる。
「あぅ、普段からの勉強不足があって調べるに時間がかかりますので、ちょっとお待ちを……」
「おいおい、規定なんてあったのか。それは事前に勉強した方がいいぞ」
「……はぁ、上司と同じことを言われてしまったわ。はい、がんばります。え―と、戦闘に関わることではないので、規定違反はないです。あと、通常の倍率は最大値が3ですが、オリジナルスキルは最大値が10なので問題ないです」
また、残念女神は本を見ながら考え込む。
「あっ、同時効果は3個までなら大丈夫ですが、今の状態では4個あるので規約違反です」
同時効果は3個までか。
通常が3倍だが、折角なので効果を10倍にしたい。
あと、経験値上昇は必須だから、残りは運だ。
経験値の取得が10倍
幸運が10倍
レベルアップに必要な経験値1/10
不運が1/10
「これで問題はないか?」
「はい、大丈夫です」
通常の最大値が3に対して俺のオリジナルスキルが10だから、これは完全にチートだ。例えば、経験値の取得が10倍、レベルアップに必要な経験値が1/10になるから結果100倍でレベルアップできることになる。
後は適当に運が良くなる幸運を選択したが、幸運って一体なんだろう?
アイテムドロップやアイテムの生成で運が良くなって、入手や成功率が上昇すれば良いのだが、まさか宝くじでも当たり易くなったりして。
だが、折角のチート級のスキルであっても、如何にして効果的に使いこなすかが決め手だ。
なんか、残念女神の話を聞いていると、オリジナルスキルを活かしている転生者は少ないように思える。
恐れく転生先の一般人は女神の加護がないことを想定すれば、転生者ほどそんなに多くのスキルを取得していない筈だ。それなのに他の女神でさえ、2割の転生者が死んでしまうことには何か原因がありそうだ。
いずれにせよ、ここからは俺が転生先で困らない提案だ。
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