表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
139/141

第139話 竜騎士様

 

 冒険者ギルドにブルス達を連れていく所までは良かったのだが、村中に俺達とブレス達の模擬戦が知れ渡る。


 素行が悪かったブルスが里に戻ってきて、ジメント商会と結託して農場を破壊する計画をしている所を、俺達が止め入り決闘すると言う、とんでもない噂まで流れる始末だ。


 俺達が冒険者ギルドに着くと、ナデアさんが待ち構えていた。


「ブルス、一体どの面を下げて私の目の前に現れたのかい。お前は竜騎士連盟から破門された身だよ」

「ははは、笑わせる。古臭い竜騎士連盟か、今は何も力を持っていない連盟など破門された所でなんとも思わない。婆は俺を認めなかったが、既に俺はSランクの冒険者と認められている」

「知っているよ。そんな金とコネで得たSランクに何の価値があるのか、全く馬鹿だね」

「婆の戯言は聞き飽きたぜ。道を開けろ。俺はノワール達と農場を賭けた模擬戦で決着をつけないといけないからな」

「ノワール、一体どういうことか説明しな」


 やれやれ。こうなることは予想していたが、ナデアさんは怒り心頭だな。俺達はこれまでの経緯を説明する。


「なるほどね…… ノワール、ルミア、迷惑掛けてすまないねぇ。ブルスの目を覚ましてやっておくれ」


 ブルスと一緒にいるマネジが心配そうな顔をしている。


「ブルスさん、大丈夫ですよね?」

「ああ、問題ない。問題があるとすれば婆だ。あの歩き方を見ると、本当に婆の右脚が治ってやがる。マキシマムポーションでも治らなかった怪我を一体どうやって治した? こいつは驚いたぜ。だが、俺は負けない。模擬戦とは言えBランクに負けたとあっては、Sランクを剥奪されるかも知れないからな」

「流石、竜騎士ブルスさん」


 俺はブルスを地下の訓練場に案内すると、ブルスは収納袋から装備を取り出して準備を始める。

 一方、ルミアは飛竜のユニムを連れて別の大型の入り口から向かうと、飛竜のチュリがいた。


「あっ、チュリちゃん。元気だった?」

「うん、私ね、ノワールさんやルミアさんに達のお陰で怪我が治ったの、見て見て」

「凄い。良かったな」


「うん、ありがとう。ユニム君の方はどうだった?」

「俺の方は全く駄目だ。主人のブルスさんは未だに俺の声が聞こえなくて、しかも以前に増してプライドが高く他人の忠告に一切耳を貸さない。本当に困ったよ。あのノワールさんって言う人が勝たないかな。そうすれば主人が目を覚ますかも知れない」

「相変わらず、主人思いなのね。いくら命を助けて貰ったからって貴方の主人に対する忠誠心には頭が下がるわ。ルミアさん、何とかならないかしら?」

「ん? チュリちゃん、この女性の人に話しかけても俺達の言葉が聞ける訳がないから無理だ」


「ふふふ、ちゃんと聞こえるし通じるわよ」

「ええ!! チュリちゃん、この人は竜騎士ではないけど俺達の話が通じている」

「私も最初は驚いたわ。ルミアさんは龍気が使えるのよ」

「そんな、竜騎士ではない者が龍気を使えるとは…… さっきの威圧はやはり龍気も使った威圧だったのか」


「ユニム君、貴方の主人を思っていることはわっかたわ。みんなでブルスの目を覚ますのよ。でもね、そのためにはユニム君は私達に全力で挑んできなさい」

「全力で挑む?」

「そう、全力で挑んで戦ってこそ先が見える筈よ」


「ユニム君、私からの忠告よ。貴方は全力で戦った方がいいわよ。でないと、死ねかも」

「えっ、チュリちゃん、それってマジ?」


 チュリはユニムに向かって小さく頷き、ルミアの方を見る。


「ほほほ、久しぶりよ、死なない程度って言うのがいいのよね。私ゾクゾクしちゃう」

「チュリちゃん!! この人は大丈夫?」

「多分、大丈夫よ。死なないように頑張って」


 チュリに言われて、ユニムはブルスの方に向かうのであった。


「ユニム、遅かったな。お前にも装備を付けるから座っていろ」

『キュウ――』――「うん…」

「まったく、こいつの言葉は、いつになったらわかることやら」


 ブルスは文句を言いながらユニムに装備を付け始める。


「あなた、装備はミスリルでいいかな?」

「そうだな、ミスリルで十分だな」


 俺達は、あっと言う間に装換してミスリル装備を身に付ける。


「な!! アイテムボックス持ちか。わかったぞ、お前達がBランクを取得できたのはアイテムボックスを持っていたからだな。既にメッキが剥がれてきたな」

「おい、無駄口を叩かないで早く用意しろ」


「五月蠅い、今終わったところだ。なるほど、大口を叩くだけのことはあるな。そのミスリル装備はボスのレアドロップした装備だな。それに、お前のミスリル装備は更に上位版とは、随分と金がかかっているな」

「強さを装備で判断するからお前は未熟者なのだよ」


 話を聞いていた紫電の龍のメンバー達が身体をピクッとさせる。


「馬鹿が、装備も強さの一部だ。俺の竜騎士装備は、アダマンタイト鋼とミスリルの合金が使われており、一部には飛竜の素材で補強した最上級品質の装備だ。既に勝ったな」


「お互い準備は出来たようだね。では、始めな」


 ナデアさんの合図で模擬戦が開始される。


もしよろしければブックマークへの登録、評価をよろしくお願いします。


評価は下にある『☆☆☆☆☆』より押すことで可能です。


簡単ですので、面白くなければ☆1、面白ければ☆5等を是非とも

よろしくお願いします。


ブックマークも頂けると本当に嬉しいです。


作者のモチベーションになりますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ