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第137話 食中毒


 まぁ、俺としては当然の結果ではあるのだが、周りで見ていた冒険者達は驚きを隠せないようだな。


「俺はわからないぜ。なぜ、無詠唱で放った魔法が詠唱した魔法に押し勝つ?」

「それよりも最後の動きをお前は見えたか?」

「見えるわけないだろ……」


 ナデアさんは見学していた冒険者達を黙られるように言う。


「勝負はついた。暁の剣のワーク達はAランクのパーティーだ」

「そんな、クロム装備を着た者がAランクだったとは信じられん」

「最初にワークが言っただろう。装備で実力を判断している時点でお前達は負けだ」


 紫電の龍のメンバー達はしばらく話し合う。


「ナデアさん、どうか俺達を試験官補佐にしてくれ。給金は安くていい。その代わりにワーク達から教えを受けたい。頼む!!」

「ほほほ、素直でいいね。そういうのは嫌いではないよ。雇ってやるから精々頑張って働きな」



「おい、ここの冒険者ギルドはレベルが凄く高いぞ。ギルマスは竜騎士、試験官はAクラスやBクラスの冒険者だ」

「もう、俺は決めたぞ。ここを拠点にするぜ」


 紫電の龍とワーク達の戦いを見て他の冒険者達も即発されたようだ。


 これで冒険者達の方は落ち着いてきたぞ。この冒険者ギルドの施設には食堂や酒場に雑貨屋もある。職員はジメント商会に潰された食堂や雑貨屋をスカウトして雇った。それとサポートとしてマラッカス商会から商品の流通経路も確保できている。


 更にここを拠点とした冒険者には宿が必要だ。これもジメント商会のマネジに苦しめられていた宿をカルシャさんに言って改装して貰っているので準備は万端だ。





 これから一週間が経った頃に、俺はマネジの所に忍び込むと、部屋の中が騒がしい。


「おい、どうなっている。この帳簿を見ると全く売れていないではないか」

「マネジさん、それが困ったことになりました。冒険者ギルドは雑貨品を売っています。それに食材が農場や冒険者ギルドから流れていて、もう三倍の値段で売れません。それからグロービスから配送されています」

「グロービスからだと? ジメント商会以外で商品を流通できる商会がいるのか?」

「それが、コートダールのマラッカス商会です」

「マラッカス商会と言えば、マケドさんとも交流がある豪商ではないか。一体、どうして…… 高値で売りつけようとしていたジャガイモが、このまま在庫を抱えた状態では大赤字だ」


「そ、それに、まだ問題があります」

「これ以上何がある」

「はい、農場で育ったジャガイモを使ったお菓子が例の食堂で売られており、それが大人気で飛ぶように売れています。なんでも、ポテチと呼ばれているそうです」

「ポテチ、なんだそれは? 様子を見ながら買って来い」


 マネジは敵情視察も兼ねてポテチを買って来るように部下に指示を出す。


「それにしても旨いな、このポテチと言う食べ物は。おい、作り方も見て来ただろうな」

「当然です。作り方は簡単でした。ジャガイモを薄くスライスして水でぬめりを取り、しばらく乾燥させてから油で揚げる。最後に塩で味付けただけです」

「ほほ― それならこっちでも作れるな」

「マネジさん、それには販売権で問題があります」

「何が問題だ。こんな田舎町の子供騙しのお菓子に販売権もあるものか。準備にかかれ」


「それにしても農場や冒険者ギルドそれに村人達と言い想定外のことが起こり過ぎている。このままでは私は破滅だ。こうなったらあいつを呼ぶしかないだろう。おい、グロービスで遊んでいる先生を呼べ」






 それから三日後に事件が起きる。


「おい、食堂のマスターを出せ」


 丁度、俺達が昼食を食べている頃に三人の冒険者がマスターを問い詰めている。


「どうしたのですか?」

「お前のところのポテチを食べた仲間が、吐き気や頭痛、それに腹痛で苦しんでいる。ハイキュアポーションで落ち着きを取り戻したが寝たきりになっている。この責任は取って貰うからな」


「おい、仲間の所まで案内しろ。俺達が治療してやる」

「なんだお前は。横から口を出してくるな」


 冒険者は俺に殴りかかってくるが、余裕で躱して【威圧】を放つ。


「くっ、苦しい」

「落ち着け、まずは仲間の治療が先だ。早く案内しろ」

「ちっ、わかった。着いて来い」


 俺の威圧で落ち着きを取り戻したようで、俺とルミアは仲間がいる宿に向かう。


「そこのベッドで寝ている二人だ」


 俺は鑑定で症状を確認すると、どうやらジャガイモの毒に当たったようだ。


【マキシマムキュア】

【マキシマムヒール】


 俺達が魔法を唱えると、寝ていた二人の女性は元気を取り戻す。


「凄い、あれだけ苦しかった症状が全くなくなったわ」

「うん、私も大丈夫です」


「二人を治してくれて礼を言う。だが、あの食堂で売っていたポテチを食べてことで具合が悪くなったから、責任は取ってもらうぞ」

「待って!! 実はポテチは別の所で買ったの」

「なんだって?」


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