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第128話 再びジメント商会

 俺とルミアは店先に向かうと、女性の若いエルフが怒鳴っていた。


「ふざけないで!! 貴方は卑怯です。私達は貴方が村の人達が龍神の復活を機に豊かな暮らしができるようにお手伝いをしたいからと言うので来たのです。でも、貴方がやっていることは村人を追い出し、代わりに一部の裕福な人達や自分の商売の儲けだけしか考えていないわ。私は二度と貴方からの仕事は受けません!!」

「私は商人だ。商人が金儲けして何が悪い。それに、このまま貧乏人が村に居座っているようでは、この村の繁栄はないのだ。貧乏ギルドの分際で私に逆らえばどうなるかわかっているのかね」


 もう一人は顔を見なくてもわかる。あの嫌味な言い方はジメント商会のマネジだ。


「だからと言って貴方に手を貸すほど私達は落ちぶれていません」


 良く言った。見事なものだと感心しているとルミアが女性の方に歩み寄る。


「貴方は素敵よ。同じ女性として感動したわ」

「えっ? あ、ありがとうございます」


 突然、ルミアから言われたのでエルフの女性は戸惑っていたが、にっこりとほほ笑んでルミアと握手する。


「また、お前らか、全く目障りな奴らだ。だが、この女、いや、グロービスの木工ギルド長カルシャは、ジメント商会に金貨150枚の借金がある。それと今回の手間賃が金貨50枚で合計ミスリル貨2枚だ。カルシャ、文句を言うなら今すぐ返して貰おうか。返せないのであれば、私の奴隷になれば借金を帳消しにしてやるぞ。ククク」


 マネジは嫌らしそうな目でニヤニヤしながらカルシャさんに近寄る。


【エアーショット】


「ぐぁっ」


 ルミアのエアーショットによる強風を受け、マネジが後ろに下がる。


「近寄らないで。はい、ミスリル貨二枚よ」


 ルミアがマネジにミスリル貨二枚を投げ渡すと、受け取ったマネジはそのまま立ち去ろうとする。


【ストーンウォール】


 ルミアの魔法によりマネジの前に土の壁が現れ行き先を遮る。


「待ちなさい!! 私はBランクの冒険者よ。このまま証文を返さないでネコババでもしようなら調停所に訴えるわ」

「ネコババなんてしないさ。証文を渡すように部下に指示するところだった」


 不貞腐れるようにマネジは言うとカルシャさんに証文を渡す。


「間違いなく受けとったわ。失せなさい」

「なにっ!!」


 カルシャさんの言葉にマネジは言い返そうとするが、今度は周りで見ていた村人達が加勢する。


「そうだ、そうだ。用がないなら帰れ」

「帰りやがれ」


 マネジが渋々帰る姿を見ると、安心したように村人達もこの場所を後にする。


「助けてくれてありがとうございます。私はグロービスで木工ギルドのギルド長をやっているカルシャです。お名前を伺ってもよろしいですか?」

「私はBランクの冒険者でルミア。こっちは夫のノワールよ」


「ルミアさん、必ずお金は返します。それまではこの証文を受け取ってください」

「ふふふ、カルシャさんは律儀なのですね。私が勝手にやったことだから返さなくて良いわ。その代わりに冒険者ギルドを建てるのを手伝ってね」

「どう言うことかしら? 詳しく聞かせてほしいわ」


 俺達は食堂に行き、昼食を食べながら冒険者ギルドを建てることについて話す。


「大体の規模はわかったわ。でも、この規模だと資材や基礎工事だけでも相当な日数を要するわ」

「安心して、資材や基礎はこっちで用意するからカルシャさん達は設計図や工事の段取りについて考えてね」





 さてと、今度こそワーク達に会いに行こう。

 マッピングを見ながらワーク達を探すと酒場にいるようだ。


「あっ、ノワールさん達ではないですか?」


 俺とルミアは、ワーク達と同じテーブルに座る。


「ワーク、調子はどうだ?」

「俺達なら昨日龍神のダンジョンから帰ってきたところで6層まで攻略したぞ。だが、7層にいるワイバーンには勝てなくて」

「あれ? ワイバーンは9層にいるだろ、なんで7層にいる」

「龍神が復活したことでダンジョン内の魔素が高密化して魔獣がランクアップしたそうだ」


 なるほどね。そうするとボスはAランクだな。ワーク達を鍛える日は良いが、問題はワーク達が話を受けるかどうかだ。


 俺とルミアは農場のや冒険者ギルドのことを話す。


「ノワールさん達は凄いな。それで、Aランクの冒険者はどうするつもりだ?」

「それなのだが、俺達が面倒を見るからAランクの冒険者として登録してみないか?」

「はぁ? 俺達はCランクの冒険者だから無理だ」

「それは私達が貴方達を鍛えてAランクの冒険者にするわ」


 ルミアの言葉にワーク達はお互いの顔を見ながら戸惑っていたが、クナガさんが答える。


「ルミアさん、お願いします。私はあの時に怪我を治して貰えなかったら冒険者としての人生は終わっていました。今、あの時の御恩は返します」

「俺も頼むぜ」


 クナガさんが答えると他のメンバーも答えるが、ワークだけは考え込む。


「ノワールさん。俺達はクナガの怪我の恩は返さないといけないことは、俺もみんなの意見には賛成だ。しかし、どうやって俺達をAランクにする。それに農場や冒険者ギルドを設立するお前達は一体何者だ? 俺は暁の剣のリーダーとして確認する責任がある」


 ワークはリーダーとしての素質は十分だ。

 簡単に引き受けたり断るようなことではなかったので安心した。


 俺は立ち上がってマスターに金を払い、二階の個室を借りる。


「説明するからこっちへ来てくれ」


 俺とルミアは装換して装備を変え、魔剣聖と賢者であることや子爵であることを伝える。


「まさか、子爵に上級クラス持ちだったのか……」

「賢者だから私の傷を癒すことができたのね、納得できたわ」

「驚かせて悪かったな、どうだこれでやる気になったか?」


「はい、俺達のことお願いします」 

「でも、このことは内緒にしてくれ」

『わかりました』


 よし、次は冒険者ギルドの建物だ。

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