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第127話 右脚を治せ

 俺はテレポートでバハムートに会う。


「早速テレポートを使っているとは感心だ。急いでいるようだが、どうした?」


 俺はバハムートにナデアさんのことを話す。


「竜騎士ナデア、その小娘だったら覚えているぞ。それで小娘がどうしたのだ」


 俺は農場や冒険者ギルドについて説明して、冒険者ギルドを設立するためにナデアさんの右脚を治すことが必要だと話す。それと、ナデアさんの右脚を鑑定した時に、完治させるには新鮮な龍族の血が必要だと言うことも話した。


「話はわかった。だが、なぜ儂が小娘の右脚を治すために血をわけなければならないのだ」

「バハムートは龍神だろ。困っている領民がいたら助けるのが役目だと思うぞ」

「むむむ、龍神とはそう言うものなのか。お前達に助けてもらった恩義がある。よかろう、今度は儂が助けよう」


 そう言うとバハムートは自分の牙で腕を傷つけ血を流し、俺が渡した小瓶に血を入れた。

 よし、準備ができたぞ。



 ◇



 翌朝、食堂に行くと緊張したナデアさんと、それを見て心配している村人達が集まっていた。


 俺はナデアさんに龍の血が入った小瓶を渡して言う。


「ナデアさん、そんなに緊張しないで下さい。まずは、これを右脚の患部に塗ってください」 

「この小瓶の中身は飛竜の血だね。ヒュドラの毒に飛竜の血が必要だと噂で聞いているが、本当に大丈夫かい?」


「ナデアさん、主人を信じてください。それにこの血は飛竜よりも格上の魔獣、いえ神獣の血です」

「ま、まさか…… 騒いで悪かったね」


 ナデアさんは小瓶に入った血をまじまじと見つめると、決心して右脚の患部に血を塗り始める。


「できたよ。やってくれ」


 俺とルミアはナデアさんに頷くと装備を忍者と賢者に装換する。


「おお、凄いぞ」

「なんて装備だ」


 村人達から驚きの声が上がるが、俺達が集中を始めると黙り込む。

 さて、ここからが本番だ。俺はルミアと事前に打ち合わせた通りに交互に忍術と魔法を唱える。


【忍法の極み 退魔の術】

【魔法の極み マキシマムキュア】


 ナデアさんの右脚から龍の形をした黒い煙がでると、龍はスッと消える。


【忍法の極み 超回復の術】

【魔法の極み マキシマムヒール】


 そして、ナデアさんの右脚は神々しい光に包まれ、やがて光は右脚に吸い込まれるように消える。


「ナデアさん、どうですか?」


 ナデアさんは右脚の具合を確認しながら、ゆっくりと立ち上がり歩き始める。


 俺は内心ドキドキしている。鑑定スキルを使ってヒュドラの毒による傷を治すためには龍の血が必要だとわかっていたが、本当に治るのか自信が持てなかったからだ。


 ナデアさんは俺とルミアの方を見る。


「……痛くない、自由に動かせるよ」


『おおお』


「やった、ナデアさん」

「本当に治って良かったよ」


 ナデアさんは村人達から本当に信頼されているようだ。ナデアさんの右脚が治ったことが自分達の出来事のように喜んでいる。


 俺とルミアはナデアの右脚が治って安堵する。


「ノワール、ルミア、ありがとう」

「実は、本当に治るのか不安だった」

「ふふふ、そう言う所もシンジに似ているね。それにその装備は忍者だね」

「はい、そうです」

「初めてノワールからシンジのことを聞いた時は疑心暗鬼だったけど、これで納得したよ。私は冒険者ギルドのギルド長になるよ」


 ナデアさんの右脚が治ってよかった。これでギルド長を獲得できたぞ。


 あとは、ギルド長の推薦状だ。


 俺は、農場作業の合間にテレポートでコートダール、アッサムザルク、グランディアに行きギルド長に話すと、皆快く推薦状を書くことを承諾してくれた。


 次はAランクのパーティーだが、ワーク達を鍛えることを考えている。

 問題は俺の話にワーク達がのってくるかだな。


 それと冒険者ギルドを建てる資材を用意して、職人にお願いしなければならない。

 あとは、ナデアさんの竜騎士復活として装備が必要だな。材料はこの前に龍神から貰った物があるから作れそうだから、ライゼンさんに依頼しておこう。


 まだまだ、やることは多い。



 ◇



 翌日、ナデアさんはリハビリだと言って農場の作業を手伝っているので、魔獣に襲われるようなことがあっても大丈夫だろう。


 念のためナデアさんはに俺からクロム装備を渡した。


 ゲームに登場する竜騎士だったら当然槍が必要だと思い、クロム製の槍を渡したら意外な返事が返ってきた。それは、剣と盾もほしいと言われたことだ。


 ナデアさんは曰く、槍は飛竜に乗っている時にしか使わず、普段は剣と盾を使うのが本来の戦闘スタイルだそうだ。確かにこの異世界では槍を装備している人をあまり見かけないな。


 そんなことを考えていると、農場の近くにある店先から怒鳴り声が聞こえてくる。


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