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第106話 襲撃


 俺とルミア、ダンカンはコートダールから王都へ出発した。

 ここまで全て予定通りだが、気を抜かないでいこう。


 その後は何もなく王都でロバート侯爵と落ち合う。


「ノワール、待っていたぞ。先程、王宮に確認したところ、調停式は予定通り明日開催する。それまでゆっくりと休んでいるが良い。宿はこちらで用意してある」

「ロバート侯爵、ありがとうございます」


 俺とルミアは、ロバート侯爵が用意してくれた宿に向かう途中にルミアが気が付く。


「ねぇ、あなた。スクイ男爵とユース伯爵が王都にいるわ」


【マッピング】


「本当だ。ルミア、良く気が付いたな」

「ふふふ、これが女の感よ。あなたも気を付けてね」


 女の感…… 恐ろしい。

 後ろめたいことはないが、何故か焦ってしまうのは男のサガだろうか。


「わ、わかった。スクイ男爵とユース伯爵に探りをいれてみる」

「気を付けてね」





 俺はスクイ男爵とユース伯爵がいる高級ホテルに忍び込み様子を見ていると、二人が何やら話し合っている。


「この前の事件ではキルト公爵は私達を庇ってくれたが、今回はわからないぞ。スクイ男爵よ、何か策はないのか?」

「はい、ダンカンが調停式に出なければロバート侯爵しか証人がいなくなり、発言の信憑性が薄れ我々に有利になるでしょう」


「仕方ない。ダンカンの口を封じよ」

「わかりました。私には王都の闇ギルドにコネがあります。ダンカンは既に王都に入ったと情報がありますので、今夜で一気にけりをつけます」

「頼んだぞ、スクイ男爵」


 悪企みを記録したぞ。さて、戻ってルミアと対策を練るか。





 宿に戻りルミアと一緒にダンカンがいる部屋を訪ねる。


「ダンカン、いるか」

「ノワールか、入っていいぞ」


 俺は、スクイ男爵とユース伯爵の企みをダンカンとルミアに話す。


「それで、これからどうする?」

「ダンカン。すまないが、今夜襲撃があるから囮になってくれ。ミスリル装備とお前の実力があれば問題ないだろう」

「わかった、それで作戦は?」


 作戦と言っても簡単だ。ダンカンだけでも対処できるが、ここは生け捕りにしたいので俺が動く。


 案の定、深夜になって暗殺者が5人来たが全く問題ない。俺は、タイミングを見計らって結界を張り中に暗殺者達を閉じ込める。


「何、この空間は? 出られないわ」

「くっ、囲まれている。任務、失敗だ。……うぅっぅ」


 暗殺者達の一人が、口の中からバリっと割れた音がするとその場に倒れる。


「ルミア、毒を飲んだようだ。手伝ってくれ」


「魔法の極み マキシマムキュア」

「エリアスリープ」


 ルミアはマキシマムキュアを唱え解毒して、俺がエリアスリープで全員を眠らして拘束する。


「おい、起きろ」

「うっ、なぜ、私は生きている?」


「俺達が解毒したからだ」

「そんな馬鹿な、この毒は我がギルドに伝わる秘伝の仕込み毒だ。解毒できる筈がない」


「解毒はお前が生きていることが答えだ。さぁ、誰の差し金だ」

「ふっ、依頼主のことを話すと思うか? それに先程の毒を服用したことで、もう私が死んだことは伝わっている」


「それなら同じように暗殺に成功したことも伝えられるだろ?」

「それを聞いてどうする?」


 俺に良い考えが浮かんだ。


「俺がお前達を生かしてやる。その代わり残りの四人の誰かが暗殺に成功した合図を出す。それから直ぐに全員が毒を飲み、俺達が解毒してお前達を生かす」

「意図が良くわからないわ」


 俺の意図を説明する。


「最初の一人が囮となって自害する。残りの四人は、暗殺に成功するが捕まりそうになったので全員自害する。そうすれば、暗殺を成功した情報が流れ、お前達は全員が死んだことになる。どうせ闇ギルドのことだ、死人に口なし。それに、暗殺は成功して報酬を得るから無駄に詮索はしないだろ」

「……」


「俺達は偽の情報が流れる。お前達は死んだことになって第二の人生をやり直せる。いい考えだろ?」

「ふふふ、貴方は変わった人だ。面白い、どうせ、このままでも私達は死ぬ運命。貴方達に賭けるのも一興か」


 リーダー格の女が話すと、残りの四人に指示を出す。


「これが暗殺成功の合図だ。奥歯に仕込んでいる特殊な魔石を砕くとギルドに連絡が入る仕組みだ。そして、こっちの物には毒が仕込まれている自害の合図だ」


 一人が暗殺成功の合図を出すと、四人は一斉に毒を飲み込み、直ぐにルミアが魔法で回復する。


「ううう、本当に解毒できるなんて…… しかも、四人同時とは信じられない」


「私の名前は、火。そして、残りは水、土、月、風だ。私達は幼い頃より闇ギルドで育てられた。だから、名前はなく呼び名でお互いを呼んでいる」


「それなら生まれ変わったことだし、私が名付けてあげる。火はフェウ、水はアリア、土はソルア、月はモイス、風はバンミと名乗りなさい」


「お姉さん、ありがとう」

「お姉さんではなく、私の名前はルミアよ。それと、こっちの変わった人は、ノワールね」

「変わった人って、うふふ」


「でも、変わっているけど凄いのよ。貴方達にノワール君の気配を感じるかしら」


 俺は隠蔽で気配を絶つ。


「簡単にできます。私達は闇ギルドの中でも精鋭部隊ですからっていない? さっきまで目の前にいたのに……」


「え!! 突然、目の前に現れた」

「何を言っているの。ノワール君は、最初からずっとそこにいたわよ」

「桁違いだわ。もう、どうにでもしてって感じ。私達はこれからどうすれば良いの?」


 俺はダンカンと相談しながら手紙を書き、フェウに渡す。


「しばらく落ち着くまで孤児院で子供達の世話だ。コートダールの獣人区に孤児院にいるレイカさんにこの手紙を渡してくれ」

「そんな簡単なことでいいの?」

「まぁ、子供達の相手が簡単なことかどうか、やってみればわかるさ。これは路銀だ」


 俺はフェウに金貨50枚を渡す。彼女達には、万が一の時、レイカさんや子供達を守ってくれと言ってあるので、何かあっても大丈夫だろう。


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