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赤ちゃんアクティブ

 どれくらいの時間が経ったのだろうか。

グランドールは転移の影響で気を失っていた。

そんなグランドールの一つの異変が起きる。


 ぺしぺし、ぺしぺし。


「なんじゃ……。 起きるから後1時間……」


 ぺしぺし。


「鬱陶しいのぉ……」


「ふぇ、ふぇええええええええんんんん」


 そんな泣き声を聞いてグランドールは飛び起きたのだった。


「おーよしよし。 わしが、悪かった。 だから泣き止んでおくれ……」


 魔法を極める事、数十年。

グランドールは女性にも子供にも耐性が無かった。

人生でただの一度もそう言う状況になった事がないのだから赤子のあやし方を知る訳も無く。


「びええええええええええええ」


赤子を安心させる事が出来る訳がなかった。


 数分なのか数十分なのか数時間なのか。

グランドールにからするとただただ長い時間だった。

赤子は泣きつかれたのか眠る事で泣き声を止めた。


「赤子とはこうも難しい生き物だったのか……。 母は強しと言う言葉を大昔に笑い飛ばしたが事実なのじゃろうな……」


 赤子が泣き止んだ事でやっと周囲の探索が出来ると思ったグランドール。

しかし、思いつく。

こんな所で周囲の探索と言って赤子を一人で放置をしても良いものか?……と。


「まあ、今は寝ておるし大丈夫だろう」


 グランドール、子供初心者のせいでこの判断が大惨事を生む事になる。


 魔法で結界を作り外からは魔物が入れない様にして一人で周囲の探索に出かける。

安全第一。

ダンジョンでの基本であり、実力の無い者を安全な場所に置いていく。

本来ならば何も間違いではない。

ただし、今回は赤子が護衛対象なのがまずかった。


 どれくらいの時間が経ったのだろうか。

このダンジョンの最下層くらいならソロでも攻略してきたグランドールに取っては造作も無い事ではある。

周囲の探索を終え、魔物を殲滅して戻ってきたグランドール。

赤子を守りながらどうやって地上に戻るか考えながら結界に入る。

そこには赤子の姿が無かった。


「くそ!! やってしもうたわい!!?」


 目を覚まして誰も居なければ探しに行く。

当たり前の事を見落としてしまったわしの落ち度じゃ!!


「嬢ちゃんや!! 声を上げておくれ!! なんでもいい、泣き声を!!!」


 こんな時に最悪とは重なるもの。

赤子が向かった先は最下層ボス部屋の目の前に居た。


「あああああ!!!」


 強化魔法で五感を強化していたからこそ聞こえた声。

周囲の雑魚を殲滅していたからこその最悪の事態だった。


 グランドールは体に鞭を打ち赤子を拾い上げるのと同時に赤子がボス部屋の扉に触れる。

それはボス戦への挑戦を決める行動だった。

二人はボス扉に吸い込まれて行くのだった。

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