051「これからの話」第一章最終話
「この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません」
「はじめまして……ボクが噂の神様だよ。胡散臭くないよ」
一発目の挨拶で詐欺がよく使う『常套句』を混ぜてきた自称神様。
「「いや、余計胡散臭いわっ!?」」
俺とメグがとりあえず正論でツッコんでおいた。
「さて、掴みはオッケーと言ったところで……」
どこがだよ。
「まずは、そうだな~……ボクがこのタイミングで出てきた理由から話すね。ボクがこのタイミングで君たちに接触してきた理由はね…………君たちは今、『地球の命運』がかかっている争いに巻き込まれたということ。いや、そうじゃないな…………『人間の本来の在り方』を勝ち取るために『現代社会』に戦いを挑んでいる、といったところかな」
突然、出てきた神様が、これまた、突然、壮大な話を始めた。
「壮大だと思うかい…………拓海君?」
「?! お、お前、俺の……心を……」
「言ったでしょ? ボク、神様だって」
ニコッ。
神様はそう言って笑みを浮かべる。
なるほど…………この感じ…………思い出したよ。
一年前、俺が事故で意識を失って異世界へ行く前……俺に『チート能力』をくれたときと同じだ。
「そっ! 思い出したようだね」
「ああ。でも、なんで、神様が突然現れて、今の俺たちの状況の話をしに来たんだ?」
「それはね……君たちが思っている以上にこの『戦い』は重要だってことを認識してもらうためだよ」
「重要……? その……イルミナティとか宇宙人とかとの戦いが…………てこと?」
「そう。この『戦い』は人間たちの今後の存在意義に関わってくるものであると同時に、地球の今後の『動き』にも関わってくる」
「地球の……動き?」
「今の君たちには理解できないと思うが、『地球』はひとつの生命体だ」
「!? そ、それって……生き物ってこと?」
「そう。君たち人間や動物、植物と同じ『生き物』だ。だから、君たち地球で生きている者たちは皆、『地球という生命体の中で生きている生命体』ということになる」
「マ、マジ?」
「マジ」
俺を含めて、母さんもメグも神様の言葉に理解が追いついていなかった……が、神様は話を続ける。
「そして、『地球』が『一つの生命体』ということは地球も他の生物と同じように『自浄作用』が…………ある」
「自浄……作用?」
「人間が風邪をひいた時、体の中では免疫作用が働いて風邪のウイルスを殺している……というのはわかるかい?」
「あ、ああ」
「そうか。なら話は簡単だ。この人間の体の中の『免疫作用』が『地球の自浄作用』と同一と考えればわかるだろ?」
「!? そ、それって……」
「そう。地球が『今の人間』を『害のあるウイルス』と判断するかどうかで人間の未来は…………決まる」
「「「!? そ、そんな……」」」
俺たちは神様の言葉に動揺を隠しきれない。
「今の人間社会のままならおそらく……『害のあるウイルス』と判断するのは自明の理だろ? じゃあ、そうならない為にはどうするか? 答えは……『この社会を変えるしかない』というところに行き着く…………だが、それは簡単なものではない。何故なら『力』は今の世界を支配している者たちが圧倒的に所持しているからだ」
「た、確かに……」
「しかし、ここで君のような『異世界からの転生回帰者』が現れた。しかも『大きな力』を持って…………それが君だよ、拓海君?」
「お、俺が……」
「うん。そして、これがどういうことを意味しているかわかるかい?」
「い、意味?」
「今、人類の命運を賭けた戦いは『朝比奈拓海』を中心に動き始めている…………ということだ」
「!? え……そ、そんな……大げさな……」
「大げさだと思うかい? 本当に? 君ならわかるだろ? これまで自分に降りかかったことや、それに対して対応した内容を考えたら…………圧倒的な力だっただろ?」
「!? そ、それは……」
「しかも、君は今、異世界アルヴァゼロとの行き来ができる可能性を探っているだろ?」
「?! ど、どうして、それを……」
「か・み・さ・ま……だよ、ボク。それくらい知っているって」
う~ん、さすがに凄いな。
やっぱ、本当にこいつ……本物の神様なんだな。
「いや、まだ『神様』って認めてなかったの?!」
「心を読むな」
「はあ……何というか、君は面白いよ、本当に。さて、話の続きだが、異世界アルヴァゼロへの行き来の手段としては君は今『召喚魔法』を作ろうとしていると思うが、それについてはボクが付与してあげる」
「えっ?! マジ!」
「マジ。しかも、召喚じゃなく、行き来が簡単にできるように『転移魔法』をやるよ。これにより、アルヴァゼロの者たちをこの地球に呼ぶことも、逆にアルヴァゼロへ行くことも可能になる。だから、そこはうまく利用して力を付けてほしいんだ」
「そ、それは、ありがたいですけど……でも、何で、そこまで俺たちに肩入れするんだ?」
「それはね。ボクは君たちの考える『新しい人間社会像』を良いと思っている神様だからだよ。とは言っても逆に、現在の『世界支配側』にも味方する神がいるけどね」
「え? そうなの?」
「ああ、勿論。そうじゃないと『平等』とは言えないでしょ?」
「えっ? 平等?」
「ああ、そこは今は気にしなくていいよ。それはいずれ理解できると思うから。とりあえず、これが、ボクがここに来た理由のすべてだよ」
俺たちは神様の話にまだ完全には理解できないでいたが、現状がどういう状況かを少しは理解できた。
「さて、ここから君たちはいよいよ本格的に『敵』と接触するだろうから頑張ってほしい。どうか君たちの活躍で、この地球が『人類は残すべき生命』として選ばれるようにね」
「いきなり、そんな話でまだ理解が追い付いていないけど…………でも、やってみるよ」
「うん。今はそれくらいの理解でもいい。ただ、時間は刻一刻と進んでいるからボクの言葉を信じて今は力をつけていってほしい」
「わ、わかった」
「うん。それじゃあ、拓海君には『転移魔法』を付与してあげるね」
そう言うと神様は俺に手の平を向ける。すると、その手の平から『紫の光の玉』が現れ、それが俺の中へと入っていった。
瞬間、俺の脳内で『ステータス』が表示され、そこに『転移魔法リアクテンス』というものが記された。
「それじゃあ、この『転移魔法』を使ってアルヴァゼロと地球でうまく利用してね。じゃあ、ボクはそろそろいくよ」
「あ、ありがとう……神……様」
「おっ! 少しはボクに対して敬意を表するようになったようだね。ハッハッハ」
「くっ?! なんか……ムカツク」
「フフ。まあ、そのくらいの肩の力を抜いた感じでね。あまり固くなりすぎて『頭でっかち』にならないように」
「わ、わかった……」
「うん。これからは拓海君……君が思う……『理想』に向けて思うようにやってごらん。自ずと道は開かれると思うよ…………それじゃっ!」
パシュ!
そう言うと神様は一瞬にして姿を消した。
「拓海……」
「お兄ちゃん……」
母さんとメグが心配そうに俺の顔を覗く。
「まあ、なんだ……実際、いずれにしてもこれまでと同様、世界を変えるためには戦わなきゃいけないのは変わらないから、まあ、特に変わったことはないかな」
「で、でも、『地球の命運』とかなんだって……」
メグが心配そうに声をかける。
「いやいや、そんなこと言われてもどうしようもないだろ? だから、これまでと同様、『世界の支配者』たちをどうにかしないといけないのは変わらないから特にこれまでと変わらないんだよ、メグ。ただ、その戦いに向けた準備は……すぐにでも始めなきゃいけないようだけどな」
「どうする気なの、拓海?」
「まずは、神様からもらった『転移魔法』で俺は一度アルヴァゼロに行ってくるよ。そして、魔王を倒したときの『仲間』たちに協力をお願いしてみる。それと、もう一つ……」
「もう一つ?」
「地球からアルヴァゼロに行けるようになれば、そこで魔物とかを倒すことをすれば、もしかしたら『身体能力』を上げることや『スキル』を手に入れられることができるかも……しれない」
「……なるほど。それはもしかしたら可能かも……ね」
母さんが俺の話を聞いて同じように納得をする。
「でしょ? だから、まずはそっこから準備していこうかと思う」
「お兄ちゃん! あたしも……あたしもその『アルヴァゼロ』に行って鍛えてお兄ちゃんの協力したいっ!」
「メグ……」
「ダメって言ってもあたしやるからっ!! 絶対に何て言われようと…………っ?!」
「ありがとう、メグ」
「お兄ちゃん……」
「それじゃあ、お母さんもアルヴァゼロに行くわ。いろいろとお話したいことや調べたいこともあるから」
「え? 母さんもっ!?」
「ふふ。お母さんの人脈、舐めないでよね?」
そうか。1000年前とはいえ、リザスター王国の第一王女。
いろいろと何かできることがあるということか。
「よ、よろしくお願いします」
「はい、お願いされました!」
そうして俺たちは、転移魔法でアルヴァゼロへと行く前に身支度を済ませた。
1時間後。
「それじゃあ、早速、行ってみようか……アルヴァゼロに」
「うん! 楽しみ~!!!」
「お母さんも楽しみ~!!!」
「いやいや、一応、遊びじゃないからね?」
とは言いつつも、俺もワクワクしている。
「よし、じゃあ、行こうっ! 転移魔法リアクテンス!」
俺は召喚先である『アルヴァゼロ』をイメージして魔法を展開。
そうして俺たち三人は『アルヴァゼロ』へと転移した。
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神様の話だと、これからが『敵』との本当の戦いへと突入していくと言っていた。
そして、その戦いは俺を中心にして回る、とも……。
正直、今の俺の力でどこまで通用するかわからないができるところまで頑張ってみようと思う。
麗香や静流、光也、他にもいろんな仲間と出会い、そして、これからも多くの仲間と出会っていくのだろう。
敵がどれだけ強大なのか今の俺には全然ピンとこないが、やれるだけのことはやってやるさ。
そして、現代でも無双して世界を救ってみせるっ!!
第一章 完
これにて『第一章』は完結となります。
一応、これで一旦『完結済み』としてこの作品の筆は置かせていただきます。
今後は、新作を書くのか、続きを書くのかは決めてませんが、何かしら作品を上げた時は手に取って読んでいただければ幸いです。
ありがとうございました。
m(__)m




