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040「宇龍会の切り札と救世の勇者【その2】」

「この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません」



――「で……だ」



 静流と麗香の『いわれもない説教』が一段落すると、静流が本題へと移った。


「タクミ氏が拉致ろうとした相手は『宇龍会』というS県最大の暴力団で警察から『特定危険指定』されているほどの組織だ。そして、愚連隊の『黄龍』がその宇龍会の資金源の一つということで、そこにつながるというわけだ」

「……なるほど」

「そして、大事な部分がこれから話す内容なのだが、この『宇龍会』は裏で大きな世界的組織とつながっている。それは…………『イルミナティ』だ」

「イルミナティ?…………た、確か……『レプティリアン(爬虫類型宇宙人)』傘下の秘密結社だっけ?」

「そうだ。まあ、この『イルミナティ』の下に『フリーメイソン』というテレビやネットなどで一般の人に知れ渡っている組織がある。『フリーメイソン』という存在は『友愛団体』という形で主にボランティア活動を行っている『表の組織』で、その奥で暗躍する『裏の組織』がこの『イルミナティ』だ。『イルミナティ』は『裏で世界を操る者たち』と『暗殺を行う者たち』で構成されている。まあ、『裏で世界を操る者たち』というのが『超富裕層』のことで、『暗殺を行う者たち』というのが『異能力者集団』らしい。今から話すのは、そのイルミナティの『異能力者集団』の一人が宇龍会に関わっているらしく……そして、そいつは『宇龍会の切り札』と呼ばれているそうだ……」

「宇龍会の……切り札?」

「ああ。何でも『人間辞めてるレベル』で強いらしい」

「へ~……」

「おそらくだけど……」


 と、ここで麗香が話に入ってくる。


「イルミナティの暗殺集団の『力』というのは『科学』で得たものらしいの。お父様が言うにはイルミナティの暗殺集団も『遺伝子操作』で『異能力』を身に着けたと言っていたわ。だから、その『異能力者』に対抗するべく、お父様は『NACM計画』を立ち上げ、そして、自分自身を実験台にし結果、『異能力者に対抗する力』を身に着けたのよ。まあ、私はその『力』を遺伝して得たのだけれど……」

「そう……なんだ」

「でもね、拓海……『イルミナティ』の暗殺集団は『異能力者』だけど私やお父様はあくまで『身体能力が強化』されたに過ぎないの。だから、正直、彼らに対抗できるだけの力があるのかはやってみないとわからない…………て感じなの」

「ええっ?! そ、そんな……ギャンブルな…………しかも、分が悪い賭けじゃないか?!」

「まあ、今のところは……ね」

「ん? 今のところ……?」

「今、お父様は『異能力』の部分の遺伝子解明を行っているの。だから、それが分かれば、私もお父様も『異能力』を身に着けられる。そうすれば『イルミナティ』の連中と互角に戦えるわっ!!」


 麗香が力強く言葉をぶつけ、また、さらに話を続ける。


「それに、イルミナティの『異能力者集団』へ対抗する『武器』も鋭意制作中よ!」

「『武器』……?」

「何でも『武器』だけじゃなく、攻撃から身を守る『防具』や『道具』も制作中よ!」

「うむ……。雄士郎氏の武器制作が待たれますな」

「とりあえず、拓海! 今はチンピラが寄ってきても避けるようにしてよね! 前みたいに下手に手を出すとエスカレートするんだから……」

「あ、ああ……」


 ぶっちゃけ、手遅れ感は否めないが。


「お父様の『武器』が完成したら私たちも協力するから、その時に一緒に『宇龍会』を襲撃よ!」

「うむ! 吾輩たちも一緒に行って大暴れするから…………………………抜け駆けはするなよ?」

「も、もちろんだよ~…………ハッハッハ」


 その後、『抜け駆け』をすることになる拓海であったが、今の彼らが当然、知る由はなかった。



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