036「来るべき日と救世の勇者【その4】」
「この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません
「こ、これって、どういう…………?」
今、拓海の目の前にある壁にはプロジェクターから映し出された映像があった。
そこには、『武器を売るセールスマン』的なキャラクターが、戦争をしている二つの国の『両方』へ武器を売っている描写だった。
「見ての通りだよ。見ての通り……軍需産業のセールスマンが戦争している両方の国へ武器を売っている映像だ。そして……」
と、ここで雄士郎が別の映像を見せた。そこには、
「これは、『戦争している二つの国で味方のフリをしてその国を攻撃している映像』……だ」
「そ、そんな…………これってただの『自作自演』じゃないですかっ?!」
「そう……。この世界から戦争・紛争が無くならない理由がこれだ。『自作自演』…………『マッチポンプ』とも言うやつだ」
「そ、それって、つまり…………騙されているってことですか?」
「ああ、そうだ。だって、そうでもしないと…………『戦争が無くなっちゃう』だろ? それだと軍需産業は経済成長できないだろ? これが『戦争の無くならない理由』だ」
「ひ、ひどい……」
映像では軍需産業が歴史の中で潤っていく様が映し出されていた。
「それともうひとつ……この『戦争の無くならない理由』の中には、『レプティリアン』による『人口削減計画』も関わっている」
「えっ?! じ、人口削減計……画……?」
「ああ、そうだ。実際にその内容の一文がはっきりと書かれているモニュメントがアメリカには存在する。それが…………『ジョージア・ガイドストーン』というやつだ」
「ジ、ジョージア・ガイドストーン……?!」
「ああ。そして、そこには英語や中国語など8つの言語で書かれたメッセージ『10のガイドライン』というのが書かれているが、その最初の第1項目に書かれている言葉は…………『大自然と永遠に共存し、人類は5億人以下を維持する』だ」
「人類を5億人以下に……維持…………そんなのが……」
「実際にあるんだよ。堂々と……な」
「そ、そんなの……そんなこと……は、初めて聞きました」
「そりゃあ、見られて困るものだからだろ? 世界では騒ぎになっていたこともあったが日本のテレビや新聞ではほとんど取り上げられていないんだろう。まあ、そもそも、このテレビや新聞といった『マスメディア』もまた『レプティリアン』たちの駒である『超富裕層』が実権を握っているからな……。そりゃあ、日本人がほとんど知らないのも自然の理だよ♪」
「そ、そんな……テ、テレビや新聞も……レプティリアンたちが支配しているんですか?」
「ああ、そうだよ。それじゃあ、ちょうどこの流れで今度はテレビや新聞といったマスコミについての話をするね」
そう言うと、雄士郎は映像を切り替えた。
そこには『ある図式』が描かれている画像だった。
「まず話をする前にテレビやラジオ、新聞などをメディアというけれど、みんな、そこで流れる内容が『すべて正しいもの』という前提で見てるよね?」
「は、はい……そうですね」
「うん。でもね……それは違うんだよ。そこに『お金』が発生している以上、そのお金を渡す側……つまりスポンサーの意向に沿った番組内容が流れているんだ。もちろん、事実のニュースもあるけど、そうじゃないものもあるし、むしろ、情報操作された内容が流れているのがほとんどだと言っていい」
「え? それって、じゃあ、自分たちは騙されているってことですか?」
「まあ、『騙されている』というよりも……『洗脳されている』に近いかな?」
「せ、洗脳!?…………ですか?」
「ああ。そもそも日本が第二次世界大戦で負けた後、アメリカが行った政策のひとつである『3S政策』というのがあるんだけど、これは簡単に言うと『日本の国民が政治に興味を持たないようにするための政策』なんだ。じゃあ、どうやって日本国民を政治に興味を持たさないように仕向けたかっていうと、それは『テレビや新聞、ラジオといったメディアを利用して、『映画(Screen)』『スポーツ(Sport)』『性産業(Sex)』を利用して大衆の関心を政治に向けさせないようにしたんだ。いわゆる……愚民政策ってやつだ」
「!? そ、そんな……まさか……」
「よく考えてごらん。拓海君は今日までニュースを普段から真剣に見るようなことはあったかい? おそらくは『ドラマ』や『バラエティ』『映画』『スポーツ』とかしか見ないだろ?」
「!? た、たしかに……」
「ほらね。第二次世界大戦が終わって70年以上経過しているけど、アメリカのこの『3S政策』は完全に成功しているよ…………ていうか大成功でしょ?」
「は、はい……」
「政治に興味・関心が無くなったらどうなるか? 結論から言うと『表向きの民主主義』があるだけで実際は裏で『独裁国家』が誕生するのが加速するってこと。じゃあ、現在、日本のマスコミってどういう状況か気になるでしょ?」
「は、はいっ!!」
拓海は食い入るように雄士郎の話を聞いている。
「というわけで、これが…………世界のメディアのつながりと背景だ」
プロジェクターが移した映像には、日本のマスコミがメディアへ流す情報は自分たちでは決められず、『広告代理店』の意向にそって決められているといったものが書かれている図と内容だった。
「こ、広告……代理店……ってなんですか?」
「広告主……つまりスポンサーである企業に、メディアの枠……いわゆるテレビでいうところのCM枠とかテレビ番組のスポンサー枠を広告主(企業)に売って手数料を得ている会社だ」
「き、企業とテレビ局の間に立ってやり取りする『仲介役』みたいなものですか?」
「そ! そういうこと。いいね~……拓海君!」
「あ、いえ……雄士郎おじさんの説明がわかりやすいだけですよ」
「ふふ……ありがとう。でもね、広告代理店の本当の役割は世界の支配者である『超富裕層』がこれからの世界を支配する為の移行を国民に気づかせない……あるいは情報操作をして洗脳させることにあるんだ」
「情報……操作……」
「うん。ちなみに『広告代理店』はメディアに流す内容を上から指示されているだけで、そのメディアに流す内容を決定しているのはその『広告代理店』のさらに上にいる株主の『共〇通信社』や『時〇通信社』といった『通信社』が流す内容を決定している」
「つ、通信社……?」
「ほら、アナウンサーが世界のニュース記事を読むとき、ニュースの記事を読む前に『ロ〇ター共同によりますと……』とか『A〇通信によると……』といったのがあるだろ? あれが通信社だよ」
「ああ……そういえば、そんなこと言ってますね」
「もちろん、新聞でも世界的なニュースの記事で使われている写真の下にはちゃんと『通信社』の名前が書いてあるよ」
「そうなんですね」
「ちなみに日本の広告代理店のトップは『電〇』という広告代理店で、ほぼ、独占状態でね……だから、この広告代理店の意向にテレビや新聞は逆らうことができないってこと。だって、この広告代理店からテレビ局やラジオ局はお金をもらっているわけだし、その広告代理店はCMのスポンサーである企業からお金をもらっているわけだから、企業に不利益となるテレビ番組なんて作れないし、ニュースだって伝え方を企業や株主に配慮した内容になるのももっともでしょ♪」
「た、たしかに……」
「つまり、国民が政治に興味を持たせないように行った『3S政策』から始まり、それが現代ではさらに『情報操作』や『情報統制』が巧妙になっていつの間にかその『超富裕層』の手のひらで踊っているのが『常識』という形で存在するようになったのさ。どうだい、拓海君……この話を聞いて?」
「し、正直、信じられないと思いましたが、振り返って考えると、確かに思い当たるフシがあって…………でも、正直なところ、どれが真実なのかわからない状態です……」
「うむ。それでいいんだよ、拓海君! 大事なのはいろんな情報を見て、聞いて、そして、実際に調べること、そして、可能であれば『経験』することが大事だ。『確実な事実』とは何よりも自身の『経験』だからね」
「は、はい!」
確かに俺はこれまでの話を聞いていくと、いろいろと考えさせることばかりだった…………というより、自分も知らないまま情報を鵜呑みにしていたな、といったフシがいくつも思い当たった。
「いい返事だ。それじゃあ、とりあえずは『世界の仕組み』については今はこの辺で一旦終わるよ。次に話すのは私たちが相対する…………………………『敵の存在』についてだ」




