034「来るべき日と救世の勇者【その2】」
「この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません」
「コホン! それでは皆様ご視聴くださいませ…………『世界はどういう仕組みで動いている?』、はじまるよっ!!」」
カーニバルでファンタズムな掛け声をきっかけに目の前のプロジェクトに映像と音楽が流れだした。冒頭、原始人のキャラクターが登場。そこで一度映像をストップして雄士郎が歴史の解説をしながら話を始めた。
「世界の仕組みについて知るべき一番大事なものが……まずは『お金』だ。現代のお金は『信用創造』というシステムで生み出されている。その話を最初に理解してほしいのでまずはそこからスタートする……」
そう言うと、映像が動き出した。
"『むかしむかし、私たちの先祖である原始人時代にまで遡ると、まず『お金』の前に『物々交換』の時代がありました。しかし、それでは交換するのに不便だった為、その解決策として生み出されたのが『お金』です。そして、この『お金』にはいろんなものが使われてきました。それは綺麗な貝殻だったり、大きな石だったり…………しかし、それでは価値の基準や尺度がわかりにくく、また、使いにくいものでした。しかし、人間が『金属』を扱えるようになると『金』や『銀』が加工できるようになり、それは一定の分量に分けられるので『価値の尺度』が安定し使いやすいものでした。こうしてまずはこの『金』や『銀』が『お金』として使われるようになります』"
ここで映像が静止。雄士郎が皆に声をかける。
「ここまでは特に問題はないですか?」
「は、はい。学校で習ったことがあります。つまり『金貨』や『銀貨』のこと……ですよね?」
「うん、そうそう」
「これくらいなら学校で習ったので大丈夫です」
「わかった、ありがとう。では、続けるね………………あ、ポチッとなっ!」
相変わらずの残念なテンションで雄士郎が再生ボタンを押すと映像が再開した。
"『そして、この『金』や『銀』を使って『お金』を作る役目をしていたのが『金細工師』という職業の者です。金細工師は作ったお金を守るため大きな金庫を持っていました。やがて金細工師は金庫の余ったスペースを貸す商売を始めます。というのも、『金貨』や『銀貨』は確かに『お金』としての機能は十分に果たせていましたが、ただ、モノ自体が『重量』があり重いので人々は金細工師の金庫に普段使わない『金貨』や『銀貨』は預けるようになります。それから何年かたったある日、金細工師はあることに気づきます…………『皆、金庫の中の金を取りに来ることなんてめったにない』と。すると、そこで金細工師は『金の預り証』を発行し、その預かり証を持っている人ならば本人でなくても金貨や銀貨を引き出せるようにしようと考えました。これにより、金を預けている貴族たちが『わざわざ金と交換する』のではなく、この『預けている金との交換券』に過ぎない『金の預り証』で物の売り買いをするようになります。つまり、このただの『金の預かり証』だったものが、なんと『お金で物を買える』のと同じ『決済機能』が付くようになったのです。そうして、貴族や庶民の間にこの『金の預かり証』自体が『紙幣』と化して流通するようになりました。そして、この『金細工師』は自分の持っている金……とは言っても実際は『貴族や庶民が預けた金』を元手に、相手に『ローンで貸し出す商売』……いわゆる『貸付業務』も始めることとなります。その後、金細工師は『高い利子』でお金を貸し出し、『低い利息』を預金者に還元することで利益を得るようになりました…………これが『銀行』のはじまりです』"
と、ここで雄士郎が映像を静止させた。
「ご感想は?」
雄士郎が尋ねる。
「あ、い、いえ…………あの……どうして『銀行』の話が『世界の仕組み』と関係があるんですか?」
「だって、この世界で生きていくには『お金』が必要だよ?」
「あ、はい。そ、それはわかってますけど…………そ、その~…………どうして『世界を支配している話』で銀行の話をするのかな、て…………」
「おや? つながらないかい?」
「はい、すみません……」
「そうか。いや、全然構わないよ、拓海君。光也君はどうだい?」
「!? ボ、ボクですか? ど、どうでしょう……はは」
「…………フッ、なるほど」
「「??」」
雄士郎が光也に見せた納得するようなリアクションに、拓海と光也は疑問に感じる…………とは言え、些細なことではあるので特に指摘することはしなかった。
「さて……では、どうしてここで『銀行』の話をしているのか? それは、この『お金』を生み出す『錬金術』は、世界を支配する『超富裕層』がその権利を握っているということ。そして、この『お金』自体があたかも『価値があるモノ』として人々に洗脳のごとく浸透していることがあるので、まずは、この『お金』という『あたかも価値があるモノ』という洗脳から目覚める必要があるからだ」
「えっ?! お、お金に価値があるって…………当たり前でしょ?」
「捉え方によるが、お金の価値はあるともないとも言えるんだ」
「ど、どういうことですかっ?!」
「まあ、その辺の話は今後出てくるから期待して待ってなさい!」
雄士郎はニヤニヤしながら拓海に言葉を返す。
「ちなみに、現在の『お金』を作っているのは『中央銀行』という…………私たちの住む日本で言えば『日本銀行』がその中央銀行にあたるわけだが、この『日本銀行』は政府の一部………………ではない」
「えっ……?」
「さらに言うと、株を発行している株式会社…………つまり、いち民間企業だ」
「? ど、どういうこと? 政府がお金を発行しているんじゃないんですか?」
「いや違う。政府が発行しているのは100円とか500円といった『硬貨』だけだ。千円や一万円といった『紙幣』は…………『日本銀行』という企業が発行している」
「ええええええええ~~~~~~~っ!! お札って『国』じゃなくて『企業』が発行しているんですかっ?!」
「そうだよ。しかも『日本銀行』は『出資証券』という株のようなものを発行しているから、当然『株主』が存在する。まあ、表向きには『55%を政府』残りの『45%が民間』からの出資となっているが……でも、おかしいと思わないか?『お金』という生きていく上でとても大事なものが『国』が発行しているのではなく、いち企業が発行しているっていうことに……」
雄士郎がそう拓海に問いかける。
「し、信じられない……どうして、そんな『お金』を作っているのが『国』じゃなく『企業』……だなんて」
拓海は青ざめた顔で放心状態だったが、さらに雄士郎が追い打ちをかける『真実』を語る。
「ちなみに、その民間の株主というのはなぜか『非公開』となっているが、それは私たちはすでに確認してある。そして、その民間の株主の筆頭は『ロスチャイルド』と言ってな……イギリスの財閥でいわゆる『超富裕層』の一つなのだが、こいつらが『世界の銀行の親玉』みたいな存在であり、そして、そのロスチャイルドを駒のように使っているのが…………『レプティリアン』だ」
「レ、レプティリアン…………静流や麗香が言ってた…………」
「どうだ?『銀行の話』と『世界の仕組みの話』が一つ、繋がったろ?」
「…………」
拓海は『世界の真実』にまだ触れたばかりであるにも関わらず、すでに驚愕の連続だったため、少し精神的疲労がたまっているようで雄士郎の言葉に反応できないでいた。
やったー!
ついに「10万文字」突破しましたー!!
これからも頑張りますっ!!!




