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032「世界の真相と救世の勇者」

「この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません」



「吾輩たちが生きている世の中は『超富裕層』たちが作り上げた『社会システム』で、それは、もはや『奴隷システム』と言っても過言ではないということがわかったと思うが、では、この『奴隷システム』を誰が『計画』したのかということだが、これは『ある存在』が計画したもので、その『ある存在』が父上たちがこれから戦おうとしている相手だ……」



 静流の口から出てくる話がとてもマトモな話には聞こえなかった俺は、半ば、放心状態だった。まあ、異世界に行った俺がいうのも何だが……。


「そして…………吾輩やレイカ嬢、そしてタクミ氏の父上たちが『ある存在』と戦い、この世界の平和を取り戻すためだけに人生を送ってきたのだ。その『ある存在』の名は『レプティリアン』という」

「『レプティリ……アン?』」

「そうだ。そして、そいつらがこの世界の平和を脅かしている存在であり、これが世界が隠している『真相』だ。ちなみに『レプティリアン』とは日本語では…………『爬虫類型宇宙人』と書く」

「は、爬虫類型……宇宙人~~~!?」


 俺は一人、その静流の言葉をおうむ返しで叫ぶが、チラッと光也を見ると、光也は意外にも驚いている様子はなかった。


「う、宇宙人…………て、そんな…………しかも爬虫類型……って……」

「いや、異世界帰りのタクミ氏に言われたくないわっ!?」

「そ、それじゃあ、何か、静流? お前のこれまでの言葉をまとめると、その『爬虫類型宇宙人』…………『レプティリアン』は今のこの地球で生きる人間の社会システムを計画して作り上げ、俺たちを管理しているとでも言うのかっ!?」

「その通りだ。まあ、タクミ氏がこの話を聞いてすぐに信じられないのもわかるが、それは事実であり、その為に40年も前から我々の父上たちは『レプティリアン』を倒すべく、計画し、その為の準備をしている。ちなみに吾輩の父上は『秘密結社民の鉄槌』というものを作り、水面下でいろいろと動いている」

「ひ、秘密……結社……っ?!」


 拓海は全然、静流の話についていけてなかった……無理もない。


 しかし、そこで今度は麗香が追い打ちをかけるべく話を始める。


「私のお父様は雨宮ネオインダストリー(ANI)という表向きのIOT企業とは別に個人で『ナノボット』による『人工細胞変異技術』という技術を発明して人間の潜在能力を引き出し、人の領域を超える力を持った人間……『超人ニューマン』を作り上げ、『イルミナティ』との戦いに備えているわ」

「…………い、意味が……お前らの言っていることが……全然……理解できねーよ。ほ、本当にそんな話が現実の話なのかよ……」

「そうよ。そして、私たちが今、こうして拓海に告白したのは拓海が異世界から『ステータス継承』で帰ってきたことでいろいろ実生活で『揉め事』が起こっているからよ」

「!?…………そ、それって、『黄龍』の話か?」

「「そうだ」」


 静流と麗香が口を揃えて肯定する。


「本当はまだ動かない話だったのだけれど、拓海が『揉め事』を抱え、そして動いた結果、私のお父様や静流のお父様も動き出すことを決断したの。そして、この話はすでにお師匠さん……拓海のお父さんにもすでに了承を得ているわ

「えっ! と、父さんに……!?」


 すると、『秘密基地』の外で数台の車が停まる音がした。


「!? だ、だれか…………来た」

「心配しないでいいわ。あれは私が呼んだ車よ」

「れ、麗香が……?」

「これから私のお父様がいる『雨宮ネオインダストリー』に行って、直接話を聞いてもらう為よ。そこには静流のお父様もいるわ」

「マ……マジかよ」

「マジだぞ、タクミ氏。タクミ氏や光也にとっては突然いろいろなことを聞かされて正直困惑していると思うが、実際、吾輩の父上やレイカ嬢の父上と話をすれば理解できると思う。その上でタクミ氏には決断してほしい」

「し、静流……」

「お願い、拓海っ! 話だけ……話だけでも聞いてほしいのっ!!」

「わ、わかったよ……」

「ここまで来たら…………すまないが光也、お前にも一緒についてきてもらうがいいか?」

「うん、もちろんだよ、静流君、麗香ちゃんっ! ボクも一緒についていくよっ!!」

「……光也?」


 光也を見ると、さっき町でチンピラに絡まれたときと違って何やら『決意』したようなおもむきを感じさせた。


「じゃあ、みんな……早速、車に乗って!」


 麗香の合図で俺たちは麗香が呼んだ高級車に乗り込み、雨宮ネオインダストリーへと向かうこととなった。



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