[番外編]君は眩しかった
創作お題bot(@asama_sousaku)より
『君は眩しかった』
さて、過去の話をしようか。
君と僕が出会った頃のお話を。
僕としたらあまりいい思い出とは言えないが、同時にいい思い出とも言える。
君に言えば笑われるだろうね。
思い出の扉を開こうか...
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確か君に出会ったのは入学式の時。
目に入った君が美しく思えたんだ。あの時は一目惚れだったよ。
元々僕は同性愛者だから君だろうが、女の子は好きにはなっていたんだろうね。
...言わないでくれ?何を言っているんだ。君が言ってくれと言ったんだろう?話をつづけるぞ?
だから僕は君にアタックしまくったんだ。
同時にクラスも同じだったしね。
まぁ、始めは流石に友達から始めたけれどね。
それから僕の恋心はすぐに大きくなってしまったけれどね。
だから早すぎるとは思っていたが、僕は耐えきれなくなって告白したんだ。
「...君の事が恋愛対象として好きだ。だからといって付き合ってくれとは言わないよ。それだけを覚えてくれていたらいいよ」
「......えっと、それは本当?」
あの時の君の顔は傑作だったよ。物凄い呆けていたからな。一応驚きもあったと思うけどな。
...笑うな?いやいや無理さ。これを思い出す時には僕には笑う事もセットでついてくるからな。
...ああ、ごめんごめん。不貞腐れないでくれよ。
それでも僕は君の事が好きだったのさ。
諦め切れなかったからね。付き合ってくれとは言わないとは言ったけれど、心の中ではやっぱり断られても諦め切れなかったからさ。
...しつこかった?自分でも自覚はあったよ。そうでもしないと離れてられそうだったから。それでも僕に落ちた君も相当な変人だよな。
...そこは否定はしないんだね。否定したら君らしくいれない?それは今の話だろう...?まぁ、いいか。
今まで君みたいなタイプとは出会った事がないのさ。僕の話を聞いてくれる。そんな人がいなかったのさ。両親にも言ったことはなかったから。
...なんで好きになった?言ったじゃないか。一目惚れだって。...他にありそう?...君は鋭いな。それもあったけれど、後からなぜ君の事を好きになったのかを自己分析していたんだ。そしたらこれに気づいたんだ。
ー僕に君は眩しかったー
...なぜかって?好きな存在であり、憧れでもある。
憧れまでいくと人は眩しくなるじゃないか。
例えの話をしよう。アイドルがいるとする。その人は憧れなわけだ。憧れだとその人が眩しくみえるじゃないか?好きでも眩しいだろうがね。
それらと同じ事さ。だから眩しかったのさ。憧れと同時に大好きな人。僕の話を聞いてくれる人。
君に関していえば、告白しても話を聞いてくれる変人だと思ったさ。
...言い過ぎ?いや、君は変人になるだろう?結局は僕の事を好きになっていたから僕も君も変人なのだろうけれど。
そうしているうちに君に「終末思想の話」をしたのさ。
聞いてくれると思ったから。君を殺したいほど好きになりすぎたから。
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とまぁこんな感じかな。
簡単な話になってしまったね。
僕の話はこれで終わりさ。
また、次のお話の扉を開く事が出来ればいいな。
こんなくだらないお話に付き合ってくれてありがとう。
扉を開いた人たちにそれぞれの物語があるだろう。
その物語の続きをいつか教えてくれれば嬉しいな。
また、次のお話までさようなら。
いつか、また会える日まで...